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「営業の魔法」-この魔法を手にした者は必ず成功する-に学ぶ営業術

営業職は奥が深い。相手がある仕事なので答えがなくマニュアルだけでは絶対に成果がでない。そんな営業職の仕事にヒントをもたらすこの本を元に今日は記事を作成することにしました。

この本の著者、中村信仁さんは142ヶ国に支店がある世界的外資系営業会社で入社初年度から2年連続世界トップテンに名を連ねるほどのプロセールスマンです。この本は様々な方面で非常に評価が高く、営業の方はもちろん仕事、人間関係、コミュニケーション全般でどんな方にも学びになると言われていますのでぜひ参考にしてみてください。

理論編:魔法その①「間(ま)」瞬間の沈黙

会話には相手が落ち着いて考えるための間が必要です。これを瞬間の沈黙と表現しています。これによって相手に小さな選択と決断を繰り返してもらうことで頭の中を整理してもらうのです。確かに会話の上手な人って絶妙な間を持っています。特に相手が何かを考える時って目線を相手から外すのでその時はじっと喋らずに待ってあげるのです。そして相手の目線が自分に戻ってきた時初めてまた話をし始めます。というように相手に合わせて会話に配慮するというのが営業の基本マナーというわけです。決してこれを何かを買ってもらうためという前提でやるのではなく、相手やその先の人に幸せになってもらいたいという目的のために配慮するというのがポイントです。聞くだけならできそうなものですが多くの人は沈黙が怖くてついつい自分から続けて話をしてしまうんです。まずはその①相手が目線を外しているときは沈黙を守る、これをやってみましょう。

理論編:魔法その②「器(うつわ)」人間力

営業とは物やサービスを売るのではなく問題解決のお手伝いをしてお客様と成長の感動を共有する使命があります。問題解決のお手伝いをしてお客様と成長の感動を共有する。営業や仕事を物やサービスを売ることと思っている人と問題解決のお手伝いをして成長の感動を共有したいと思ってる人では全くその人から出る雰囲気が変わります。そして営業する人は決して嫌われる人ではなく好かれる人のマナーを持つことが大事です。あくまで好かれようと媚びるのではなく、人間的な魅力を磨くということです。人間力が低い人の特徴を挙げてみます。


①横柄な人
②嘘をつく人を
③不潔な人
④知ったかぶる
⑤場の空気を乱す人
⑥人の話を遮る人
⑦話を横取りする人
⑧話を聞かない人
⑨人を否定ばかりする人
⑩人を不安にさせる人


こういった人と逆を意識しましょう。この世に人として好かれる最低限のマナーを守っていることが人間力のある人なのです。営業はお客様からたくさんのNOをもらうことで欠点に気がつけて人間力を磨いて成長できる最高の仕事です。NOを言われた時こそ笑顔で自信を持って受け止めることのできる人間力を磨くチャンスという意識を持ちましょう。

理論編:魔法その③「売らずに問題解決サポート」

商品を売るのではなく、悩んでる人の良き相談相手になることが大事です。なぜかと言うと、悩んでる人は全て解決したいというわけではなく、ただただ悩みを聞いてほしいという人も多いからです。つまり売ることばかり意識していないで、困ってる人の相談に乗り続けようというわけです。営業は商品を利用してくださった方が喜んで幸せになってくださることが第一の使命でお客様からのありがとうという言葉が最高の報酬なのです。

理論編:魔法その④「A と B のどちら?」二者択一話法

会話は相手がしゃべりやすいように導いてあげることが大事です。そんな時この二者択一話法を使えると喋りやすくなります。

よくある間違いが、聞き上手が大事だと言って全く喋らないでいること。これは聞き上手でもなんでもないです。聞き上手とは適度な相槌と質問ができる人なのです。この二者択一は方は具体的に選ぶ例が入っているのでついついたくさんのことを答えたくなってしまうそうです。

ちなみに

”オペラと歌舞伎どちらが好きですか?”

このように相手がなかなかイメージできないような二者択一は良くないそうです。わかりやすい例として仕事上の打ち合わせで必ず出てくるアポのとり方についての二者択一話法が書かれていました。具体的にどのようにやるかと言うと、

”今日の8時と9時ではどちらがご都合いいですか?”ではなく

”今週と来週ではどちらが比較的ご都合良いでしょうか?”

のように大きいカテゴリから聞くことがポイントだそうです。もし今日が週の初めなら

”今週か来週で比較的ご都合のよろしいのはどちらですか?”

もし今日が週末なら

”来週か再来週で比較的ご都合のよろしいのはどちらですか?”です。

ちなみに今週と来週を選んでもらう場合7割は来週を選ぶそうです。そして週の前半を指定してくる人は興味のある人だそうです。

次は具体的に空いている曜日を二つ提示します。

”5分だけお時間頂きたいのですが火曜と水曜日どちらがよろしいでしょうか?”

というふうに、その次は

”午前と午後ではどちらがご都合よろしいそうですか?”

