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初めての上司

4月になりましたが、会社の新人歓迎会も延期になってしまいました。社外にいる私は新人さんの顔もしばらく分からないと思うので、入社おめでとうと心の中で伝えておきましょう。

私が社会人一年目の印象は鮮明です。なぜかというと、めちゃめちゃ上司を恐れていたから。

上司との出会い

研修が3ヶ月あって、7月からOJTで現場に配属されました。20人以上いる大きなプロジェクトでしたが、私は4人くらいの小さなチームに入りました。

そのチームリーダーが私の初めての上司です。7つ上の彼は、ザ・SEみたいな人で、技術系でコミュニケーションはやや苦手そうでした。

OJTが始まって

振られたのは簡単な仕事で、スケジュールもかなり余裕を持って引いてくれていたのですが、やはり分からないことが多かったのです。

質問しようとするのですが、まず、朝は上司の機嫌が悪い。質問しても機嫌が悪そうにしている。

これが結構なストレスになって、私の中で、質問は午前一回、午後一回という謎のルールが出来てしまいました。(午後二回とかにすれば良かったですね。)

そして、何より辛いのが、質問しても回答の意味が分からない。日本語が理解できません。レベルの差がありすぎて、彼は私が何を疑問に思っているか分からないようでした。

自分で考えて、とあえて回答してくれないこともありましたが、ヒントが無いと、前提知識が全くない当時の私は答えにたどり着くことは結構難しいのです。

考える日々

どう質問したら欲しい回答がもらえるかを考える日々がはじまりました。

基本的に質問の回数を減らして効率よく知識を増やしたいので、答えそのものではなく、考え方を聞くように作戦を立てていたのですが、なかなか上手くいきません…

午前一回質問して分からないと、あー、もう一回しか質問出来ない…と絶望に打ちひしがれます。トイレで涙する事もありましたし、ついには「すみません、言っている意味が分かりません」と言ってしまいました。先輩に向かって失礼な…

家でも勉強はしていましたが、やっぱり現場のことは上司に聞かないと分かりません。もう、教えてもらえないなら上司がしていることを横目で盗むしかない。職人か!って思いますが、本当にそんな感じです。

うちの会社はプロジェクトを移ると、上司も変わるのですが、新しい上司に質問して、理解できる答えが返って来た時は本当に感動しました。質問したらちゃんと答えてくれるんですか!?と。

結局は感謝

やり方はどうあれ、最初の上司は考える力を付けてくれました。大学を卒業したばかりの私を甘やかさず、厳しくしてくれたのは感謝しています。メンタル強いねって褒められた(?)こともありますし。

何だかんだ、彼とは4年くらい一緒に仕事してました。年に2回の評価では褒めてくれるんですよ。書面上ですけど。いつもは厳しいだけなのに。ツンデレめ!

そして、久しぶりに一緒に仕事をすると、この人はやっぱり有能な人だなと思います。今では結構仲良しです。

その後の裏話

ちょっと話は変わりますが、そのプロジェクトで仲良くなった別の会社の子がいまして、うちの会社含めて同年代の女性は彼女だけでした。彼女がある日言ったんです。

「もう時効だから言っちゃうけど、〇〇さん(怖い上司)に、ヤモリ(私)と仲良くしてやって言われてたんだよねー」

「え!?あの人がそんな事言ってたの?」


私は不覚にもときめいてしまい、今はその上司が夫です、なんてことはなく、今もただの同僚です。(少しときめいてしまったのは本当…)

4月になると思い出す新人の時のあの日々が、今の私のベースになっていることは確かで、最初の上司には感謝しているということを言いたいのでした。



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