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18)次々と発覚する夫の浮気の証拠。証拠を見つけたら、どうしたらいいですか?

目下、年子の子供の子育て真っ只中というレイナだったが、そんなレイナに、夜の夫婦生活を求めたところで、遂行することは不可能に近かった。


何しろ、2人の子供を不妊治療で授かっているということは、夫婦生活なしで子作りしたことになる。
つまり、不妊治療期間中は、一度も夫婦生活をしていないということ。
もちろん、不妊治療をしながらも、夫婦生活を楽しむ夫婦もいたと思う。ただ、レイナ夫婦に関しては、一度もしなかった。

その理由について、レイナは夫に聞いてみたことがある。
夫が言うには、「毎日通院して、痛い筋肉注射を、腕やお尻に打ち続けて、打った箇所が硬くなって痛がっているレイナに、性的なものを欲求したら、レイナに申し訳なくて、言い出せなかった」ということだったが…

実際には、どうだったのかはわからないが、少なくとも、夫は性欲が強い方だったと思う。
それだけに、レイナの不妊治療期間中〜出産後までのおよそ4年間、全く何もしていなかった、と言うのは、にわかには信じがたいことだった。

当然、夫は「本当にしてないよ。1人でしてた」と言っていたが、そんなもの、信用できるわけもなく、夫の浮気を疑いはしたけれど、子育てに忙しいレイナは、それをいちいち追求する事もしていなかった。

少なくとも、夫は一晩に何回も放出できるタイプの人だったので、その性欲を溜め込むようなことはしていなかったと思われる。
となると、風俗に行くか、浮気をするか、しか考えられないのだが、恐らく風俗には行っていたのだろう。


というのも、共有のパソコンの検索履歴に、夫が行く出張先のデリヘルのサイトが、幾つも残っていたのを見つけてしまったからだった。
当時は軽いショックは受けたものの、風俗ならお金を払ってプロが対応するのだから、ま、いっかーと言った感じで、深く気にする事もしなかった。

いやー、こんないい奥さん、いないよね!笑

でもね、これって、レイナが夫に対する愛情が薄れていたからだと思う。
今まで夫に注いでいた愛情を、子供に注ぐようになり、夫の一挙一動が気にならなくなった、と言っても過言ではないように思う。
これって、夫婦あるあるなんじゃないかなーって思うんだけど、どうでしょう?

子供が生まれる前にも、夫がデリヘルのサイトを検索しているのを見てしまったことがある。
その時は、ものすごいショックだったし、たとえ相手がプロだったとしても、性交渉をするのだから、それはもう、浮気だと思って、深く傷ついた。

恐らく今、レイナに好きな男性ができたとして、その人が、他の女性と性交渉を持ったことを知ったら、レイナはものすごいショックを受けると思う。
たとえ、夫の浮気は許せても、愛する男性の浮気は許せない、と言うのが、恋する女性の正直な姿だと、レイナは思う。

誰もが、愛情をもって、相手と接して、愛情が薄れると、細かいことが気にならなくなって、愛情がなくなると、どうでもよくなる。

よく聞く話だが、実はレイナの夫に対する気持ちは、少し違っていた。

夫とは、夫婦生活はなかったけれど、レイナは夫のことを嫌いになったわけではなく、むしろ、きちんと愛情をもって接していた。

どんなに不平不満があったとしても、夫のことは愛していたし、どんなに嫌なことがあっても、どんなに義両親から嫌味を言われても、どんなに深く傷つく出来事があったとしても、レイナは、夫とは、一生一緒にいるもんだと思っていた。離婚なんて、一ミリも考えたことはなかったし、これから先も一生縁のないものだと思っていた。

たとえ夫が浮気をしていて、レイナを傷つけたとしても、それが浮気で、一瞬の気の迷いで、ただの性欲のはけ口で、きちんとレイナの元に戻ってきてくれるなら、仕方ない、とすら思っていた。


子供が生まれてからは、子供達のために、一生懸命外に出て、働いて、稼いできてくれる夫に対して、多少のことは目をつぶっていたし、夫が朝帰りをしようが、行き先を告げない外泊をしようが、全ては「仕事」なんだと思い、深く追求もしなかった。

夫はどう思っていたのかは、今となってはわからない。

だけど、口やかましく「どこにいるの?」「誰といるの?」「何してるの?」と聞いてくる奥さんと比べたら、さぞかし楽だったろうと思う。

なんども言うが、全ては「仕事」だと信じてのことだったので、結果として、その間に浮気を繰り返していたのだとしたら、レイナは結婚当初からずーっと夫に騙され続けていたことになる。

一生一緒にいると思っていたはずの夫が、10数年後に、「離婚したい」と言い出すとは、この時のレイナは予想だにしていなかった。

子育てに集中していた数年は、夫の浮気のことなど、全くと言っていいほど気にしていなかったが、ある日、3歳になった娘が、まだ寝ている父親のスマホを操作しながら、レイナの元へトコトコと駆け寄ってきた。

「ママ〜!ワタシ、コノオネーサンミタイナ、カミガタニシタイー」

そう言って、スマホの画面をレイナの目の前に差し出す。

見ると、画面に映っていたのは、20代ぐらいの若い女の子。
髪の毛を縦に巻いて、いかにも飲み屋で働いてる女性風の服装で写っていた。

「ちょっと、ママに見せてねー」

そう言って、娘からスマホを受け取り、スマホの画面を確認してみた。
すると、その写真は、女の子からのメールに添付されていたものらしく、メールの中には、以下のようなメッセージが残っていた。

ーー昨日は楽しかったね❤︎ホテルも綺麗だったね❤︎また連れて行ってね❤︎

はい、浮気①確定。

あまり、人の携帯を見る趣味はないし、見たくないので、それ以上の画面は見たくなかったので、そのメールと写真の画面だけ写メを撮った後、娘にスマホを再び渡すと、今度は娘が、スマホのページをめくりながら、また話しかけてきた。

「ママ〜!ミテミテー!ココ、ハートガイッパーイ!」

見ると、女性からのハートがたくさんのメッセージのやりとりが、そこにはあった。


はい、浮気②確定。

いや、もう真っ黒ですね、この人。
そう思いながらも、娘に、「そっとパパの枕元に携帯戻しておいてね」と伝えて、この事実を、どう受け入れようか、頭の中でグルグル考え抜いた結果、夫へは何も言わないことにした。

何故言わなかったのか、何故追求しなかったのか、今となっては当時のレイナの行動を理解することは不可能だったが、おそらく、当時の平和な生活を壊したくなかったんだと思う。
追求することで、ギクシャクするのも嫌だったし、その結果、別れるという選択肢が浮上することも嫌だった。
当時の生活を守りたかった。
子供たちとの幸せな日々。夫のことは好きだったし、嫌いな要素はあったけれど、離婚を考えるような要素はなかった。

その結果、夫はおそらくその後も、浮気を繰り返すような嘘つき夫へと成り下がってしまった。

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