大人になること

年齢を重ねるとは人生の階段を1つ上るイメージ。1年に1度誕生日を迎える度、階段を1つ上り大人になる。好きでも嫌でも絶対に1つ、また1つ。18歳を過ぎた頃、階段を上ることが嫌に。誕生日を迎え両親、恋人、友達にお祝いして貰うのはとても嬉しい。自分の更新された年齢を感じ不思議に思う。もう20歳、23歳、25歳。生きる年数は大人になのに自分が思い描く大人の想像に自分が追いついていない。JSの時無邪気に書いたプロフ帳の「結婚したい年齢：〇歳」はあっという間に通り過ぎてしまう。未だあの頃思い描いていた大人には全然なっておらず今の所なれる予定も無。

最近大人も。いい。思うようになる。1週間程前、友達の誕生会を開催。参加者は私、もう1人の友人。3人のみで行う囁かな会。所謂アラサーになる彼。自分が歳を重ねることに全く動じておらず私達からの贈物を無邪気に開きこれから始まる1年にウキウキ。祝い、みんなの近況報告を1通り話し終えた後、私は彼に尋ねた。楽しい会に水を刺さないよう恐る恐る。「何故そんな誕生日を楽しめるの？」「え？」「年々歳のみ取って中身は小さい頃と変わらない」「嫌？」「嫌じゃない。小さい頃思ってた大人と大分今が違っててもっとしっかりしないと」「何それ。俺は年々楽しくなる」「え？」「確かに税金、仕事？責任も重くなる。しっかりしないといけない。大人は自分で決められる？明日のご飯も何をするかも全部自分で決められる」

彼のその言葉にハッとした。大人の特権は自分で決められること。結果がどうであれ全部自己責任。親、先生のせいにももう不可能な代わり今日の夜ご飯、家、婚約者も自分で決められる。一見辛く見え、実際も辛い。私は大人を生きることが楽しみ。自分の人生をようやく自分の足で歩ける充実感があるから。私は私を大人にするのが楽しくて仕方ない。どんどん広がる自由、伴う責任。正解、道しるべもないぼんやりとしか見えない自分の将来に向かって泣きながら笑ってひたすら進む。まだ途上。不安もある。今まで自分で選んで進んだ結果は誰にも負けない自信になる。大人って悪くない。