子どもが話を聞いてくれるようになる前提

子どもと関わる時の大前提の話。


育児で困った事があった時、ネットや周りの人からのアドバイスを実行してみたりするけど、8割方手応えを感じられないような気はしませんか?

確かにそのアドバイスで子どもが変わることもあるけれど、大抵は変わらなかった。。。


保育現場でもよくある事で、例えば集まりなど静かにする場面で、ベテランの先生は「静かにね」の一言で子ども達が落ち着くのに、自分が同じように伝えても一向に騒がしいまま、、、

同じようにやっているのに、私の何がいけないのかな。

私の言う事は聞いてくれない、他の人の言う事は聞くのに。

そう思っていると、自分への否定や子どもへの否定にどんどん繋がっていきます。



なぜ子どもが素直に話を聞くのか。

それは、その大人との間に信頼関係があるからです。


はいはいはいはい、信頼関係、よく聞きますね、と。

そもそも信頼関係って何?
安全な大人であるだけじゃダメなの?
遊ぶ時は結構楽しませる自信あるよ?


育児・保育の子どもに対しての信頼関係、それは、

「言葉・行動・価値観の一貫性」

と言うところにポイントがあります。


<言葉>

育児が思うようにいかないと感じている人の多くは、例えるならばアメリカ人に中国語を話して接しています。

自分が理解できない言葉を使用して、時には笑顔を向けたり怒られたり。統一感もなく推測も出来ないので何だかよく分からないよ、と言うのが子どもの本音です。

日本語を分かりやすく喋っているつもりでも、一般的に通じる会話では必ずしもみんな分かるとは限りません。
どの言葉やエピソードを選んで伝えるかは、大人以上に一人一人異なります。

道を走ったり飛び回ってみたり、時には車道に飛び出そうとする、そんな歩き方に対して「ちゃんと歩きなさい!」と叱ったところで通じません。
「まっすぐ、ゆっくり歩くのよ」「道の端をまっすぐ歩くのよ」「この線に沿って前を向いて歩いてね」「線路のようにまっすぐ歩いてね」「ウサギさんではなく亀さんで歩いてね」等々、具体的に理解出来るように話さないと分かりません。

なおかつジェスチャーで手を出してみたり、ゆっくりの部分はスローで話すなど抑揚をつけて話す事も取り入れなければなりません。
「ちゃんと」「きちんと」「綺麗に」と言うのは、大人同士でもゴールが人それぞれで伝わりにくい部分です。

相手が理解している単語や感覚で話し、それが伝われば、受け止めてくれたことへの感謝を示す。
子どもが伝えようとしている事も、頭をフル回転させて理解する。

その繰り返しで、子どもからの信頼を得られます。

その信頼関係があれば、「静かにね」と言っただけで聞いてくれるようになります。

もちろん、子どもが自分のやりたい事と天秤にかけ、信頼を越えてまでやりたい事はそのまますると思います。

その時は、こちらが譲るのか、それとも説明して再度理解を求めるかは状況によると思います。



<行動>

これは、例えば、

「どうしても聞いて欲しいことがある時は、真顔で膝をついて目線を合わせ話す」

「ママが正座して物申したら、物事を真剣に取り組んでほしいと言うサイン」

「軽くいいねの時は親指を立てて、凄くいいねの時は手を叩く」

とか、行動を感情に合わせて一貫性をつけると、子どもが理解しやすくなります。

一度、自分が言葉を使わず誰かと長期間コミュニケーションを取ろうとしてみて下さい。

ジェスチャーを統一させたり、通じた時に相手が次も分かるようなリアクションを返さないとコミュニケーションが取れなくなることが分かります。

すぐ理解してくれる人もいれば、何度やっても通じない人もいて、これが凄く大変な事なので、通じた人の事は好きになってしまいます^^;

理解出来ると、その大人ともっと関わりたいとなって、沢山関係を持とうとします。色々な事を共有していく内に信頼関係が出来ます。

大人の言動は何も考えずに発すると子どもには2割も通じていません。
外国人だと思って、伝える・汲み取るの部分は丁寧にコミュニケーションを図りましょう。


<価値観>

「ここで叱ってここで褒める」、「自分はこれを認めてこれを認めない」、「ここまでは許容するけど、ここからは受け入れられない」、と言う価値観をはっきりさせておきましょう。

価値観に一貫性を持って、子どもに伝えましょう。

もちろん考えが変わる事もあると思うので、それはどう変わったのかの説明も。


大人の言う事を聞かせる、のではなく、あくまでそれは「自分の価値観はこう」と聞いてもらうという事で。

素晴らしいと思う事もいけないと思う事も、全員共通する事なのか、自分が思う事なのか、その辺りも説明するとより信頼は高まります。



信頼関係というのは、意外と「自分を分かってもらえるかどうか」、「相手の言動が分かるかどうか」、というところにあり、そのキーワードは「言動の一貫性」という話を書いてきました。

信頼って素晴らしい絆で結ばれているということよりかは、こちらの方が現実的かと。


このコミュニケーションが取れると、子どもとのやりとりも格段にスムーズになります。

振り返ってみると、随分と分かりにくい言動で、指示ばかり飛ばしていた自分に気付きます。


またこの辺は詳しく書きたいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?