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神田笑一と落語の世界

半年前頃、神田くんがなんか不思議なことをしているぞ…?と気になって、この動画を見始めてから、するすると聞き惚れてしまいました。中身を解説してしまうと野暮なのですが、落語のお噺とライバーのキャラがここまでフィットしているとは思いませんでした…。そしてめちゃくちゃ聞き取りやすい。

今回の記事では、落語を見始める人が使えるリンクを中心にまとめてみました。笑いについては私も議論できなくはないのですが、なんか色々「野暮」な気がしたので、ざっくりリンクを置くにとどめます。(わたしゃ太鼓持ちですよ)。


下品と上品

僕は常々邪道こそ大事にしなければいかんと思っています。邪道が広めてくれて客を集めてくれると思うんですよ。たとえば東京の例で言うと亡くなられた三平師匠。「どうもすいません」と言うてテレビへ出る。「あんなもんは落語じゃない」と言われる。でも三平ということで噺家なら落語なりが広がる。寄席へ三平を見に来る。見に来た時に文楽がいて志ん生がいて円生がいてるからいいわけでしょ。邪道が新しい客を集めて来たときに、本流がどんと座っていればいい。そうすれば、一時のブームでは終わらないはずです。邪道というのは僕にいわせると下品で、下品なものはインパクトが強いから世間の耳目を集めやすい。でも最初下品だったものもそのままいくと客はどんどん要求するから無駄を排除しだす。するとこれが上品になってしまう。常に古い上品と新しい下品の戦いです。新しいものが下品やというても、下品にしかインパクトはないんです。                                      上岡龍太郎「解説 裏切られる心地よさ」桂枝雀『らくごDE枝雀』より

本筋と関係はないのですが、資料探している時にあまりに印象的な文章だったので、引用。「下品さ」ってどうしても若い人や新しいことをやる人には出てきてしまうモノなんですよね…。

そもそも漫才は、落語の色物として出てきた側面が大きく、現代の芸能界・お笑い界にも大きな影響を与えています。上岡龍太郎さんは、タモリさんと同世代の大物コメディアンでした。

落語の用語

・寄席

江戸時代半ばごろから、講談や落語が催される演芸場を「講釈場」「寄せ場」と言ったのが始まり。開演時間はあるものの、好きな時間に行って、好きな時間に出ていいきまり。

寄席用の文字を書く職人さんもいらっしゃいます。

・色物

寄席の中で、漫才や手品など落語以外の見せる芸をやる人たちのこと。

・太鼓持ち

メインの落語家の話を持ち上げる芸。ごますりではなく、うまく持ち上げるのがミソ。

・講談

歴史の英雄について、ダイナミックに語るのが講談。神田伯山さんは、YouTube活動で大きく注目されています。

・浪曲

三味線の伴奏と独特の節で物語を語るのが浪曲。玉川奈々福・太福さんが有名。

・階級制度(真打への道)

落語も、見習い期間が長い芸能であることが有名です。人前で寄席ができる真打になるには十年かかります。トリを務めるのは「大看板」。

落語の流れ

落語の基本は次の三つの流れ。

マクラ 落語に入る前の軽いトーク。

本編 本題。人によって長さも流れも様々。

落ち(サゲ) 話の〆に持ってくる結びの言葉。「落語」の決め所。

・応用編(桂枝雀師匠の「緊張の緩和」理論)

落語の仕組みを分かりやすく説明したとして有名な本。枝雀師匠は、落語、ひいてはお笑いの中心概念として、「緊張の緩和」を見出した。さらに、「サゲ」の決め方についても4分類を描いている。

落語の種類

古典落語(江戸時代に成立したもの)

滑稽噺

誰でも笑える王道の落語噺。「明烏」「居残り三平次」「富久」などが代表的。

人情噺

本来は寄席のトリが演じるような、長編やしみじみ聞かせる要素の多い落語。「紺屋高尾」「ねずみ穴」「柳田格之進」などが代表的。

新作落語

大正以降に成立した、話を自作する落語。

落語が絵本になることも

江戸落語と上方(大阪)落語

東京と大阪の落語は、それぞれ別の歴史がありました。江戸落語は言葉の機微や細かい芸を好むのに対して、上方落語は派手で奇想天外、ハメモノと呼ばれる音楽演出も多くありました。

おっちょこちょいの喜六と清八のコンビの物語は、上方落語の王道


伝説の落語家・三遊亭圓朝

すべての落語家は紹介できないのですが、創始者としてこの方。

落語に関するnoteとサイト

落語とアニメ

(久米田康治先生のこのアニメ、ブラックジョークがやはり激しい)


まとめ:落語は見てみよう!

お笑いは「そもそも解説することが野暮やいうてますやん」と昔誰かに言われたように、落語は、ふらっと寄席の席に入って、面白かったらハマってもよし、笑って帰ってもよしの自由なお笑いでした。なので、題目なども、自分で漁ってみて、お気に入りや好きな落語家を探すのがよさそうです。

現在では、YouTube上にも多く、ご本人が動画を上げていることもあります。神田君の動画からでもよいので、是非、一度見て見てくださいませ。(YouTubeくん、「オチ」ませんように…)

参考文献



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