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変態プロレス放談

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しがない変態プロレスファンが、プロレスを中心に気付いたこと・感じたことを徒然なるままに書いてみました。 ひとつよしなに…!🙇🙇🙇
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2022年10月の記事一覧

永遠と刹那のカフェ・オ・レ~2022.10.23『樋口和貞vs坂口征夫』~

はじめに2015.6.28、私は後楽園ホール大会にいた。 2015年春にプロレスにハマった当時の私は、色々な団体を見たいという好奇心に溢れていた。 新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアを生観戦した後、私は【飯伏幸太が所属している】という理由だけで、DDTプロレスリングを見に行ったのである。 この日は『KO-Dトーナメント』の準決勝&決勝戦。 この準決勝で実現したカードの一つが、『樋口和貞vs坂口征夫』である。 煽りVで流れたBRAHMANの『THE V

"企画モノ"を超越した新人デビュー~2022.10.23『上谷沙弥&妃南vsフワちゃん&葉月』~

はじめに2022.9.11、プロレス界で話題となったニュースがある。 フワちゃんのプロレスデビュー。 後に、これはテレビ番組(『行列のできる相談所』)の企画であると明かされ、それに向けて4ヶ月半もの練習期間を積んだという。 前置きすると、私は、フワちゃんの事をあまり知らない。 普段テレビを見ない私でも、かろうじて名前は聞いたことがある人だけど、彼女がYoutuberだという事は今回のプロレスデビューで初めて知ったレベルだ。 今回のプロレスデビューに対し、「4ヶ月半の

若人の 活気と熱気に 満ちた磁場~2022.10.15『星野良&佐藤嗣崇&北村彰基vs馬場拓海&松永準也&太嘉文』~

はじめに「プロレスリングZERO1所属の若手選手は、過小評価されている」 何度か試合を生で見ている中で、私自身感じたことだ。 ZERO1の団体規模は決して大きくないし、過去には主力選手の退団でピンチを迎えた事もある。 田中将斗や、現在欠場中の大谷晋二郎の存在感に加え、2021年は外敵に管轄しているベルトが流出したこともあって、「若手が不甲斐ない」と言う意見も見かけたりした。 でも、果たしてそうなのだろうか…? 冒頭の私見に至った理由は、極めてシンプルだ。 今のZER

『にっしんカメラ』で酒を飲んだ話

はじめに2022年10月半ばの金曜日、私は買い物を済ませる為、秋葉原を訪れていた。 用事も無事終わり、秋葉原から岩本町駅まで歩いていた道中、『にっしんカメラ』の横を通りかかった。 同店は、現在使っているデジタルカメラを購入した、個人的に思い出深い場所でもある。 扉の横には看板が置いてあったのだが、よく見ると、【クラフトビール、カクテル、ハイボール 800円】という文言と、クラフトビールのメニュー表が貼られている。 そして、店内には、店員と思われる男性が一人…。 「カ

"真ん中"と"横道"のジャンクション~2022.10.12『樋口和貞vs青木真也』~

はじめに 上述のやり取りは、2022年8月にDDTプロレスリングで行われた『樋口和貞vs遠藤哲哉』を前に、青木真也のインタビューで生まれたものである。 2022年6月、サイバーファイトフェスティバル2022で起きた、KO-D無差別級王者・遠藤哲哉の失神KO。 遠藤の返上により空位となった無差別級王座を、自らの手で掴み取った樋口和貞。 そんな一連の流れに対して、フリー参戦中の立場から青木がコメントしたのが、冒頭のインタビューである。 質問にある「俺たちのDDTを見せよう

カメラを持たずに観戦して感じたこと

私がプロレス会場にカメラを持っていき、会場で写真を撮るようになってから、約4年が経った。 本格的に撮り出したのは2019年頃だったが、それまではタブレットで撮影した写真を撮り、感想と一緒に写真をTwitterにアップするスタイルだった。 ミラーレス一眼レフで撮影するようになった理由は幾つかあるけれど(詳細は上記記事参照)、撮り始めてから、blogやnoteなどに写真を単独で上げる機会が増えた。 カメラを持っていくようになってからというもの、私はミラーレス一眼レフ無しで、

"声援"という名のラストピース~2022.10.9『中島翔子vs坂崎ユカ』~

はじめに私は、「声援無しでもプロレスは面白いし、楽しい」と思っているタイプだ。 私自身、元々積極的に声出ししながら試合を見る人では無かったので、2022年頃より各団体で声出し応援が再開され始めた辺りから出てきた、「声援が無いと面白くない」という価値観を強調してくる風潮に対し、どこか違和感を拭えずにいた。 きっと、そうした風潮への反発に似た気持ちも、上述した理由に含まれているのかもしれない。 そんな私が、素直に「声援があったからこそ、素晴らしい試合になった」と感じられた試合

海外のプロレスを見ない私が、GCWを見た。

※本記事には流血画像が登場します。予め、ご了承ください… はじめに私は、海外のプロレスを熱心に見た経験がない。 日本に来日してくる外国人選手の事は把握するけれど、WWEやAEW、海外の各種インディー団体などは、他の方のツイートや情報でかろうじて見聞きする程度。 これは、決して海外を毛嫌いしているのではなく、【団体や選手を国内で見れる】事に重きを置いているのが大きいと、私は実感している。 私自身、プロレスを好きになる前に通っていた野球もサッカーも、日本国内のリーグしか興味

"逆転の発想"で、人は変われる~2022.9.28『後藤恵介vs土方隆司』~

はじめに「お前は身体がだらしない」 「痩せろ」 そんな言葉を、関係者から再三浴びせられたプロレスラーがいる。 彼の名は、後藤恵介。 2016年10月、女子プロレス団体・WAVEで初の男子レスラーとしてデビューした後藤。 デビューして、しばらく経った頃だろうか? 社長から、試合合間に挟まれるインフォメーションコーナーや試合後のリングで、こんなことを言われるようになっていた。 「身体がだらしない」 当時、私は毎月1回のペースでWAVEを観戦していたが、こんな指摘を

高速的八分間~2022.9.24『AZM vs葉月vsフキゲンです★』~

はじめにスターダムで毎年恒例のリーグ戦・『5☆STAR GP』 7月末から始まり、10.1に最終戦を迎える長いリーグ戦の期間中には、公式戦と並行してタイトルマッチも幾つか組まれた。 (スターダムでは、こうした事が結構ある印象だ) そのうちの1つが、ハイスピード王座戦だ。 現在、ハイスピード王座を保持しているのはAZM。 フキゲンです★、葉月の両選手が挑戦する3WAYマッチは、リーグ戦最終盤の9.24ベルサール高田馬場大会で実現した。 この日の公式戦では『上谷沙弥vs