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女子のリスクマネジメント~20代編~

 久しぶりの更新です。
 前々からどうしても書き残しておきたかったことがあります。
 
 それは、企業活動と同じく、個人の人生においてもリスク管理を行うべきではないか、ということだ。

 人の一生は年代ごとにリスクの項目が大きく変化する気がします。
特に女子はまだ社会経験が十分でない若いうちに、性的対象となってトラブルに巻き込まれがちです。

 弁護士として様々なトラブルに対処していていつも思うことがあります。
それは、「他人の言うことを素直に聞いてしまい、リスク検討がおろそかで受け身で対応してしまい、被害に遭う方が多い」ということ。
日本の教育はそういった子供を評価しますので、やむを得ないところかとは思うのですが、自衛できるならしたいところです。

 人生の落とし穴はパターン化しているものも多く、リスク管理をしてもっと戦略的に人生を歩むべきだと思います。

 リスクを0にはできませんが、あらかじめ知っていれば防げること、また人生の不運な出来事に遭ったときにどうするかを記載してみますので、少しでも参考にしてもらえればと思います。

 そうはいっても、自分も含めて失敗は人生につきものですし、こちらに何の責任がなくてもリスクが現実化することもあります。
 その場合でも、その後の人生次第で、失敗すら個性にしてその不運な出来事を体験した意味をプラスに捉えて人生を歩んでいっている例もあります。
 失敗した場合でも過度に自身を責めないようにお願いします。

 まずは、女子にとって1番危い年代である20代について検討してみます。20代女子は、性的対象になりやすい一方、守ってくれる親から自立して社会に出ていく局面でもあり、特にリスク管理が重要な年代です。


1 不倫リスク

20代女子は、不倫相手として既婚者に最も狙われやすい年代です。

なぜかというと、既婚者男性から見て、自分より若く、また仕事の話ができて優位性を保ちつつ話も合う20代女子は最もターゲットになりやすいからです。
また、男性にとっては、相手女性が30代になると結婚を迫られる場合がある一方、20代女性はまだ仕事メインで結婚を迫られないからといった理由も潜在的にはあるような気がします。

私の取り扱った不貞行為案件の内容はそのほとんどが、新入社員をはじめ、社会経験が浅い20代女子社員に対し、同じ会社(職場関連)の既婚者男性がアプローチして始まる不倫が断トツで多いです。

女性側は入社したばかりで知らないだけで、当該既婚者男性について、社内ではまた性懲りもなく若い女性社員にアピールしているよ、と呆れられて見られているケースもあります。最近は、職場でのプライバシーに関する話題を避ける傾向にあり、周囲の先輩社員からも自己責任として特に忠告や注意ももらえない場合もあります。

さて、不倫の一般的なプロセスについてみてみましょう。

女子の方は、最初は既婚者は対象外とばかりに付き合う相手としては目もくれないケースが多いです。
しかし、仕事上は既婚男性のことが頼りになり、教えてもらったり、味方になってもらえたりする場面が生じます。
そうすると、心の距離が狭まり、これに既婚者男性からの熱心なアプローチや自分を認めてくれる発言が加わると女子も悪い気はしなくなってきます。
自身の恋愛がうまくいっていない、仕事に自信がもてないなどの理由で落ち込んだりした何かのきっかけで、いつでもやめられるとの思いで不倫沼に足を踏み入れてしまう。

 不倫は男性側は既婚であるという負い目から異様に女子に優しくなり、一緒にいるときは女子にとって大変居心地がよく中毒性があります(だんだんと休日は地獄になってくる場合も)。
 私の経験からすれば、学生時代真面目でしっかり者な女子ほど、不倫にはまる傾向がありますので、注意してください。

【不倫によるダメージ ★★★3】

 1 相手方配偶者からの慰謝料請求
(数百万に及び長期弁済か、親に肩代わりをお願いせざるを得ない場合も)
 2 不倫が職場で判明した場合、退職・信用喪失によるキャリア喪失
 3 20代という結婚相手を探す貴重な時間を失う可能性
 4 相手の家庭を壊したことによる罪悪感

