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1000日分の6稲垣吾郎。広島原爆の日によせて。

最近、Twitteで話題のアカウント&タグ、#ひろしまタイムライン と #もし75年前にSNSがあったら

広島に原爆が投下されたのは1945年8月6日。
その当時もしSNSがあったら…?という設定で、その頃実際に書かれた日記の内容をベースに、3人の市民が日々のことをつぶやくときにつけられるタグが 、 #ひろしまタイムライン です。
この国で戦争が起き、原子爆弾が投下されるその時にも、”普通の人たち”がそこで生活していたということが、ツイートを見るたびに生々しく感じられます。

そして、”映画”も、実際に戦争を経験していない私たちが、それを自分事として受け止めることができる方法のひとつ。
多くの熱烈なファンを持つ広島県尾道市出身の映画監督、大林宣彦監督の遺作となった『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』も、原爆投下の前後や、それ以前の戦争最中の日本が舞台となっています。

こちらの映画には、メインキャストのほか、大林監督の”映画と平和への情熱”に賛同した、数多くの俳優さんたちが出演しています。
稲垣吾郎さんもその一人。幕末の政治家、大久保利通に扮した吾郎さんは、坂本龍馬(武田鉄矢)、西郷隆盛(村田雄浩)と共に、日本の未来に思いを馳せるシーンで登場します。
(…ちょっとSMAP×SMAPのコント、「ペットのPちゃん」のパパっぽい雰囲気)

上映時間3時間というボリュームの中で、稲垣吾郎さんのシーンはほんの数分。
でも、この映画を観終わった後、これを観る前には想像もしていなかった思いが込み上げてくると思います。

あらすじは、「尾道の海辺にある映画館が閉館を迎え、最終日に日本の戦争映画をオールナイト興行する。そこで映画を観ていた若者たちが、映画の世界へとタイムリープ。戊辰戦争から原爆投下前夜まで、さまざまな戦争が起きる中で、なんとか運命を変えようと奮闘するー」とフライヤーに書いてありましたが、映画を観た後の感想としては、

「いやこれ書いた人、よくまとめられたな!」


です。
え?これどこからどこまでが映画の世界?あの子誰?どうなってんの?と翻弄されっぱなし。分かりやすい説明なんてなし。考えるな、感じろ!

きっと、天才の頭の中って、こんな風なんだろうなぁ…

なんて考えていたけれど。
いつの間にかその世界に巻き込まれ、映画の登場人物たちと同じように、境目なくその中にぐんぐん入りこんでしまい、気が付いたら息苦しいほどに泣いていました。

こういう理不尽なことがいっぱいあって、犠牲になった人たちがたくさんいて、敵側の人たちも上官も、同じように会いたい家族や帰りたい故郷があって。沖縄が戦争に巻き込まれていくシーンで、佇む満島真之介くんの表情を見ていたら、いろんな感情が込み上げてきてたまらなかった。

好きな人と自由に恋愛をするように、「平和」を選ぶー

そんな言葉が劇中にあって。
私たちは今ならまだ、「戦争をしない」「愛する人たちと平和に暮らす」という日常を選ぶことができる。

タイムリープして、結果が分かってるけれど、それを変えることができず、登場人物たちはもがく。それでも、

「映画で歴史は変えられないけれど、歴史の未来は変えられる」。


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コロナ禍で久しぶりに訪れた映画館だったけれど、この時期に観られて本当によかった。
今、好きなものを好きと言い、好きな人が活躍する姿を楽しみ、同じ国で、同じ時を共有し、日々アップデートしていく様を愛でることのなんとありがたく幸せなことか。

不安定な今だから尚更なのか、それを感じずにはいられない。

戦争映画やドキュメンタリー映画はちょっと苦手…という方にも、この映画はオススメです。
え?あの人が?どこいた?とびっくりするくらいの豪華キャストが続々と登場するので、チェックしながら観るという楽しみ方もあります!

P.S. トイレ休憩にはだまされないこと。

サポートありがとうございます。これからもコツコツがんばります。