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2月は寒いのに春なのね

子どものころ、
年賀状に「あけましておめでとう」と書くのはわかるけど
なぜ「迎春」や「初春」と書くのか
全く理解ができなかった。

先週は「立春」。
「暦の上では、もう春ですね」
という言葉は
それこそ子どもの頃からテレビやラジオで
聞き慣れた文句だが
やはり体感は真冬の寒さなので、
「春」はあまり感じられない。

どうしても旧暦と新暦の違い、
それに中国から入ってきた文化に基づく季節の行事は
現代の日本ではズレて感じることも多い。

少し前まではそれをおかしな、不思議なこととして
ただ「そういう文化が残っているんだ」とだけ
認識していた。

けれど最近、
この二十四節気や雑節というのを
「面白いな」と感じられるようになってきた。

お香と礼法では「二十四節気」は外せない。
日本人の季節の感じ方や思いを理解するのに
この立春から始まる一年の流れは
少し理解すると「なるほどね」なのだ。

二十四節気を指す言葉も
日本人の感性が存分に感じ取れて
今では「日本人て素敵」
と思えるようになった。

さて、お香は平安の頃、
季節によって使うお香の香りが決まっていた。

春は「梅の花」の香り。

現代人でいうと「春=桜」なのだけど
古の日本人は「春=梅」なのだ。
ずっと梅は冬の花だと思っていたけれど。

このところ、外出するとあちらこちらで
梅の花が咲き始めているのを見かける。

ああ、そうか、
立春を過ぎたから春なのか…

季節の移り変わりを感じる。
梅が咲いているということは、もう春なのだ。

寒さを超えて
ようやく陽射しの温もりを感じられる頃、
梅の花の香りと、その可愛らしい姿に
今も昔も変わらず
日本人は心を癒されている。

平安の人々と
時空を超えて思いを共有できている気持ちになる。



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