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オールドレンズ①

コロナ突入直前にデジタル一眼レフカメラをいきなり購入し使いこなせぬまま次々に仕様の異なるカメラを購入してこの短期間で4台ものカメラが手元に集まってしまった。こんなんじゃいけないと熟考を重ねFujifilmのミラーレス一眼カメラだけを残して他の3台を売却し、その売れたお金で手元に残したカメラの映像撮影にも定評のある上位モデルを購入。

かくしてFujifilmのミラーレス機が2台手元にあるわけだが今のところ浮気性の虫も騒がずとても満足している。

本体に関しては。

そう、レンズには全く納得できず必要最低限の性能を持った数本のレンズを取っ替え引っ替えして一年ほど撮ってきたが、春の訪れとともに悪魔の囁きが聞こえるようになりYouTubeを開けば「おすすめオールドレンズ!」とか「あなたの写真ライフを豊かにしてくれるオールドレンズ!」などの魅力的なタイトルに目が留まるようになった。

あれこれ観ているうちに僕はどうやら解像度の高いバッキバキのカッコイイ写真や映像が好きなわけではなく、どちらかというと境界の曖昧なボンヤリとしたノスタルジックな絵が好きなのだと気付いた。ボンヤリしているからノスタルジックという捉え方もドラマや映画から刷り込まれた思い込みに過ぎない気もするが、オリジナルな感性でノスタルジックを可視化する能力には欠けていると自負しているのでここはステレオタイプを潔く受け入れることにする。

オールドレンズを推しているYouTuberの皆さんが異口同音におすすめしてくるのがPentaxのSuper Takumarというレンズ。60年前のフィルムカメラのレンズで背景は見事にボケるしフレアやゴーストなどの光の反射の軌跡が特徴。そしてもう一つ「緑のロッコール」と呼ばれるレンズに施されたコーティングによりレンズが緑に見えるMlnoltaのレンズ。Fujifilmのカメラとの相性が良く青と緑の描写が独特な色味に出る。

どちらも大量に生産された型なので安価で入手しやすいのだが綺麗な状態で残っているものは少なく購入時に実際に見て触ってカメラに付けてみて判断されたしとのアドバイスに従い、中古カメラ店に出向いてオズオズとあれこれ試してみた。明らかに挙動不審な中年男性を見かねて店員さんが優しく解説してくれたりするがそれも何だか気恥ずかしく本業時よりも大量の汗をかきながらなんとか3つのレンズを購入してみた。一本あたり¥4,000〜¥5,000なので同じような性能で最安値の現代レンズを一本買うとしたらオールドレンズは3本も買えてしまう。なーんだ、最先端の高価なレンズなんてもう要らないじゃーん?とウッキウキで帰路に着く。

(次回に続く)

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