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『Return to Hogwarts』を見て。

本当はもう少し前から調子悪かったのかもしれない。
丸2日、きっちり寝込んだ。

体調の悪さって、ただの顕在化ですよね。
見えていなかったものが見えるようになっただけ。
本当は、前から悪かったんですよ。

そう思うと思い起こされるあれこれ。
あのときの発言、体調の悪さに気づいていれば、もう少し上手く言えたのではないか。なんてね。
自分の体なんだから、自分の体の調子くらい、自分で把握せねば。
僕たちは、自分で自分の体の世話ができるAIロボットなのだから。

休んでいる間に、「Return to Hogwarts」を見ました。

本作は、映画ハリーポッターの第一弾作品「賢者の石」が公開(2001)されてから20周年というタイミングで作成されたもので、簡単に言えば、当時の主要キャストが集まってあれこれ話す、みたいなドキュメンタリー番組。

ちなみに、ハリーポッターシリーズ最後の作品、死の秘宝Part 2が公開されたのは2011年。
なんと、10年ですよ。
この期間があまりにも長過ぎる。
そう思ってしまうのは、2001年当時ほんの子供だった彼らが青春の全てを捧げたことを想像すれば言うまでもない。

10年の投資の重みを感じさせる象徴的なエピソードが紹介されていた。
実は、ハリー役のダニエルのご両親は当初、オーディションへの参加を断っていたらしいんですね。それもスカウトを受けたのに。

このように、幾らロンドン中の子供が受けたと言われるオーディションであっても、「少年時代の10年を捧げて欲しい」という契約書を前に、易々とサインできる親はそう多くないと思いますよ。

だって、考え方によっては10歳から20歳の10年間は、人生80年のうちの1/8の時間、ではないかもしれないからです。
密度、で考えたら、場合によっては、80年のうちの1/2にも匹敵するほど大切な瞬間かもしれない。

彼ら彼女らにどれだけの犠牲があったかは想像がつきません。
ハーマイオニー演じるエマ・ワトソンは、本作シリーズの途中で降板することをスタッフに相談していたらしいです。
そういう時期があって当然と思う。

・・・

それでも、圧倒的な犠牲の上には、他には絶対変えられない「テイク」がある。
ドキュメンタリー映像のなかでフィーチャーされていた、彼らの間にある、どこまでも深い関係性、愛です。

第二次成長期の全部を共有している相手ですから、手に取るように相手の考えていることがわかるし、お互いにお互いが支え合っていることを認識しては強くなれる関係。
こう言葉にすると他の誰かの何かと似たようにも聞こえるが、その関係の"程度"が凄まじいんですよね、見ているこっちにまで伝わってくるものがある。

そもそもハリーポッターは、愛の強さを証明する物語。
物語に重ねながら愛を深め、深まった愛が物語に反映される。
リアルとフィクションの往復運動の過程で、少年少女たちの純粋で本物の愛・絆が醸成されていったのでしょうか。
はて、私たちが見てきた"物語"とはなんや。

・・・

Return to Hogwartsの最後のあたりのシーン。
誰かが本作シリーズについてこんなことを言っていた。

「この作品にはセラピー効果がある」と。

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