♠西部劇が好きっ！♠「明日に向かって撃て！」　（0002）

西部開拓時代の史実に残る二人のアウトローの物語（ロードムービー？）です。

＜趣意＞
お気に入りの西部劇映画を勝手気ままに紹介していきたいと思います。

　

＜構成＞
※ストーリーの核心に触れている部分がありますのでご留意ください。

開拓時代のアメリカ西部で、二人のアウトローである知恵者のブッチ（ポール･ニューマン）と射撃の名手サンダンス（ロバート・レットフォード）は強盗団を組み、銀行強盗や列車強盗を次々に繰り返してはいつも成功を収め、名を馳せます。
しかし、二人を中心とした強盗団に対してついに大規模な捜索と逮捕の手が伸びます。　窮地を迎えた二人ですが、生死を賭けたチャレンジで辛くも追撃の手を逃れ、南米に逃げ延びます。　しかしそこでも二人は強盗活動を繰り返し、やがて絶体絶命の危機に陥ることになります。

　

＜ポイント＞
カテゴリーとしては西部劇ですが、60年代終わりから70年代初めにかけてのハリウッド映画界における「アメリカン・ニューシネマ」（Wikipedia）といわれる潮流の代表作のひとつとされています。

それまでのいわば（あくまで単純化すればですが）正義のヒーローである主人公が、社会、平和や正義のために、害をなす悪役と戦って勝つというストーリーから、アンチヒーロー的（既存社会に対して反体制的な行動や思想）なキャラクターが主人公として扱われた作品・作風となるでしょうか。

ポール･ニューマン（Wikipedia）演じるブッチは頭が切れて口が達者で周囲を巻き込むリーダータイプ。　一方、ロバート・レットフォード（Wikipedia）演じるサンダンスは少々無骨（粗雑？）でマッチョ的な早撃ちのガンマン。　

二人の逃避行を描く展開は、アウトロー同士の戦友としての友情を描く一種のロードムービーのようにもなっているかと思われます。
西部劇ですのでもちろん、ガンファイトや列車強盗の現金強奪などのアクションシーンもふんだんにありますが、本作の最大の魅力はカラーの異なる二人のキャラクターの台詞と演技の掛け合いやコンビネーションなのではないかとも感じます。

　

＜私的な雑感＞
本作の主題歌である「雨にぬれても」の歌手であるB･J･トーマス（Wikipedia）が先日、お亡くなりになりましたので、本作を取上げてみました。　同曲をフルで聞かれたことがなくても、CMなどで耳にされたことがある方は多いのではないでしょうか。

映画公開当時の米国社会は、ベトナム戦争の激化や公民権運動の高まりが社会問題化しつつあり、将来に不安を抱く当時の若者からすると、体制に逆らって無軌道に生きるキャラクターや行動に共感や感情移入をしやすかったのかもしれません。

本作の中で、ブッチと女性が自転車に乗りながら遊んでいるところで主題歌がBGM（台詞なし）として流れるシーンは有名です。　作品の本筋とはあまり関係が無く（？）、まるで主題歌のためのMVのようですが、このようなスタイルも当時の若者に魅力的に映ったのかもしれません。

個人的に一番好きなシーンはラストシーンです（これも有名ですが）。　表現とは基本的には足し算で作られるものなのでしょうが、本作のラストシーンではむしろ引き算的な演出が観る者に印象を強く与えたのではないでしょうか。

💣💣💣💣
とても面白いと思います！
個人的にポール･ニューマンが好きな俳優さんの一人なので～。

　

＜作品概要＞
作品名：　
明日に向かって撃て！　（英題　Butch Cassidy and the Sundance Kid）
公開年：　1969年
製作国：　USA
監　督：　ジョージ・ロイ・ヒル
出　演：　ポール･ニューマン
　　　　　ロバート・レットフォード
脚　本：　ウィリアム・ゴールドマン

　

＜補足＞
本作に登場する二人の強盗団「ワイルドバンチ」を主人公とした別の映画「ワイルドバンチ」（監督：サム･ペキンパー）があります。
ポール･ニューマンとロバート・レットフォードの二人の共演は、同じ監督の映画「スティング」に引き継がれます。
第42回アカデミー賞受賞/　撮影賞、脚本賞、作曲賞、歌曲賞
第42回アカデミー賞ノミネート/　作品賞、監督賞、音響賞

　

＜参考リンク＞
1．作品解説　（Wikipedia）

2．作品情報　（映画.com）

3．ブッチ・キャシディ　（Wikipedia）

4．サンダンス・キッド　（Wikipedia）

5．ワイルドバンチ（強盗団）　（Wikipedia）

6．映画「ワイルドバンチ」　（Yahoo！映画）

7．映画「スティング」　（Yahoo!映画）

8．楽曲「雨にぬれても」　（YouTube　※認証済み）
※動画：約2分57秒（CM除く）

　

・敬称略とさせていただきました。
・2021年5月時点での情報です。

　

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（2021/06/10　上町嵩広）

　

＜バックナンバー＞
0001　「怒りの荒野」

　

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