『北欧式パートナーシップのすすめ』第1章作者朗読
『北欧式パートナーシップのすすめ』(ビョルク・マテアスダッテル作、枇谷玲子訳、原書房)第1章、作者による朗読です。
海岸に立っていた私は、拾った石を、
海に投げ入れようとしました。
ふと目をやると、手にとった石がハートの形をしていることに気づきました。
私はハート型のその石を家に持ち帰ると、
きれいなお皿に置きました。
何年もした後、
棚にあったがらくたといっしょに、
石を捨ててしまいそうになった時、
背後から子どもがこう叫びました。
「ママ、ハートを捨てないで!」
私はその石を、ただの石としか見なくなっていたのです。
愛にも、同じことが起こりがちではないでしょうか。
その石がもっと違っていたらとか、
軽かったらとか、
もっとピンク色だったらとか、
ごつごつしていなかったらと思う余り、
石を気にかけなくなって
しまいます。
ハートを見つけ、家に持ち帰り、
それがハートであることを忘れてしまうのです。
心に灯りを点してくれる
素晴らしい石だということは忘れ、
新しい石を探しはじめて
しまうのかもしれません。
ですが、もう1度愛情を込めて
よく見つめてみたり、
他の人が愛情深く見つめるのを
目の当たりにしたりした際、
自分の中にまだ愛が残っていたことに
しばしば気づかされます。
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