【断り文句の例】 
「●●さんののことは尊敬していますが、不倫はしない主義なのですみません。」
「離婚届を提出したらお付き合いを検討させて頂きますね。」
  
※ここはばっさりと切る。下手に出ない方がよいです。
このセリフを言って関係が悪化する相手だと思うなら尚更、今後期待させるよりも早いうちに断った方が恨みも少ないので、長期的には得だと思います。

2 予期しない妊娠リスク


妊娠は女性の人生を大きく変えてしまいます。

 適齢期でもあり、男性からも性的対象になりやすい年齢であるため、妊娠リスクも高まります。
  
 リスクマネジメントの方法として、結婚しているか入籍日が決まっているほど具体化した婚約までしていない限り、避妊具なしの性行為はしないようにして下さい。
 万が一妊娠した後、望まないならばすぐに(72時間以内に服用)緊急避妊薬を処方してもらって下さい。
(緊急避妊薬を後で飲めばよいという男性とはお別れしてください。)

 避妊してくれない場合、行為を中断する、話し合ってもわかってくれない場合、別れる一択です。なぜなら、それは女子のあなたの人生を大切にしてくれていないからです。そんな人と結婚するまでの真剣なお付き合いは不可能です。
 
不同意性交罪を定めた改正刑法が本年7月13日に施行され、同意の有無が犯罪成立の基準となりますので、同意するかどうか相手に気兼ねなく選択する権利が自分にあることを強く自覚することが重要です。自分を親友のように大切にしてください。お願いします。

 

【予期しない妊娠によるダメージ ★★★★4】


1 精神的苦痛(堕胎した場合の罪悪感は一生の場合も)
2 学歴(妊娠結婚により学業断念)/キャリア・夢を断念せざるを得なくな  
  ることも
3 経済的損失(堕胎費用・キャリア断念による遺失利益)
4 授かり婚をしても双方に結婚するまでの覚悟ができていなかった場合、結婚がストレスとなり、婚姻関係が破綻する可能性

【断り文句】
「私は結婚してからがいいな。旅行とかも行きたいし、今はまだ一緒に働いてお金をためようね。」
「避妊しないのもDVの一種なんだよ。●●くんなら避妊してくれるよね。」

3 婚活に伴うリスク

 婚活は結婚するために必要となる場合があり、婚活自体はとても良いことだと思います。
 しかし、婚活の方法によっては、余計なトラブルに巻き込まれたりして男女とも傷つくことが多いので、リスクマネジメントの方法としては、婚活の方法を戦略的に選ぶべきだと思います。
 
 出会い方で絶対に避けるべきなのは、マッチングアプリです。失恋したときや結婚を焦って登録する方がいらっしゃいますが、踏みとどまってください。

マッチングアプリを避ける理由①たとえ結婚できたとしても離婚率が高い


 離婚事件の相談を受けていると、どこで出会ったかによって離婚率が違うのではないかというのが実感です。
 マッチングアプリや、ネット上の出会いサイトで知り合った場合、男性側の浮気で離婚する場合が多いです。弁護士的には、口にこそ出しませんが、「はいはいもうお決まりのパターンですね。」と思っているのが実情です。
マッチングアプリで出会った人で幸せになった人もいると思いますが、確率的には不貞のリスクが高いというのが実感ですので、将来ストレスフルな離婚手続や余計な弁護士費用を払わなくて済むように、出会う場所については慎重に選んでください。

結婚は、快適に過ごせる相性の良いパートナーを見つけて、長期間互いに支え合えるかを見極め、互いに選び合う大一番の勝負です。主体的に、戦略的に取り組むべきです。無料で気軽に始められ、身元のはっきりしない方との出会いの場で、そのような大一番の勝負をすることの無謀さをよく考えて欲しいです。無料が故に、既婚者や金目当ての方など、婚活以外の目的の人が入って来てしまって、時間を無駄にし、合理的ではないと思います。

