改名します。

と、いっても字を変えるだけですが(笑)。

『満井玲衣』という名前は気に入ってる。
考えて考えて考えぬいた名前だし。
それをなぜ、変えるのか?
「字画が悪い」と言われたからです(笑)。

私は占いとかスピリチュアルが結構好きなんだけど、
この間、友だちに誘われて姓名判断をする人のところに連れていってもらった。
そこで言われたのが「『満井玲衣』という名前は確かに画数がいいけど、作家としてはちょっと弱い」と。
どうやら普通に生きる上ではいいらしい。
人の縁に恵まれ、充実した毎日を送れる。
確かにそうだ。
だが、作家としては「小さな仕事しか来ない」と。
それはとても実感しているところ。
いや、仕事に小さいも大きいもないと思っているし、ライターの仕事はめちゃ楽しい。やりたいことを書けて、いろんなところに取材にも行って勉強にもなっている。結構大きい媒体にも書かせてもらえていて、嬉しい。
しかし、脚本家として表に出せる仕事は今のところない。
水面下で動く期間が長く、ライターの仕事みたいに原稿書いて一週間後にはネットに公開されるわけじゃない。
企業の中で使われるVTRの台本とか、エンドロールに名前すら載らない企画書やプロット書きがほとんど。
それはそれで楽しいんだけど、やっぱり名前を出したいわけで。
「どんな脚本書いてるんですか?」って聞かれた時に「○○です!連ドラの」とか「●●配給の〇〇って映画です!」と、堂々と言いたいな、と思ったことも何度かある。

もちろん、自分の実力のせいでもある。
自分の実力があれば、大手からも声がかかるわけで。
名前を変えただけで変わるかは、私次第だし。
でも今年から派遣の仕事を辞め、書くこと一本でやってやる!と心に決めてから、半年以上なんとか食いつないでこれた。
だから名前を変えて、「よし!」とさらに気合を入れようと思っている。

その姓名判断の先生から言われたのが、「作家っていうのは波乱万丈な人生を送ってて、それを糧に書いている。あなたは幸せな人だからもっと苦労しなきゃダメよ」って。
私はフッと笑った。これでも10代は精神的に病んでパニック障害にもなって苦しんだし、ついこの間も婦人系の手術終えたんですけど、まだ苦労しなきゃいけないんですか!?こっちは腹切ってんすよ!?って。
あくまでその人の主観だからいいんだけど。
でも前に小説家の辻村美月さんが言ってた。
「私は普通の家庭に生まれ、普通に育って、ほかの作家さんが語るような波乱万丈な人生じゃなかった。でも普通だからこそ、‟普通の人”が書ける」
私はその言葉に救われたのを覚えている。
作家だから波乱万丈な人生を送らなきゃいけないわけじゃない。
私が敬愛する重松清さんだって、たくさんの物語の中にいるたくさんの人物を書けるのは、昔ライターとして何百人、何千人と取材してきたデータが蓄積されているから書けるんですって言ってた。
自分の人生ばかりネタにしてたらいつか尽きる。
作家はいろんな人と出会って話をし、いろんな想いに共感することが重要だ。
もちろん、共感のほかに自分がどんなふうに思ったのかも大切。
私はそういう方が合ってるな。

字を変えるだけだけど、ちょっとドキドキしてる。
まだ見えない未来を少しでも光るものにできるように、変えるまでの現在はやれることを精いっぱいやろう。



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