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夏になるとやんちゃな子になりたかったと思い出す

夕暮れ蝉の音が聞こえるとワクワクする。今日も「部活の夜練ある」って嘘をつく。そうすると出かけられる。本当はいけない。「ママ、弁当はいらない」と声をかけお小遣いでこっそり買ったキラキラのヒールの高いサンダルを履いて行く。「何処で買ったのそんな靴」って言われたけど「夏休みだからいいでしょ」と言う。

キラキラしたヒールの高いサンダル、メイク、眉カット。そう。何か少女漫画感。私は実際にやっていたがやんちゃをしていた訳ではない。キラキラしたヒールの高いサンダルでよく図書館に行く。メイクは主にバイト用、遊びは祭り、カラオケで歌うのはアニソン。周囲にやんちゃな子がいる訳ではない。幻想の夏。

何処にいた?少しやんちゃな子。勉強も出来、夜遊びもよくする。そう。私の憧れ。「勉強は出来ないとダサい。だからいい点採る」格好良い。格好良い不良。そう。知らない、いない。

私の住む所は田舎で出先もない。そう。ダサい。わざわざお洒落し何処かに集り制服を弄る。近所?確かにダサい。制服は恥ずい。私服を着ると私は年齢不詳感。お洒落なお店に入るのはタダ。大きな駅まで行き歩けば三越伊勢丹。格好良い建物だって沢山。目的もなく歩くのは楽しい。街でやんちゃする必要はない。近所の大公園はわざわざ行く必要ない。夜は酔っぱらいが煩い。

歩き疲れて入った薄暗いバーで私は「コインロッカー・ベイビーズ/山田悠介」を読む。村上春樹より村上龍の方が性描写が面白い。過激な描写を言うのも恥ずかしい年齢。

勿論1人でバーなんて入らない。親も一緒。飲み物はジュース。夕飯を食べる。自分に酔う感。そう。夏日、本物の記憶。私は引き出しがない。思春期話をするといい話。結果別に何があった訳でもない。以降の私について特筆する所はない。つまらない。

何時の間にか夏が凄く大好き。やはりコントラストが強い。いい。夜も楽しい。今夜も楽しい夜のハズ。自分を好きになる。そう。記憶を重ねることは不可能。ただつまらない一夜として終わる。明日汗ばんで目覚めて失望する。こういう子になる。

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