自己肯定感が低かろうが何だろうが、自分を決して安売りせず(高望みしろということではないです)、出会う場所にこだわってみてください。
 

マッチングアプリを避ける理由②トラブルを呼び寄せるリスク


 マッチングアプリや匿名性の高いネットでの出会いについては、一定程度、宗教、ネットワークビジネス、既婚者、性依存者、投資詐欺など、普段は自分の周りにいないような大変悪質な方とも出会ってしまうリスクがあります。

 アプリの規約上禁止されていても判別が難しいため、どうしても一定程度上記のような方が入ってきてしまいます。

 弁護士として、普段トラブルの相談にのっていると素人の方がトラブルを抱えることの心労は尋常じゃありません。「相手を民事訴訟で訴えられるのか」、「犯罪に当たるから刑事告訴できないか。」、「お金が返ってこないのに借金だけが残っている。」、「そもそも相手がどこの誰だかわからない。」よくある相談です。弁護士費用も時間もかかったのにそれで解決できない、ということがざらにあります。相手がどこの誰だかわからないと手のうちようがないというのが多いです。
 平穏な生活の上に婚活が成り立つのに、婚活していてかえってトラブルを抱え込んでは本末転倒です。
 
 婚活における出会いの場としては、遠回りなようですが、地元で知っている人、学生時代の知人、友人、趣味、興味のある活動やボランティア、勉強、仕事、友人、親の紹介、同窓会とにかく身元がはっきりしている方を対象とすることが大切です。気軽に始められないような有料な結婚相談所でもよいと思います。

※注意
 なお、相手方の身元調査に関して、(株)LINEは弁護士会照会への回答を控えており、今後方針を変更する可能性も出てきていますが、現時点では、LINEだけでは相手方の素性は追えないといっていいでしょう。
 LINEやSNSを知っているだけでは相手の責任を追及することは困難な場合もあるという現状も知っておいてください。

【婚活によるダメージ ★★★3】


1 マッチングアプリにより精神的・身体的ダメージを被り人間不信になる
  →結果的に婚期を逃す。
2 長期的なトラブルを抱え込み、解決のために金銭的時間的ダメージを被る

※参考

 モテ期プロデューサー荒野 - YouTube

 この方のおっしゃることは男女関係のリアルであり、私の認識ともほとんど一致します。婚活するには大変有益な内容で、動画を見るのは無料だと思いますので、ぜひとも勉強して頂ければと思います。

4 カモになるリスク(投資ビジネス、教材ビジネス、推し活ビジネス等)


 20代は、よっぼどの高給取りや十分な貯金がすでにある方でない限り、投資の優先順位は低いと私は思っています。まず、相場変動のない貯金が優先です。
 貯金がないにもかかわらず、投資(株、FX、仮想通貨、出資等)を周りがやっているからといって、投資に一気に多額をつぎ込んでしまう方や自分を変えたいといった心理学の講座に高額をつぎ込む方がいらっしゃいます。
 ある程度の貯金があるなら、必要な分を残して何に使おうが自由ですが、個人的には、地味ですが貯金を他人よりも有しているという心理的余裕の方が精神衛生上良い気がします。
 投資をするにしても、名の知れた証券会社で自分で直接口座開設し、少額にとどめて下さい。プロの投資家ではない限り、人生をギャンブルにかけたくはないので、極論なくなってしまっても生活に困らない金額のみを投資に限るべきだと思います。
 
 なお、SNS上でつながって親切に投資を勧めて仲介してくる人、お金を貸してくる方については、金融商品取引業の登録をしておらず、違法の人が大半と思われます。業者ではなく個人で貸し付けていると言い訳するのでしょうが、それが通るとは思えません。登録をしていて、所在がはっきりしているサラ金なんかよりもはるかにたちが悪い(個人的には闇金と同等と思っています。)ので、その点の危機意識をしっかり持って下さい。サラ金やカードローンは怖いイメージがあって抵抗があり、SNSで気軽に借りる例が見られますが、全くもって認識が逆です。どうか面倒な手続がなくすぐに借りれるという手軽さに飛びつくことがないようにお願いします。

