中村れいこ

童話作家になりたくて、公募に挑戦中。 ずっと昔にアンデルセンメルヘン大賞大賞。割と最近…

中村れいこ

童話作家になりたくて、公募に挑戦中。 ずっと昔にアンデルセンメルヘン大賞大賞。割と最近、新美南吉童話賞特別賞。 アイコンは、自作の絵本『おばけのルーだぞー!』の1ページ。 テニスと宇宙とF1🏁が好き

最近の記事

絵本テキスト おばけのルーだぞー!

ぼくは、おばけの ルーだよ。 くものす だらけの すてきな おうちに すんでるんだ。 おきにいりの ソファで、おちゃを のんだり 本を よんだり、おひるねを したり。 ひとり ぐらしは、さいこうだよ! ある日、ぼくの いえの まえに 大きな トラックが とまって パパと ママと あかちゃんの ルナちゃんが ひっこして きた。 「まあ、すてきな いえ。おもった とおりだわ。 さあ、おそうじ するわよ」 ママは、はりきっている。 ねえ、ここは ぼくの いえ なんだけど。

    • 童話 どろぼうサンタクロース

       ふりつもった雪のおかげで、しーんと静かなクリスマスの晩でした。  家々の明かりが、通りをオレンジ色にそめています。  キュッ、キュッ、キュッ、キュッ。  雪をふみしめる音が、がい灯の下で、止まりました。 「われながら、よくできてる」  白いひげのおじいさんが自分の着ている赤い服を、ほれぼれとながめました。 「本物のサンタクロースだって、こんなに仕立てのいい服を着ているかどうか、あやしいもんだ」  ぴゅうっと吹きぬけた冷たい風に、おじいさんは、思わず首をすくめました。 「おー

      • 絵本テキスト つきよのひっこし

         まんまるい おつきさまが、まどから  りなちゃんを みています。 カタン。  クローゼットが あいて、カタコト、カタコト  ちいさな いすが、でてきました。 「りなちゃんを おこさないように しずかにね」 「うん、わかってる」  ちいさな あかい くつと   きいろい ラッパも でてきました。  パタン。  ようふくダンスが あいて、 りなちゃんが あかちゃんのときに きた みずいろの ワンピースが でてきました。 「さあ、いこう!」  みんなは、つぎつぎに  まどに 

        • 童話 森のショーウィンドー

           かさ屋さんは、このところ、ひまでこまっています。  こうお天気つづきじゃ、だれもかさを買おうなんて、思わないんだろうな。  かさ屋さんは、しょんぼりと店の中を見まわしました。  せめて、あそこに、ガラス張りのショーウィンドーでもあればなあ。  だれもが、足を止めたくなるような、とびきりすてきなかさをかざるのに。  春には、お花畑みたいな花柄のかさ。  夏には、うすい水色が、だんだんこくなっていくような、海色のかさ。  秋には、コスモス柄のかさと、イチョウ柄のかさ、どっちもか

        絵本テキスト おばけのルーだぞー!

          絵本テキスト うみのルーラルー

          ふかーい ふかーい うみの そこ。  てっぺんから、ぽこぽこ あわを だしている  山が ありました。 ある時、とくべつ おおきな あわが ぷちんと はじけて  ルーラルーが うまれました。 うまれたての ルーラルーは ミルク色の 大きな ポップコーンみたい。 「ここは、どこだろう?」 ぱっちり おめめで、あたりを みまわしました。  ルーラルーは、まいにち いろが かわります。 あさ おきて、ピンク だったら、  すごく ごきげん。 青いと、ちょっと かなしい。 ほかの

          絵本テキスト うみのルーラルー

          はじめまして

          中村れいこです。 30年ほど前、若いママだった私は( あれ〜、年がばれちゃう )、夢中で、童話を書いていました。 アンデルセンメルヘン大賞で、大賞をいただいたり、ほのぼのレイク( もうないけど )や、宝塚ファミリーランド童話賞( あら、これもない )、毎日新聞の小さな童話大賞( きゃー、これもない )、日産絵本と童話( これはあるね )などなど。 色々入選して、よし! 童話作家になるぞ! って、はりきっていたのですが、 あれ? でも、次は、これを書いて下さいって、誰も言

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