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ミュージック・マガジン編

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ミュージック・マガジン誌「50年の邦楽ベスト100」で取り上げられているアルバムを扱った記事たちのまとめです。
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2023年5月の記事一覧

RCサクセション『シングル・マン』(1976)

アルバム情報アーティスト: RCサクセション リリース日: 1976/4/21 レーベル: ポリドール(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は66位でした。 メンバーの感想The End End  気品がある。激しく、かつ安っぽくない。演奏も歌唱も歌詞もとっても熱くてとっても聡明で、こんなの好きにならない手が無いじゃないか…“シングル・マン”が考えることの全部がここにある気がする。あまり詳しくないので聞き流してもらえたら良いのだけど、随所にフィッシュマンズを感

喜納昌吉&チャンプルーズ『喜納昌吉&チャンプルーズ』(1977)

アルバム情報アーティスト: 喜納昌吉&チャンプルーズ リリース日: 1977/11/15 レーベル: フィリップス(オランダ・アメリカ) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は25位でした。 メンバーの感想The End End   “ロックと沖縄民謡が混ざっている”というよりは、“100%ロックで、100%沖縄民謡”という感じがする。これ以上なく両者が結びついているし、敢えて陳腐な言い方をするならば、濃い。 当時、シンセサイザーは、何の音楽ジャンルも歴史も文脈も

山下達郎『SPACY』(1977)

アルバム情報アーティスト: 山下達郎 リリース日: 1977/6/25 レーベル: RCA/RVC(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は55位でした。 メンバーの感想The End End  恥ずかしながら初めて山下達郎のアルバムを聴いた。今まで彼に抱いていたイメージとかなり違う音像で、正直面食らった。粘っこい歌唱、シルキーなリヴァーヴ、過剰なほどの多重コーラス…これらの、私が山下達郎の特徴であると認識し、そして苦手としていた部分が全て見られない。若かりし頃

大貫妙子『SUNSHOWER』(1977)

アルバム情報アーティスト: 大貫妙子 リリース日: 1977/7/25 レーベル: PANAM/CROWN(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は58位でした。 メンバーの感想The End End  ひと捻り加えたコードの使い方が技巧としてではなく、純粋な効果として不穏に響いていると感じる。「くすりをたくさん」の歌詞や歌唱に見られるような、晴れ渡っているのにどこかハラハラするようなムードが、他の楽曲においては時折顔を出す不穏なコードによって貫かれている気がし

サザンオールスターズ『熱い胸さわぎ』(1978)

アルバム情報アーティスト: サザンオールスターズ リリース日: 1978/8/25 レーベル: Invitation(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は30位でした。 メンバーの感想The End End  これまでもグッドメロディ、或いは歌詞の持つリズムとメロディの持つリズムが見事に融合した楽曲は多かったけど、その中でも頭三つくらい抜けて口ずさみたい。めちゃくちゃ韻を踏んでるとか単語を解体して小節をまたぐとか、そういうテクニックの跡はあまり見られないのに

細野晴臣&イエロー・マジック・バンド『はらいそ』(1978)

アルバム情報アーティスト: 細野晴臣&イエロー・マジック・バンド リリース日: 1978/4/25 レーベル: アルファ(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は54位でした。 メンバーの感想The End End  もっと奇々怪々なアルバムというイメージだったけど、記憶していたよりもポップで親しみやすかった。『トロピカル・ダンディー』や『泰安洋行』よりもYMOとの接続を感じる音像なのは、おそらく本作からアルファレコードのスタジオで録音されるようになったから…も

イエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(1979)

アルバム情報アーティスト: イエロー・マジック・オーケストラ リリース日: 1979/9/25 レーベル: アルファ(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は5位でした。 メンバーの感想The End End  聴き過ぎて、好き過ぎて簡潔には語り切れないので、「ライディーン」の話だけする。  首都高を走りながら、できればお台場側からレインボーブリッジを渡りながら「ライディーン」を聴くのが大好きだ。その間だけ、周りの景色すべてが“1970年代末に思い描かれていたア

PANTA & HAL『マラッカ』(1979)

アルバム情報アーティスト: PANTA & HAL リリース日: 1979/3/25 レーベル: フライングドッグ(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は53位でした。 メンバーの感想The End End  『頭脳警察セカンド』を聴いておいてよかった…少なくともわたしは、そのおかげで何倍もこれに感激できる。  頭脳警察の活動はアルバムの録音が全てではなく、おそらく新しさや魅力は他のところにたくさんあるのだろうことは前提として、『頭脳警察セカンド』という作品は

遠藤賢司『東京ワッショイ』(1979)

アルバム情報アーティスト: 遠藤賢司 リリース日: 1979/1/21 レーベル: ベルウッド(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は77位でした。 メンバーの感想The End End  猫も杓子もBPM150以上で4つ打ちしていた時代があったり、猫も杓子もトラップビートの上で歌っていた時代があったように、猫も杓子もシンセを使う時代だったんだろうか。  『満足できるかな』しか聴いていないので、このシンセサウンドが『東京ワッショイ』前後の遠藤賢司にとってどのよ

RCサクセション『ラプソディー』(1980)

アルバム情報アーティスト: RCサクセション リリース日: 1980/6/5 レーベル: キティレコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は39位でした。 メンバーの感想The End End  なんて素敵なの…何回も涙ぐんでしまった。やるせない日々を軽快に、そしてエモーショナルに歌うだけで、それを浴びるだけで、なんだかまだ大丈夫な気がしてくるんだよな。この演奏自体がそのスタイルなのかどうかは私にはわからないけれど、ブルースってこういうことですよね?リズム

フリクション『軋轢』(1980)

アルバム情報アーティスト: フリクション リリース日: 1980/4/25 レーベル: パス・レコード(日本) 「50年の邦楽ベスト100」における順位は24位でした。 メンバーの感想The End End  タイトルからして連想したけど、ナンバガってホントにめちゃくちゃこれなんだ!!ギャンギャンのギター、ルードかつ直線的なベース、アブストラクトなファズギター…ひたすらにヒリヒリしてる。最高。歌詞の言葉遣いも、歌い方も、これは確実に向井秀徳のリファレンスのひとつじゃないで