 最初は丁寧な物言いに大丈夫だろうと身分証明書を写メで送付してしまい、後になって家族にばらす職場にばらすと脅される事例もあります。利率は利息制限法で上限が決まっていますが、それを守らない法外な利息、相手の身元がわからない、払いすぎたものを取り返せない等、泣き寝入り一直線ですので十分注意してください。
 
 金融商品を扱うための金商法上の規制は複雑でコストがかかるため、資産を預けるのに個人や歴史が浅く素性がはっきりしない会社ではそもそも難しい面があると考えています。分別管理が基本ではありますが、万が一の破綻の可能性も考えて救済の可能性が高まる多くの人が利用する大手金融機関を通じてしか投資しません(といっても、例えば銀行が勧める投資商品で問題がある場合もあるので銘柄も十分注意してください。)。

 ※参考
無登録業者との取引は要注意!! ~無登録業者との取引は高リスク~:金融庁 (fsa.go.jp)

推し活ビジネスのカモになるリスク

 推し活はこちらがうまく利用する分には良いのですが、主宰者側からすればビジネスでお金を使わせることにかけては先方のが一枚上手ですので、自分の長期的な人生を考え貯金を取り崩すまでいかないようにしてください。
 若い女子の心理に付け込んで、男性との疑似恋愛などの場面を作り、貢がせることによって利益を上げようとするシステムがあります。金策するためのSNS上での無登録の金融業者や副業の性風俗まであっせんする者まで用意され、全てグルということもあります。
 最近は、ホストなどのわかりやすいフラッグが立っているものだけではなく、一見すると健全な推し活の体をしているものが多く見られます。
 その中で自分の生きがいだからと多額の金銭を拠出してしまう方が見受けられますが、主宰者側の思うツボになっているだけのことがあります。たこが自分のたこ足を食ってしまうことがないよう、自分の人生を最優先に、あくまで人生に彩りを与えるという範囲内で推し活をするにとどめてください。
 女性の相手を守ってあげたい、支えてあげたいという母性本能や、承認欲求、女性同士の競争意識、恋愛心理をよくわかった上でシステム作りされており、そのカモになっている場合がありますので、自分の貴重な20代をそのようなシステムの歯車にされていいのか、自問自答してください。

 個人的には推し活で支払ったお金は運営会社にその大半が入るだけだと思っているので、どうしても興ざめしてしまうというのがあります。

【カモになることによるダメージ  ★★2】

 金銭面のみの負担ですので、やり直しはききます。ただ、現実逃避せず、早めに気付いて弁護士・司法書士に相談するなどして借金を整理するか、借金がないならば損切りして、将来に目を向けましょう。

 

【コラム:性犯罪に遭ったら】


 性被害に遭った場合、女性の人生に非常に暗い影を落とします。
 警察に被害届を出すか迷ったら、シャワーに入らず、着衣を袋に入れて証拠保全した後、下記に電話して相談してください。72時間に緊急避妊薬を飲めば妊娠を避けられる可能性が高まります。
 
民間の性被害相談 ♯8891 性被害全般
(各地のワンストップ性被害センターにつながる)

警察の性被害相談 ♯8103 被害届を出すか悩んだ場合など

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)

犯罪被害者等施策ホームページ - 警察庁 / 各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「♯8103(ハートさん)」 (npa.go.jp)

  被害届を出す場合(後で取り下げることもできます)、被害に遭った場所を所轄する警察署に被害届を出します。公費で産婦人科で証拠保全や緊急避妊薬の処方等の適切な後処理を受けて下さい。警察に言って支援員の女性の付き添いを希望することができます。自宅と警察の送迎や自宅付近のパトロールもお願いできます。

 被害者は、自治体から転居費用や助成金が出る自治体もあります。無料で継続的なカウンセリングプログラムを受けられたりします。一人で抱え込ますに上記にご相談下さい。


ここまでお読みくださりありがとうございました。
今後、30代以降80代(!)まで記載していきたいと思います。
この記事が少しでも多くの女性の目に触れ、役立ちますように。

#創作大賞2023 #オールカテゴリー

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