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【不定期連載.Vol,1 大谷ひろみ】コロナ時代のフェティシストたち

コロナは人々の生活、価値観、人生を変えるできごとであり、私自身もコロナによって予定していたことを全て諦めることになりました。
 それでも日々は続くし、私達は決断するしかない。
人との距離を取り、人と会えない日々を生きる。

だからこそ考えさせられた「性癖」は、やめようと思ってやめられるものではなく、簡単に変われるものではないのだと改めて気が付かされた人が多いような気がします。

今回スタートする「コロナ時代のフェティシストたち」は私が尊敬するフェティシストたちに協力してもらい、いくつかの同じ質問に答えてもらうカタチで、コロナ禍での想いを語ってもらいました。


記念すべき第一回はBDSMプレイヤーでもあり、ラバリストとしてお馴染みの大谷ひろみさん。

悶々とする日々、やり場のない衝動。彼女たちは何を思い、何を考えたのか。

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①コロナの時代、貴女のSM観、フェティシズム観にどんな変化がありましたか?

大谷ひろみ:
もう性欲が全然湧かなかったです(笑)  

プレイをする気が全くなくなりました。
人に身も心も接しなくてはいけない立場なのに、人に接するのがちょっと怖かったりして。

イベントもことごとく中止になるとラバーを着る機会も減ってしまうしで、フェティッシュに関するモチベーションがダダ下がりだった様な気がします。
 全ての欲がシャットアウトされた感。

そんな中で2020年7月にデパートメントHが復活開催されると聞いた時は嬉しかったと同時に、自分のフェティッシュ心がどこまで上げれるのかちょっと心配だったりしてました。
 でもまあ、それが一つのきっかけで徐々に渇いた心が潤ってきた感じはしましたね。

ヘビーなラバースタイルはアンチコロナの最たる物だ!と、自分の中で謎のモチベーションアップがあったかな?


②コロナ禍だからこそやりたいと思うプレイを教えて下さい。

大谷ひろみ:
世の中の流れだと漠然と「リモート調教」という流れになるのでしょうが…なんか私はちょっと苦手で(苦笑)

直接顔を突き合わせて、相手との温度感を常に感じていたいので、私は。

緊急事態宣言が解除された時に遊びに来てる人の傾向に「自分を語りたがる」人が増えて来たように私は感じます。
 在宅勤務などで人と話す機会が減った、リモートで直接人と話す機会が減ったなどが原因かと思いますが、それ以上にこのコロナ禍で自分の生き方などを見つめ直す人が増えているのかな?と思います。

みんな精神的に疲弊してますしね、そこを私なりの母性で包んであげたいななんてここ最近は思う様になりました(私も大人になったもんだ!)
 まあ、私もそこそこ年齢重ねていますのでイケイケなのも疲れちゃうので(笑)

お互いの人生や趣味の事、好きな食べ物や、お気に入りの音楽の話しなどしながら、ゆっくり時間かけて、気が向くとプレイが始まっている…なんていうのが理想ですね。

ゆっくり、ゆっくり、深く、深く…
その人の事を理解してお互いが心から歩み寄る。

一人の変態ってよりも、一人の男性、一人の人間として接して行きたいな…なんてここ最近は思っております(私も成長したなー(笑)!!!)


③なにか一言あればお願いします。

大谷ひろみ:
この世界に興味はあるけどまだ踏み込めないでいる人、まだまだ沢山いると思います。

勇気を出していらっしゃい。

「あの時しとけばよかった…」なんて後悔している暇なんかないよ!

この世界は貴方にとってとても優しい世界なのですから。




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今回のフェティシストさん

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●大谷ひろみ 

子供の頃は母親が好きだった時代劇の拷問シーンや特撮物でヒーローが囚われて拘束されるシーンを見てトラウマに。
 幼稚園では同じクラスの男の子に命令してパンツ脱いで下半身を見せる様に命令したりして遊ぶなどしていた。

中学・高校の多感な時期にパンク、テクノ音楽を聴き始めサブカルチャーの世界にどっぷりとハマる。
その時知った沼正三の『家畜人ヤプー』、団鬼六の『花と蛇』を熟読してSM・フェティッシュに憧れを持つ。
そんな憧れが昔からあるならと、当時付き合っていたパートナーに勧められて1996年からSM業界へ。
 パートナーの仕事の関係上、海外に良く行く機会があり良く訪れていたヨーロッパでBDSM、ラバーフェティッシュの世界を知り、そこからどっぷりとハマる。
フェティッシュパーティーデビューはアムステルダムのイベント『Clinic Weekend 』。

どちらかと言うとM女(NGなしのハード系)のプレイを突き詰めていたが、ハードになればなるほどマゾが寄って来るという不思議な流れに。
最終的に「SでもMでもない、私はただの変態!」というスタンスでプレイを続ける。

ちなみに長靴に異様な拘りがあり、コレクションは70足は軽く超えるまでに。

今現在はデパートメントHでラバーブースを展開して毎月ラバリスト達の面倒を見る女将をやってます。

最近はTwitterなどでゴムの人と認識されて『電気グルーヴ』の石野卓球さんに「ラバんちゅ」と命名されたり、様々なTV・雑誌の取材などを受けたり、異業種の方々からも色々とお声掛け頂きどう進むのか疑問だらけの日々を過ごしております。



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『人はSMやボンデージに興味を持つようになると、あらゆる物事がフェティッシュでセクシャルなものとして感じられるようになる。
 ーー
ジョン・サトクリフ(Legendary Fetish designer)』


次回はSMクラブ『Myrrh』オーナー・柊一華さんです。


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