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ディープテックのCOOがこの一年でやったこと

Acompanyの佐藤礼司です。COOという役職についています。
この記事は,Acompany Advent Calendar 2022 の20日目の記事です。

今日、また一つ新たなプレスリリースを発表させていただきました。

今日はこれに関する内容とは全く関係なく、AcompanyでCOOに就任して約1年経ったので、COOという仕事について、振り返りながら書いてみようと思います。

COOって何?

COOという役職は、どういう意味を持つのでしょう?Chief Operating Officer(最高執行責任者)という名称だけ聞いて、「ああ、こういう仕事をする人だよね」とピンとくる人はどの程度いるでしょうか?

ネットで参考にさせていただいた記事から、一部引用させていただくと、

CEOが経営に関する事業方針を定める責任者ならば、COOは執行に関する責任者という位置付けです。またCEOが決定した方針に従って、COOは実行部隊を統括する執行役として職務を行います。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/coo/

「実行部隊を統括する」と書いてありました。なるほど。

「統括する」というのとは個人的にちょっと違うかもと思いますが、確かに、就任してからはどんどん社内で関わる人が増えて、今ではほとんどのチームとなんらか接点を持って仕事をしている気がします。

Acompanyはプライバシーテックとプライバシー規制に対する理解を武器に、サービス提供しています。そのため、プライバシー保護技術、それを用いたプロダクト、プライバシー規制など、事業でカバーしなければいけない領域は複数存在します。

今は、事業開発、マーケティング、広報はもとより、法務、プロダクト開発、研究開発など、事業を創出するために必要な人たちと話し、事業計画・財務計画などの観点からコーポレートチームとも連携しています。

というわけで、一つの例として、ディープテックのスタートアップで、COOという役割がどういうことをしているのか、参考になれば幸いです。

実際にこの一年でどんなことをしてきたのか?

では、実際約一年でどんなことをやってきたのか、書き出していきたいと思います。

ひたすら事業開発。顧客ニーズとは?

参画してからは、最初は事業開発を中心にやっていました。たくさん顧客に会って、大小様々なインサイトを得ながら、契約を獲得していく。基本的にはその繰り返しです。

総じて、うまくいかないことの方が多かったですが、得られたインサイトから顧客ニーズに関する解像度を高めることができた、重要な時期でした。

ディープテック領域では参考になるような前例が少ないので、自分たちが得た一次情報が何より貴重で、その一つ一つを積み重ねて、事業の方向性を確認・修正していきました。そのスタンスは、今でも変わりません。

プライバシー規制を学ぶ

事業開発を行う過程で顧客ニーズを少しずつ深く理解していった時に、プライバシー規制がとても深く絡んでることがわかってきました。

そこからは、規制に関する理解を深め、板倉陽一郎先生の顧問就任をはじめ、秘密計算とプライバシー規制の関係性を踏まえた事業の方向性を作るようになっていきます。

このあたりは自分の経験がないところだったので、社内外の専門家の方々に教わりながら、必死で学んでいった感じがします。

R&Dとの連動を強化

この一年の間で、Acompanyは秘密計算スタートアップではなく、プライバシーテックカンパニーになると宣言しました。

前述したような事業開発から得られた顧客ニーズ、プライバシー規制の現状に対する理解が、この事業方向性を定めるに至る要因の一部になっています。

その結果、会社としては秘密計算の応用をはじめ、技術開発を広く捉えるようになりました。世の中でいうプライバシーテックは様々な技術がありますし、それらの技術を片っ端から手をつけていくことはできません。そうなると、事業ニーズを踏まえた技術開発が必要になりました。

Acompanyでは技術開発をR&Dチームが担っていますが、プライバシーテックとして事業を捉えてからは、R&Dチームと定期的な方向性のすり合わせを行うようになりました。

R&Dチームの専門性の広さと深さは、いつも感心していて、僕も学ばせてもらってばかりです。逆に、事業や顧客に強い関心を持ってくれているので、事業ニーズを反映した技術開発を行うことができていて、これがAcompanyの強みの一つになっています。

最近のR&Dチームについては、こちらで牧野さんが語ってくれています。

プロダクト開発を加速化

事業を進めていく上で、アルゴリズムなどの要素技術だけでは社会実装には届かない、というのは気づいていました。

今のプライバシーテックは、全般的に取り扱うのが難しいのに加え、あくまでプライバシーテック自体はシステム全体のひとつのコンポーネントに過ぎないからです。

そこで開発に着手したのがAutoPrivacyです。

プライバシーテックを簡単に呼び出しながら、データ処理・分析プロセスを設計・実行できるものになっています。

この開発に関しても、COOとして事業ニーズのインプットや開発の方向性に関わってきました。プロダクト開発の難しさと、劇的なスピードで開発が進んでいく楽しさを、チームメンバーと一緒に味わっています。

プロダクト開発については、マッケイさんの熱い記事を読んで欲しいです。

この一年を振り返って

こうやってみると、Acompanyの事業成長に合わせて、自分の役割も変化してきたなと改めて感じています。

ここでは書ききれないですが、他にも様々な人と日々連携しながら業務をしています。事業をうまく進めてしていくために、社内のたくさんの人たちと連携して、ちょっとずつ方向性を調整しながら、全体で大きな成果を出していけるようにする、ハブ的な位置付けが今のAcompanyのCOOとしての役割なのかもと思っています。

COOの役割というのは、企業の事業やステージによって大きく違うものだと思っていますが、根幹としては「事業の遂行・成長に必要なことを、会社全体の目線からみて実行する」ということに尽きる、と考えています。

会社の状況によって自分のやることはどんどん変わっていきますし、これからもAcompanyの事業変化に合わせて、役割は変わっていくでしょう。

ありがたいことに、頼もしいメンバーもどんどん増えて、会社としてやれることも増えてきています。

その中で「どう進めば、何をやればAcompanyとして最も大きなインパクトが出せるか」を考えながら日々過ごすのは、とても楽しいです。これからも、ガンガン新しいアクションを、素晴らしい仲間と一緒に起こしていきたいと思います。

最後に

お決まりではありますが、こんな感じで事業成長に合わせて、人材を募集しています。ディープテックで刺激的な仕事をしたい方は、ぜひご連絡ください!


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