まだまだ食べたりない新宿

大好きな飲食店のメニュー写真ばかり眺めている。食べログでお店を検索しては、料理の写真は見ずに、メニューの写真を見る。これは前に食べて美味かった、次はこれ食べたい、娘たちが食べられるのはどれだろうかと、延々やっている。料理写真よりもメニュー写真を見るほうが私は想像力をかき立てられるし、なにより、お店に行った時そのままの気分になれてうれしい。

うれしがったすぐ後に、なかなかお店に行けないご時勢のことを思い出して、胸がしめつけられる。

3月からこっち、同じことをしている。コロナと共存だなんて簡単に言わないでほしい。「こんなのあんまりだ」と泣くのが先なんじゃないのか。ここで泣いておかないと後で気が狂ってしまいそうだ。私はまだまだ泣き足りない。3月からずっと泣いている。

きょうは東新宿へ。新宿は久しぶりで、仕事が終わったらどこで昼飯を食べようかと、現地に向かう大江戸線に揺られながら、そればかり考えていた。

最後に食べたのは妻と「崖の上のポニョ」を観た帰りだったアカシアのロールキャベツ。歌舞伎町の様子を見るついでに寄りたい台湾料理の青葉で牡蠣のもろみ炒め。岐阜屋のキクラゲ炒めは今年に入って一度食べた気がするが何度食べたって構わない。何日か前に閉鎖のニュースを目にした新宿メトロ食堂街でパーコーメン。初めてのアルバイト代を握りしめて飛び込んだ回転寿司の大江戸。いっそライオンで生ビールを飲んでしまおうか。クレッソニエールのワンプレートランチは健在なのか。

あれもこれも食べたかったけど、きょう食べられたのは「うな鐵」のうなぎ串と、岐阜屋のラーメン。財布なんて空になればいい。私はまだまだ泣き足りないし、まだまだ食べ足りない。

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