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透析患者のリハビリテーション

relief OTです。
今回の記事では、透析患者のリハビリテーションについてお伝えしていきます。

なぜ、このような内容を発信しようと思ったかというと、訪問看護・訪問リハビリ領域において、対象とする場合があります。

しかし、私自身もそうでしたが、多くの療法士は透析患者様と関わる機会が少なく、病態などを把握していないことが多い。

そのように感じたので記事にまとめていきたいと思います。

・透析って何?
・透析はなぜ行うの?
・透析の方法は?
・透析患者へどのようなリハビリを提供するとよいの?
・訪問リハビリで透析患者へ提供するリハビリとは?

と疑問をお持ちの方にオススメの内容となっているかと思います。
少しでも、透析患者様と関わっている方の参考になればと嬉しいです。

1.人工透析がなぜ必要になる?

最初に何故皆さんの目の前にいる方が、人工透析が必要となったのか?
を知って頂きたいと思います。

人工透析が必要となった背景を把握すると…
リスク管理、生活指導、リハビリの内容など
を設定しやすくなります。

腎臓の働きがなんらかの原因で悪化し、腎機能が低下し、慢性腎臓病(CKD)となると人工透析が必要となります。

そして、腎機能が低下し、人工透析が必要となる理由は大きく3つと言われています。

糖尿病:糖尿病になり高血糖状態が長引くと、腎臓にある尿をろ過する糸球体が損傷し、腎臓の機能が低下します。糖尿病が起因となり糖尿病性腎症で透析を開始する症例が透析患者のうち約39%といわれています。つまり、透析患者の多くの方は糖尿病を患っている場合が非常に多いということになります。

慢性腎炎:糸球体に慢性的な炎症が生じる疾患です。腎臓に約100万個ある糸球体は血液をろ過し、老廃物を除去するのに重要な役割を担います。その糸球体が炎症し腎機能が低下すると、たんぱく尿や血尿などの症状が1年以上にわたって持続します。

高血圧:高血圧状態が長引くと、動脈硬化の危険性が高まります。腎臓は多くの細い動脈から血液供給されており、動脈硬化が生じると血液供給が不足し、腎臓の機能が低下します。

わが国の慢性透析療法の現況 透析会誌54(12):611~657,2021を基に作成

このような病態から療法士として人工透析患者と関わる上で…
糖尿病や高血圧に対して内服管理や運動、食事指導などを状況に応じて提供する必要がある
ということが考えられるようになるかと思います。

2.人工透析は2種類ある

2021年の調査によると慢性透析療法を受けている患者総数は約349,700人といわれている。

約349,700人の方がどのような透析治療を受けているかというと、大きく二つに分類されます。

【人工透析の種類】
・血液透析(HD)
・腹膜透析(PD)

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