見出し画像

勝手気ままな「詩歌」で振り返る、2020秋の日常

日常のワンシーンを切り取って、歌を詠むのが好きだ。

と言っても、俳句も短歌も習ったことはなく、素人の勝手気ままな自己満足の歌だけど。

前回の春夏に続き、今回は秋バージョンということで書いてみる。
写真と場所とそのときの気持ちが思い出せるので、「詩歌」で振り返るというスタイルは結構お気に入り。

では、初秋の記憶から振り返ってみましょう。

* * * * *

足向かう 香りの先に 金木犀

2020/10/2 @ご近所散歩にて
いい香りにつられ、お散歩していたときの一句。
こんなところに金木犀があったのか!と足を止めてパシャリ。
花言葉は「謙虚」。遠くまで甘〜く広がる香りに反して、その花はとても小さく、控えめに咲いています。
よく見ると、葉の裏に虫の姿。人も虫も、この香りに引き寄せられる。

ジャケットの 肩に滴る 秋の雨

2020/10/7 @神谷町駅近く、ランタナが咲く道にて。
二十四節気の「寒露」が近づき、秋らしい寒さが近づいていた頃の一句。
ジャケットを羽織ってのお出かけだったのを思い出す。

カラフルに 寒さ和らぐ 秋花壇

2020/10/15 @六本木ヒルズにて
毎年この時期、六本木ヒルズでは「フォーチューンベゴニア」が花壇いっぱいに広がります。
だんだんと寒くなる秋は、どこか寂しい気持ちになりがちだけど、この花のカラフルさは暖かさも感じられ、元気になる。

庭先で 揺れる秋桜 小宇宙

2020/10/21 @隣のマンションの玄関先にて
なんと!隣のマンションの玄関先にコスモスを発見。
コスモスは秋を代表する花であり、宇宙に通じる特別な花。

語源はギリシャ語のKosmos。「秩序」「宇宙」を意味する。
反対語はカオス。類義語はユニバース。

ルネサンス時代には、宇宙全体を「マクロコスモス」と呼び、
人や人の魂・心を「ミクロコスモス」と呼んだらしい。
2つのコスモスが交流・照応しているという思想。

日本では「秋桜」と書く。桜は日本の心を表す花でもあり、なんとなく、ルネサンス時代の考えに通じてる気もする。

百年の 時変わらずに 祈るのは 世の安寧と 明るい未来

2020/11/1 @明治神宮にて
明治神宮鎮座百年祭に行ったときの写真。
この日、神宮の杜では、芸術祝祭「 #切切偲偲 (せつせつしし)―応援が力になる」というアート展も開催されており、見応えのある夜間特別参拝でした。
過去から続く百年の歴史と、未来に向かうアートや文化。
その両方を感じられるのって素敵。
自分自身も、この世界の未来に少しでも貢献できるよう精進したいなあ、と改めて誓った夜。

いつの世も ひとの心に 残る色 筑波嶺の空 社の照葉

2020/11/30 @筑波山にて
父のお誕生日旅行として、家族で筑波山に出かけたときの一枚。
紅葉した葉に 陽の光が差し込むとき、葉は美しく輝きだす。この情景を「照葉 (てりは)」「照紅葉 (てりもみじ)」などと言う。

移ろう季節の1ショットに、素敵な名前がついているって本当に素敵。
こういった季語には、日本人特有の美意識が凝縮されており、後世に残したい伝統の一つ。

* * * * *

わたしが歌を詠むのは、国語の先生であり歌人であった祖母の影響。
毎回、歌を詠みながら、振り返りながら、祖母のことも思い出す。
それは、とても特別な時間である。

以上、2020秋の振り返りでした。


▼ 2020春夏の振り返りはこちら

▼ 祖母との思い出はこちら

おわり

最後まで読んでくださり、ありがとうございました☺︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?