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じぶん作詩/短歌 のようなもの

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2024年5月の記事一覧

呑み込んだ涙も心のなかに咲う木漏れ日も、しかるべき時を待って言葉に芽吹いてゆけ。みなもを揺らしてゆけ。泡沫の夢を掬うは言葉のたおやかさ、人知れぬ瞬きを捉えるは言葉の機微、光の届かぬ海底を照らすは言葉のしなやかさ、なのだから。

今朝よりも黄ばんだビニル傘携えて

飯の匂いには犬並みの嗅覚持つ君の

そういうとこが好きと味見す湯気越しに

鍋のなかの人参とジャガイモ、お前たちはまだ何にでもなれるよだなんて。わたし、あなた、東京の片隅で今日も箸つついて笑いあおうじゃないの。