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RCサクセション『ラプソディー』(1980)

アルバム情報

アーティスト: RCサクセション
リリース日: 1980/6/5
レーベル: キティレコード(日本)
「50年の邦楽ベスト100」における順位は39位でした。

メンバーの感想

The End End

 なんて素敵なの…何回も涙ぐんでしまった。やるせない日々を軽快に、そしてエモーショナルに歌うだけで、それを浴びるだけで、なんだかまだ大丈夫な気がしてくるんだよな。この演奏自体がそのスタイルなのかどうかは私にはわからないけれど、ブルースってこういうことですよね?リズムを強調したアンサンブルが好きなので基本的にバラードというものが得意でないのだけど、こんな風に歌われちゃったらそりゃ夢中になるわ。
 とはいえリズムを強調したアンサンブルが好きなので、お気に入りはそうした曲たち。このつんのめったビートにどこまでも連れていってもらいたいわ…俺も愛してます…

桜子

 元気でる!キヨシローという核がとんでもないエネルギーを発しているなと体感します。
 私は音楽の事になると、とにかく自信が無いので暗い、実直な自分でしか歌を歌えないのですが、そういったベクトルにいちゃダメだなあって反省してしまいました。ステージ上に立つバンドマンが”演者”だったら、やっぱりカッコいい。

湘南ギャル

 ライブで観客と最もコミュニケーションを取りやすいのはフロントマンであろう。清志郎式コミュニケーションは、誠実そのものだ。嘘をつかず、かっこつけず、全力で観客に語りかけてくる。こんなライブ観たら、「キヨシロー、絶対私に向かって歌ってたから!!」とか言っちゃいそうだ。曲の合間に聞こえる、客の盛り上がりもいい。黄色い悲鳴と野太い歓声が半々くらい。このアルバムを聴いていると、彼が幅広い客層から支持されているのも納得できる。それは清志郎が万人にウケるような、角の取れた偶像だということではない。誠実な姿勢で人への愛を伝えてきた彼が、相応の愛を返されているだけである。

しろみけさん

 キヨシロー!マジでめっちゃカッコいい、「よォーこそ」で紹介されたメンバーの演奏が特段テクいわけでもないのも味だし、ビートルズの「Drive My Car」のオマージュ満載の「ブン・ブン・ブン」もだけど、とにかく全身がチャーミング。それよりやっぱりキヨシロー、こういうステージングをやりたい人ばっかりになるのもわかる。カッコいい、カッコいい!アホになることを死ぬほど考えて、狙い済まして狙い済まさずにアホになるカッコよさ!自分の年齢の倍以上あるアウトロー気味の大人がずーーーっと追い続けるのがわかる!キヨシロー!キヨシロー!ベイベー!キヨシロー!!!!!

談合坂

 スタジオアルバムに対してのライブアルバムという感じがしなくて、気付けばそういう区分とか対立とかを何も意識することなく聴いていた。ライブらしい聴こえ方をしている場面はむしろ少ないようにも感じるのだけど、このアルバムを聴いている時間は確かにステージが見えている。
 元気を’もらう’というのがどういうことかを学べますね……

 ライブアルバム、好きなんすよね。例えばナインインチネイルズのライブアルバムのイヤホン越しでもわかる音の圧力の衝撃。『RHAPSODY』はキヨシローの肉体性がふんだんに発揮されていて、声の震えだけでステージに立つ彼の立ち回りが脳裏に浮かぶ。ローリングストーンズのキースリチャーズのようにコードをジャラーンとかき鳴らすだけで会場を支配するようなギターがかっこいいすね。ただ彼らの本当の魅力は哀愁漂うトランペットが映えるスローテンポなアンセム「ラプソディー」みたいな曲なんだなとも思いました。

みせざき

 清志郎の声がいつにも増して厚みを帯びているように感じる。ギターの音がとにかくかっこいい!凄い良い!観客の声、手拍子がする場面があるが、ライブ自体は意外にもくっきりとした鮮明な録音なのも良かった。上を向いて歩こうをロック曲として解釈するのは興味深く、ギターのアレンジがかなり好きだった。熱く、暖かく、しっとりと、また清清しく、そして感動を感じさせてくれるようなライブでした。

和田はるくに

 この作品聞いて「良い!」と思った人は完全版のNAKEDを聞いてみてほしい。音質も改善されているし、何より扇動的なキヨシローのMCも完全収録になっている。当時のRCの雰囲気が完全にパッケージされているのだ。

渡田

 好きな曲とそうでない曲がだいぶ分かれた。
 『雨上がりの夜空に』はもちろん、他では『エンジェル』も好みだった。一方で他の曲は乗りきれないものが多かったか。
前アルバム『シングル•マン』はアルバム単位で大好きになれたが、今回はそれとは違う評価になりそう。
 ソウルやR&Bを日本語で独自解釈している点がアルバムの特徴として挙げられているが、あるいはそこが苦手だったかも。
 管楽器の鳴る小気味良いリズムに、清志郎の嘆いているような歌い方が乗っているのを聴いた時、彼の声と歌詞が情緒あるものと言うよりかは、垢抜けないものとして聴こえてしまったからかもしれない。

次回予告

次回は、フリクション『軋轢』を扱います。

#或る歴史或る耳
#音楽
#アルバムレビュー
#RCサクセション


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