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【姉枕】だめな姉さんが、可哀想な姉さんに見えてくる




 姉さんももう何をされるかわかっているから、自分から両手を後ろに回してきた。
 まずは姉さんの両手首を後ろ手にして、スカーフで縛った。
 ほどけないように強く結ぶと、姉さんは肩甲骨を寄せて、「あん」と可愛い声を漏らした。
 それからもう一枚のスカーフで、姉さんの目を覆った。こっちも強めに結んでおく。
「見えない?」
 姉さんの耳元に顔を寄せて囁く。
「うん……見えない。すごくドキドキする」
 これも姉さんの、いや、僕と姉さんに共通する秘密の性癖のひとつだった。
 姉さんの正面にもどり、僕は今一度、足元に座った。
 捕らわれたお姫様みたいに、姉さんは突っ立ったまま、両手を後ろ手に縛られて、目隠しもされている。
 だめな姉さんが、可哀想な姉さんに見えてきて、僕はたまらなく愛しい気持ちになるのだ。
 そして、これもお母さんが帰ってこないとわかっている夜だから、できる遊びだった。
「姉さん、少し、足を広げて」
「う、うん……」
 自分の姿も見えていないから、姉さんは気づいていないのだろう。舐めやすいように足を広げるその姿は、みっともないガリ股で、普段のしっかり者の姉さんとは思えないほど、格好わるい。格好悪いけど、すごくセクシーだった。
 僕は姉さんの太ももに手を置いて、淫臭漂う女陰に顔を埋めた。
「アアアアッ!」
 今夜はお母さんが帰ってこない。だから、姉さんもいつもより大きな嬌声を放った。
 割れ目を舌でなぞりあげると、姉さんはガリ股のまま、腰をカクカクと前後に振り出す。あぁ、なんて、いやらしい。僕は見上げながら、姉さんの半開きの唇を見つめた。潤んだ瞳が見えないぶん、わなわなと震える唇が際立ってエロチックに見えるのだ。
 びちゃびちゃと、わざと音を立てて舐めた。目隠しをされているときはとくに、音を立てたほうが、姉さんが興奮することも、長年の近親相姦から覚えたことだ。


第二章「愛鎖…………十七歳」より


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表紙デザイン……彼女、
モデル……………ちづ姉さん
撮影………………夢路歩夢
編集………………若林育実
著者………………柚木怜

出版社  匠芸社
レーベル シトラス文庫

定価 770円


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著者プロフィール

柚木怜(ゆずき・れい)

京都出身、東京在住。1976年生まれ。
23歳の頃よりフリーライターとして、週刊誌を中心に記事を執筆。30歳の時、週刊大衆にて、初の官能小説『白衣の濡れ天使』を連載開始(のちに文庫化されて『惑わせ天使』と改題)。
おもに、昭和末期を舞台にしたノスタルジックで、年上女性の母性溢れる官能小説を手がける。
また、YouTubeチャンネル「ちづ姉さんのアトリエ」にて、作品を朗読配信中。

著書

『惑わせ天使』(双葉社)
『おまつり』(一篇「恋人つなぎ」 双葉社)
『ぬくもり』(一篇「リフレイン」 双葉社)
『初体験』(一篇「制服のシンデレラ」葉山れい名義 双葉社)
『明君のお母さんと僕』(匠芸社 電子書籍)
『お向かいさんは僕の先生』(匠芸社 電子書籍)
『キウイ基地ーポルノ女優と過ごした夏』(匠芸社 電子書籍)
『邪淫の蛇 女教師・白木麗奈の失踪事件 堕天調教編』(匠芸社 電子書籍)
『邪淫の蛇 夢幻快楽編』(匠芸社 電子書籍)

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