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 時代は少し前後する。

 1861年、土佐勤王党が産声を上げる。江戸で遊学していた武市半平太(たけちはんぺいた)は、尊王攘夷思想に感銘、土佐藩を尊王攘夷思想で染め上げるために立ち上げたのだ。

 武市は、江戸3大剣術道場の1つで塾頭を務めるほどの腕を持つだけでなく、学問にも才能があった。「自分には、世の中を変える力がある」と信じていた。

 武市は、土佐に帰国すると、200名近い同志を集める。土佐勤王党には、あの坂本龍馬も加盟していた。 

 武市は、土佐藩の藩論を変えるべく、当時、土佐藩政を操っていた吉田東洋に面会を求める。そして、自分の考えを何度も説いた。しかし、吉田からは「お前の考えは、現実離れしている」と全く相手にされなかった。

 武市は、吉田東洋の暗殺を決意。土佐勤王党の同志達に実行させた。その後、土佐藩保守派と手を組み、彼は藩政を支配すること成功する。彼は、暗殺によって権力が手に入ることを知ってしまったのだ。

 そんな武市半平太と土佐勤王党の同志達が、藩主・山内豊範(とよのり)とともに京都に来た。

 京都では、天誅という名の暗殺行為が横行、京都そして朝廷は、恐怖によって支配されていくことになる。


歴史は、人間が創るドラマです。特に、幕末はたくさんの英雄が出てきます。そんな時代とその時代の人たちを小説にしたいと思いました。