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ボードゲームの説明書を読むための初級ドイツ語③ダイス編

なんとか第3回を迎えることができました。「ボードゲームのルールブックを読むための初級ドイツ語③ダイス編」を書いていこうと思います。
前回の記事はこちら。


企画説明は第一回の記事をご覧ください。


ちなみに文法ガチ勢ではありません。
間違いの指摘、意見の相違などありましたら是非お伝えください!!

今回も【】内はドイツ語、〈〉内は対応する英語、「」内は対応する日本語。そして、その下に日本語で解説をつけます。
※ドイツ語を勉強したい方のために分かる限りの定冠詞(der, die, das)もつけておきます。

ゲームによっては特定の名詞や動詞が区別されます。日本語でも「消費する/使用する」「捨てる/廃棄する」など役割が明確に違うゲームがありますね。
この記事では一般的に対応していそうな単語を名詞、形容詞、動詞の順に書こうと思います。

【Der Würfel, Die Würfel】
→【würfeln】【rollen】/【werfen】
〈die, dice〉
→〈roll〉/〈throw〉
「サイコロ、ダイス」
→「振る」/「投げる」

【werfen】が「投げる」
【Wurf】が「投げること、ダイス目」
並べると「投げる」という動作から変化したことが分かりますね。

これは疑問なんですが、日本語で「投げる」を使いますかね?
「賽は投げられた」というユリウスカエサルの名言が有名すぎて日常では使わない気がします……。

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※手持ちのドイツ語版付きダイスゲームを探したところ、特殊ダイスしか見つからなかった……。


~振り直しについて~

「リロール」「振り直す」
〈reroll〉

これらに対応する単語は見つけられませんでした。見つけた使用例は以下の通り。

【erneut zu werfen】
【erneut rollen】

【neu】が「新しい」で【erneut】が「新たな」なので、直訳としては「新たに振る」です。

【Dabei darf man „passende“ Würfel zur Seite legen und mit den verbleibenden weiter würfeln

〈the player can save any dice they want and re-roll the other dice

「好きなものを選んで振り直すことができる」

これはWikipediaのヤッツィーというゲームの言い回し。ここでは「更に先へ」という意味のある【weiter】を使っています。このように「振り直す」には様々な言い方があります……。


【nehmen】
〈take〉
「取る」

ちなみに3人称単数では【nimmt】という変化になり、[ニムト]と発音します。ボードゲーマーが知っている確率の高い動詞ですね。

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【Ich nehme ~】【er/sie nimmt ~】
「私は~取る」「彼/彼女は~取る」

ルールブックを読むだけであれば、基本形(文法的には不定形)と3人称単数の変化を覚えておくといいですよ。命令形も基本形から派生して分かるし。

※正確にはこの【6nimmt!】は「6枚取れ!」という意味の命令形です。ずいぶん後に習うし、やや複雑なので使いこなせていません。ちなみに【!】の有無で見分けられます。


【halten】
〈keep〉
「保つ」

1つのダイス目を保持して持ち越す時などに使います。上のヤッツィーの例では【zur Seite legen】=「脇に置く」と表現されています。

{余談ですが、英語の〈halt〉は「停止する」という意味で、【halten】とはまったく違う意味です。
ドイツ語と英語には似た単語が多いと思いますが、名詞の方が似ている印象。よく使う動詞ほど変化しているんでしょうね。}
※2021/07/07追記
→ コメントを頂き、調べ直しました。ありがとうございます。
【halten】の自動詞(後ろに名詞がつかないもの)には「止まる・停車する」などの意味がありました。全く同じ意味でした……勉強不足です。

【hinzufügen】
〈add〉
「付け加える」

【hinzufügen】は「添付する」という意味でも使われます。
【hin】は「自分のいる地点から離れる方向」
【zu】は「矢印」
を意味して単語の頭にくっつきます(文法的には接頭語と呼びます)
【hinzu】で「自分のいる地点から離れる方向の矢印」という意味で【fügen】が「加える」なので「付け加える」です。めちゃくちゃ直感的!!

パーツごとに分解すると(どこで分解できるか解るようになると)知らない単語もなんとなく分かる。楽しくなりますね

ゲームの中では、すでに出来ている「役/かたまり」に対してなど、後から何かを追加する時に使います。ダイスゲームよりもカードゲームの方が使う機会が多いかも?


今回はダイス編としましたが、カード編に出てきた動詞を使うことも多いです。この分け方が分かりやすいのかどうか……。

そして文字が多くなってしまったので次は軽くしたいですね。


※追記 次の記事


執筆:レグルス
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所属団体:アニマルウィップ
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