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進化と回帰"spiral ANREALAGE 20TH EXHIBITION A=Z"

GWに渋谷のパルコへ行った際に気に入って買ったANREALAGEのTシャツ。
店員さんが、デザイナーがパリコレ参加時のコンセプトがロゴデザインになっているという話を聞いて衝動的に購入してしまった。
その後、このブランドの20周年を記念する展示会「A=Z」が青山のスパイラルで開催することがわかり足を運んだ。


ANREALAGEは森永邦彦氏がデザイナーを務めるブランドで2014年からパリコレに進出している。その一方映画「竜とそばかすの姫」の衣装やビヨンセのワールドツアーの衣装を手掛けたりと幅広く活躍している。
ブランドは、日常の中にある、非現実的な日常に目を向け、見逃してしまいそうな小さなこともデザインの着想としている。確かにパッチワークなどの手仕事感がありながら、立体的で、最新のテクノロジーを取り入れているのが特徴的だ。

購入したTシャツ
会場の様子
会場の様子

最終日ということもあり、会場はモード好きそうな人たちで賑わっていた。
この展示会はデジタルショーだった期間も含めて2020年から2023年に発表したパリコレクションでの各ショーで構成されている。
アナログとデジタル、リアルとバーチャルが複雑に絡み合った展示がブランドの全てを物語っていた。

1.終わりから始まる原点回帰

Ato Z
パッチワーク

2023年春夏コレクション、A&Z。パッチワークは繊細なディテールで叶えられていて、このブランド創設期から続く代名詞的な表現だ。A&Zが意味する、「終わりは始まりである」「再生と再死」など相反する要素が表裏一体であることが、自身のパッチワークという原点回帰に繋がっている。

2.デジタルのシンクロ、コロナが後押し

映像とファッション
映像とファッション

黒い幕を潜ると奥に長いスクリーンとその奥には何体もの白い造形のモデルが並んでいる。スクリーン上をランウェイと見立ててモデルが行き交う映像と白い造形に重ねられるカラフルな色みのシンクロによって完成するファッション。どこまでがバーチャルでどこまでがリアルか、見ていてその境目が曖昧になる。コロナを経験したことであらゆる文化芸術においても、デジタルでの表現の可能性が爆発的に進化した。今後、デジタルと実物の融合による表現の幅や広がるひとつの起点にもなっている。

3.時間軸が加わるデザイン

回転する真っ白な洋服
ロボットアーム

最後のブースは、スパイラルガーデンのメインスペースに設営された回転する何体もの真っ白い洋服たち。正面にあるロボットアームから出る紫外線によって、洋服に色が施されいく。そして1周するとまた元の白い服に戻る。ファッションに時間軸が加わることにより儚さや不確実さを感じると共に、その居場所や環境、見る人々によって物事は全く別のものに見える、という暗示も垣間見ることができる。

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