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公共を主体的に考える"ATELIER MUJI・MUJI for Public Space展"

毎回興味深い展示が見られるので定期的にチェックしてしまう、無印良品銀座店にあるATELIER MUJI。
今回は「MUJI for Pubic Space展 街をもっと楽しむための100のアイデア」と題して、いくつかの銀座の具体的な場所を舞台に、おもに無印良品のシンプルかつ規格化されたデザイン、さらに日本中で手に入れることができるという製品の利点を利用することで、街に多様性を簡単にもたらし、楽しむための、100種類のアイデア集からいくつかが紹介されている。
企画協力は建築家の元木大輔率いるDDAA LAB。all day place 渋谷の客室やカフェのデザイン、その他ランドスケープやプロダクト、展示会なども積極的に手掛ける注目の建築家だ。

会場の様子
模型のパーツ

今回無印良品は、DDAAと「公と個の関係性」について改めて目を向け、都市や街、地域の課題に新しいアイデアを生み出す一例を作っていくというもの。
公共空間は年々、多様性が求められ良い方向に向かっている一方で、モラルが求められ、法律や条例、秩序など目に見えない暗黙のルールに雁字搦めになっているとも言える。
そこに一石投じているのが今回の提案だ。私たちにとって馴染む深い実際の無印良品の商品を使った利用例は、その実現可能性も高そうだ。
いくつかの事例を紹介していきたい。

1.パーキングメーター ユニットシェルフ屋台

ユニットシェルフ屋台

今回は全てに置いて模型が精巧で、実際の銀座のロケーションで作られているためイメージがしやすい。
見たままであまり説明がいらない展示だ。
ラグジュアリーブランドや老舗店舗が建ち並ぶ銀座の中で、車一台分のスペースでハンドメイドのアクセサリーや焼き菓子など同時に眺めたり買ったりできたら嬉しい。

2.メトロ階段ファッションショー

ファッションショー

地下鉄へとつながる階段は、特に銀座エリアにおいては国内随一ではないかと思うくらい無数にある。
交差点近くのいつも混み合っている階段も終電が終われば、次の始発までは用を成さない場となる。
細く長く人目に触れるルートを確保できる点で、階段は最適だ。踊り場のコーナーはミニマルな溜まり空間として様々な使い方が見出せるだろう。

3.歩行者天国 陸上競技場

陸上競技場

運動神経の高くない私でも、日本で最も公示地価の高い場所がある銀座のメインストリートを駆け抜けて見たいと思う。それは無理だと思うが、例えば世界陸上などこの場で開催されることになったら相当盛り上がるだろう。
観客席が無印良品のポリプロピレンの収納で構成されているのも手軽でユーザビリティも高い。

公共空間は誰もが手を出しづらい、何となくモワッとした空間だ。それぞれのモワッとをもっと各自が前向きに捉えて、他者の前向きをも前向きに受け入れる自分の姿勢が集まれば、街はもっと良くなるはずだ。


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