健屋花那さんの世界を覗いてみる —医学の世界を覗く文献まとめ(Ver2.0 医療従事者の方に情報頂きました)
「推し」をストレートに応援する以外の、「推し方」があるだろうか。その一歩をちょっとやってみる。今回は、医療を軽く触れたい人が読みやすい教材を、健屋さんのお話も参考にしながらまとめてみた。自分も本業の事でないため、どこまで出来るかわかりませんが、良い教材が見つかればまた追加してまいります。
医療を学んでみようとした動機
若干重い話も入ります。ご注意を。
最近、私はVtuber事務所にじさんじ所属の健屋花那さんに触発されて、完璧じゃないにしろ、少し医学の勉強をしてみようと思っている。きっかけは、健屋さんが「医療従事者」であることについてこう述べたことことだ。
「しんどいよ医療は。ヒトの命を預かる仕事だからね」
「健屋に憧れたらという理由で、医学部や看護とか、技術職とかに行くのはやめなって思う」
これは、現況のコロナでの臨床圧迫や、禁忌薬物の過剰投与での逮捕などのニュースを見れば、これが真摯な言葉であるのは間違いがない。でも、この話はどこか私の心に「モヤモヤ」を残した。それは、小さい頃に、訳あって医学書に囲まれて育った私の、ちょっとした反抗心かもしれない。
非医療従事者が医療を勉強する意味
非医療従事者は医療従事者に、全てを任せてしまってよいのだろうか?色々考えこんだ結果、答えは当然、否だと結論を出した。理由はこうだ。
①健屋さんの願いが、ファンに健やかに生きてもらうことだから。
医療は病院で行われるものと思われがちだが、予防は各個人が家庭でも行うものである。生活習慣病など、さらなる疾病を呼ぶ因子を減らすことが出来れば、医療従事者の負担も減っていく。
だとすれば、医学の知識を少しでも日々の週間に取り入れ、規則正しい生活をすることが、彼女たちの負担を減らすことにもなる。
②統計学など、他の分野を学んだ人が医療に貢献する例がここ数年増えているから。
私は学問や仕事の関係で統計学の本をさわることがある。すると、意外なことにその活用例の多くには医学分野が目立つ。例えば上リンクの『異端の統計学ベイズでは、たばこと肺がんリスクの因果関係、乳がんのマンモグラフィー検査に統計学が役に立ったことが明確にかいてある。
※「タバコが肺がんのリスクを高める」ことを明らかにしたベイジアンのJerome Cornfield氏。
基本的に、イノベーションとはそれまで触れてなかった分野同士が交流することによって起こってきた。だとすれば、自分が得意な分野で医療を助けることに携わることが出来れば、それはまわりまわって医療従事者の方の助けになるかもしれない。
医療従事者の方に感謝以外にやれることがあるとすれば、そっと自宅に医学書を置くだけでもよい。それがいつか、自分の身や家族の身を守り、あるいは何かの縁で、新しい医学的発見につながるかもしれない。
ただし、非医療従事者であるため、あくまで我々は訓練を受けていない人たちである、ということだけは忘れないようにしよう。これは、そんな医学の世界を少し覗いてみるためのリストである。
(2021年3月18日追記)
本業がお医者さまのぐやもこ様に、ためになる記事や本をご教授いただきました!! 本当にありがとうございます。ぐやもこさんはYouTubeの方にてリゼ様のMMDを公開されています。曲と、モーションとリゼ様、月ノ委員長のにじさんじでの歩みが合わさって非常に「エモ」いです。そちらもどうかご覧ください!!
医療を勉強する
・初学者向け
・ドラえもんシリーズ
子ども向けだからとあなどるなかれ。ノーベル賞で話題になったiPS細胞を始め、多くの最新知見を医学部教授が、「子どもにわかる形で」書いている。
・健康診断の数値を読んでみる
誰もが、ちょっと怖い気持ちになりながら見る健康診断の結果。しかし逆に言えば、この健康診断の数値の名前を知ることは自分の身体がどのようなバロメーターで測られているのかわかる。下記の『家庭の医学』なども参考になるだろう。
・家庭の医学
『家庭の医学』(主婦の友社)は、一般の方にもわかりやすく、生活習慣病やがんの症状、健康診断の受け方を教えてくれる大全である。体の健康によい食事についても多くページを割いており、楽しく読める工夫がされている。
・心肺蘇生ガイドライン2020
(情報提供いただきました)心配蘇生ガイドラインは数年に一度変更がある。全て変更されるわけではないが、何度も講習を受けなおす意味がここでわかる。
・中上級者以上向け(健屋さんが使用しているものを参考に)
・Q-Assist
健屋さんの3D放送でも監修として登場したQ-Assist。医学部生がCBTや国試で詰まりやすい部分を、人気講師たちがユーモアを交えて分かりやすく教えてくれる。医師は問診の際、「この患者の緊急度はどれくらいか…」「重症かどうか…」「よくあるパターンは何か…」を気にしながら探偵のように病気を特定していくと聞いたが、講師の方の問題の解き方にもそれが現れていて面白い。
・『病気がみえる』シリーズ
医学部生に定番の、病気をビジュアル化して解説する教科書。
・プロメテウス解剖学 コア アトラス 第3版
人体解剖学の基礎書。筋肉、骨格ひとつひとつ全てに名前が振られており、英語名も付く。
・メルクマニュアル
無料で公開されている、世界で最も利用される医学情報源。
その他/リファレンス
・薬学
薬学の世界では毎年、医学書院により『治療薬マニュアル』が出版されている。これは実際に薬剤師の方が使うマニュアルである。これに加えて、『薬剤師とくすりと倫理』など、薬にまつわる用語や倫理を抑えておくのがベターだろう。以下は京都大学薬学部の推薦図書。
・スポーツ医学
スポーツの世界で「靭帯損傷」等と訊くと、一発で選手生命の危機だとわかるだろう。スポーツや体育の世界とも、医学は切り離せない。野球であれば、桑田真澄さん、小宮山悟さんなど、現役引退後指導者として大学でまなびなおす人も少なくない。
・精神医学
精神医学の世界は、医学の中でもかなり特殊である。文学部にいると、むしろ精神分析(フロイト、アドラー、ユング)の文脈で出てきたりする。そのため、比較的医学的知識が身についていない段階でもとっつきやすい。(ただし、その分怪しい情報も多いことに注意。)
・医学書院ホームページ
医学書院は、ほぼ全ての医学生が購読する教科書を出版する最大手の出版社である。「生体の科学」「公衆衛生」をはじめとした専門雑誌も数多く出版。また近年では東畑開人『居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書』や國分功一郎 『中動態の世界 意志と責任の考古学』など、人文学の世界で賞をとる作品も出版した。
・福岡大学図書館医学部分館「医学情報リンク」
ここまで書かれた情報は基本的に「教科書」のことである。しかし医学は薬の情報等常に更新されるものであり、その情報は国立がん研究センターや日本医学会が発表する。そうした情報元を福岡大学がまとめたもの。
日本のマンガやドラマ
・麻酔科医ハナ
・はたらく細胞!!
・ブラックジャック
・ブラックジャックによろしく
・コードブルー
・白い巨塔
・Ns'あおい
・アンサングシンデレラ
海外の医療ドラマ
・ER緊急救命室
・Grey's Anatomy
(デトロイトのマーカス役でおなじみ、Jesse Williamsも出演しています)
・グッド・ドクター 名医の条件
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