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ピュアな「好き」の奥に潜むもの

たわいもない話の奥に、話し手の大切な「価値観」が潜んでいることがある。

それに気づけると、なんか嬉しい。

「この夏は、どう過ごしてるの?」

「バイトと野球っすねー」

これは、とある大学生との会話。
彼は、野球が大好きだ。

「好きな野球選手とかいる?」

「あー、自分は選手というよりチームが好きっすね。西武ライオンズのファンなんで」


なるほど、なるほど。
『選手よりチームが好き』
ここ、”彼ならでは”のこだわりのポイントですよね。詳しく聞いてみましょう。

「西武ライオンズの魅力を教えて」

「昨年までリーグ最下位だったんすよ。でも、今年はリーグのトップ!」

「なんと!それはすごい躍進だね。強くなっていくチームが好きなの?」

「というより、自分なりの戦略と監督の戦略を比べながら見るのが楽しいっすねー」


はい、出ました。
『自分なりの戦略と監督の戦略を比べながら』
ここも、”彼ならでは”のこだわりのポイントですね。詳しく聞きましょう。

「自分の戦略を考えてるんだ?」

「それが楽しいんすよね。監督と考え方が合ってるところと、違うところと。それぞれあるなって考えながら観るのが楽しいっす」


はいはい、出ました。
『合ってるところと、違うところと。それぞれあるなって考えながら観る』
ここも、”彼ならでは”のこだわりのポイントです。詳しく聞きましょう。


「ちなみにそれって、野球以外でもやったりするの?」

「あー、やりますね。曲の歌詞の考察とか、調べるの好きです。この歌詞をこんな風に捉えたのかーって。自分と捉え方が違ったりするのを知れるのが楽しい」

「それを知れると、どんないいことがあるの?」

物の見方とか捉え方をたくさん知ってると、揉めないじゃないですか。俺、出来るだけ揉めごととか対立とか起こしたくないんですよ」


これまた、出ました!
『出来るだけ揉めごととか対立とか起こしたくない』
ここも、”彼ならでは”のこだわりのポイント。

よくよく話を聞いてみると、
高校で文化祭実行委員をしたときに、考え方のズレから対立が起きてしまって苦労した経験があったとのこと。それを繰り返さないためにも、相手の立場を理解すること・自分とは異なる考え方を取り入れることを意識しているらしい。

「揉めないチームが理想なんだ?」

「うーーーん、少しニュアンスが違いますね。みんなが意見を言ったり提案できる環境は理想で、それを否定したりするのは嫌っす。1つのことにみんなが努力して、頑張っているようなチームが良いですね。野球とかライオンズが好きな理由もそこに繋がる気がします」

ここまでの会話、ざっと10分ちょっと。
でも、かなり ”彼ならでは” のこだわりポイントが垣間見れた気がする。

・みんなで1つのことに向かって、努力するチームが理想
・チームで成果を挙げるために全員が意見・提案を言える環境が理想
・それを実現するためには、相手の立場の理解が大切
・自分の頭の中で状況を分析して戦略や考察を考えることが好き
・自分にはない物の見方、考え方を知り思考の幅を広げることが楽しい

これらは、彼の大切な判断軸に違いない。
キャリアを考えるときにも、大事にしてほしい軸。

就活やキャリアを考える中で『自分の軸が見つからない』『就活軸が定まらない』という声をよく耳にするけど、焦る必要はない。

自分の軸は、これまでの人生の中で築き上げてきたものが必ずある。だけど『仕事』や『就活』に紐づけて無理に考えようとすると、上手く出てこなかったりする。

そんなときは、彼のように、日常の中にある ”自分ならでは” のこだわりを紐解いていけばいい

あなたの『好き』の奥には、あなただけの価値観が必ず潜んでいる

まずは、自分の『好き』『夢中』『ワクワク』を洗い出してみよう。
そして、自分ならではのこだわりを言葉にしてみよう。

『野球好き』『西武ラインオンズ好き』はたくさんいるけれど、その理由は人それぞれ。

高校球児の姿に自分を重ねる人もいるし、
メジャーリーグで活躍するヒーローに憧れる人もいる。

コツコツ努力して成長を楽しむ人もいれば、
チームで勝利を分かち合うために野球を続けている人だっている。

”自分ならでは”の理由を言葉にできると、自分の軸が見えてくる。

それさえ出来れば、自分らしい軸のヒントが必ず見つかる。ぜひ、お試しあれ。

= お わ り =

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