という風に順に細かく聞いて行きます。二つの例を用意して大きなグループから小さなグループに絞っていくことで相手にとってもストレスのない会話になるのです。

理論編:魔法その⑤肯定のあとの質問

イエスバット話法と言われるものです。「はい」と相手の意見を肯定して受け入れて、その後にしかしと話を繋げる方法です。これは本当のイエスバット話法ではないと言います。では本当のイエスバット話法は何かと言うと、それは「相手の意見を肯定した後に質問を繰り返す」です。

例えば「この業務用の空気清浄機、ちょっと高いので少し考えたいのです」と相手に言われた場合。

「おっしゃる通りです。しかしやはり高いぶん広い場所も対応できるんです」と言うのではなく、

「おっしゃる通りです。ところで○○さん今何かと比較していらっしゃったりしますか?」と質問をするのです。すると相手は

「やっぱり家庭用の空気清浄機と比べると値段が5倍ぐらいですもんね」

と言ったとします。ここでまた

「そうですよね、ところで○○さんのオフィスは何畳くらいあるのでしょうか?」とまた質問をします。

そして「やっぱり家庭用では間に合わないんですよね」と自然に答えをまとめて出していくというわけです。

このように本当のイエスバット話法は肯定した後に”しかし”と言って自分の意見を述べるのではなく、質問をすることなのです。すると相手は自分が出した結論ですので不快な思いをせずに済むというわけです。相手の意見を肯定して質問を繰り返すことで会話がスムーズに進むようになります。

実践編①:徹底的に真似る

実践の究極はうまくいっている一流の人を見つけてそのまんまを真似るです。何を真似るかと言うと
①時間管理
②健康管理
③環境管理
④金銭管理
この四つの管理に加えて営業の方と言われている

■聞き方 ■見方 ■伝え方

を徹底的に真似ます。喋り方、仕草、言葉、歩き方、考え、表情も含みます。「学ぶ」とは語源が「真似ぶ」からきていると言われていて、真似ることからすべてが始まるのです。

実践編②:ポジティブな言葉を口癖に

普段から不平不満を口に出しているとネガティブオーラが伝線してしまいます。だからこそを24時間の心の在り方が大事です。

”ありがとうございます”

”絶好調です”

”素敵ですね”

”魅力的ですね”

”嬉しいですね”

”楽しいですね”

”幸せですね”
などなどポジティブな言葉にはポジティブなオーラが出るんのです。普段から常にポジティブな言葉を発することを実践しましょう。

実践編③:とにかく笑顔

話を聞いてる時笑顔ですが、相手からNOが出た時の表情が暗い表情の営業マンほど成績が悪く、明るい表情の営業マンほど成績が良いのだそうです。

つまり成績が良くないから暗いのではなく、暗いから成績が良くないのです。暗く落ち込んだらそういう結果になってしまうということなのです。笑顔が笑顔の人生引き寄せるのですね。口は一つ耳は二つまずしっかり相手の話を耳ではなく温かい心で笑顔で聞くことから始めます。ぜひ実践してみましょう。

実践編④:本当のところはどうなのでしょう

相手から「検討します」などNOが出た時こそ本音を聞くチャンスです。本音を聞くためには笑顔で自信を持ってこの言葉を言います

「それは本当のところはどうなのでしょう」です。

一旦白旗を揚げるのがポイントとのことです。もう売り込みません本音を聞かせてくださいというわけです。そうすることでNOになった理由を教えていただけるわけです。次に繋げるという効果にも繋がりそうな言葉です。

実践編⑤:もし仮に

もし相手が”どうしましょう”と悩んだり結論が出にくい時はもし仮にという前置きをしてあげることでイメージがしやすくなります。

”もし仮に空気清浄機を設置する場合ですが白とライトブルーどっちらがお好みですか?”

”白がいいですね、どちらが人気なんですか?”

このように”もし仮に”から始まる質問をすることでイメージがしやすくなるわけです。相手のイメージを作り出し、話を進めてあげる効果が期待できます。

まとめ

冒頭にも書きましたが営業にマニュアルは通用しません。相手が人間であり、人間が人間に提供するサービスだからです。当然AIにその仕事を奪われることもありません。しかし、現在営業で思うような成果が出ていない方はむしろAIに仕事を奪われるかもしれません。今の営業が顧客の満足を産んでいないことで何か変えた方がいいかというシグナルなのかもしれません。

業界や業種によりますが営業という仕事もここ10年で大きく変わったような気がします。時代の変化にあわせて営業のやり方は変える必要があるでしょう。しかし変わらないのがこの本で描かれている営業パーソンの言動です。

そしてここで描かれている言動はむしろ営業だけでなくヒトとして持ち合わせるべきスキルでしょう。経理の方、人事の方、ヒトと関わる方は絶対に読んでおくべき考え方だと思います。

これを実践するために最も必要なのは「なりたい自分像」かもしれません。何かに追われていては無理です。自分が目指す姿があり、それを成し遂げるために実践すべきこと、それがこの本に描かれている「魔法」なんだと思います。




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