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スマホ脳

スマホ脳 アンデシュ・ハンセン

出版社 ‏ : ‎ 新潮社

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。

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頻繁にスマホを使う人(「ヘビーユーザー」)の共通点は、怒りっぽく、攻撃的なほどの積極性に富み、活動的な性格の傾向があり、自尊心は低いが競争心が強く、自分を強いストレスにさらしている人たちだった。


スマホを使う悪影響

精神病になりやすくなる (多いのは強い不安とうつ)(若い女性に多い)・人と一緒にいるのがつまらなくなる・上達に時間がかかるようなことができなくなる・依存性が高い


SNS利用

・SNS依存(時間を奪う):SNSに費やす時間は、広告が売れるから企業にとって黄金の価値を持つ。彼らの目的は、私たちからできるだけたくさんの時間を奪うこと。そのように作られている。

・精神的不調:SNSを熱心に利用している人たちのほうが孤独を感じている。

・自信喪失:SNSを通じて常に周りと比較することが、自信を無くさせている。

・共感力の欠乏:今のデジタルライフは、心の理論がまだ未完成の10代の若者たちの共感力を弱めてしまう。特に共感的配慮(辛い状況の人に共感できる能力)と対人関係における感受性(別の人間の価値観にのっとり、その人の視点で世の中を見る能力)2種類の能力が悪化している。


ドーパミンシステムの活動は生きている間に減少していき、10年で約1割減ると言われている。若い時ほど興奮を感じることはなく、リスクを冒すこともなくなる。ドーパミンがいちばん活発なのはティーンエイジャーの頃で、生きている実感や多幸感に酔いしれることもあるが同時に、途方もない悲観に暮れることもある。衝動を制御する能力が完全に成熟してない上に、激しい興奮を感じる時期と重なり、若者は危険を冒すことができる。そして、若者のほうが依存症になるリスクが高い。


フェイスブック元副社長チャマス・パリハピティアはあるインタビューで「SNSが人々に与えた影響を悔いている」と発言した。「私たちが作り出したのは、短期的なドーパミンを原動力にした、永遠に続くフィードバックのループだ。それが既存社会機能を壊してしまった」フェイスブックで初代CEOを務めたショーン・パーカーも同社が人間の心の脆弱性を利用したと名言している。彼もまた、こう言わずにはいられなかった。「子供の脳への影響は神のみぞ知る」


世界と接し、相手を批評し、目の前の情報を精査するためには、ある程度の知識が必要だ。

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今や生活に欠かせないスマホ。

もちろん、スマホは便利だし情報もたくさんあって、生活必需品だけど、この本を読んで知ったのは、スマホはまさに ”麻薬”だということ。

研究の結果や兆候、人間の本能からの視点、さらにはスマホがどうやって開発されたのかを知り、中毒性があるメカニズムが分かった。スマホは依存するように作られてあり、人々の時間を奪う。人が時間を費やすことでお金になるから。(恐ろしい!)

その結果、人は思考力や共感性の低下、睡眠不足、精神的不調、自信喪失につながっている。

開発した人たちが、人間の心の脆弱性を利用した。社会機能を壊してしまったと後悔するほど人間に影響を与えているということ。最初は便利と開発したものが、思わぬ方向に向かってしまったんだろうけど、この負のループから抜け出すためには自分で意思を持ち、コントロールするしかない。賢く使っていくということが大切だと思いました。

『スマホ脳』でスマホの恐ろしさを知り、『時間術大全』で通知オフにするという選択肢を知り、私はスマホの通知ほぼオフにしています。

スマホはもちろん便利だし、むしろスマホが発達したおかげで荷物が手軽になったのもあるし、生活にプラスをもたらしてくれたものもたくさんあるけど、スマホに振り回されず、賢く使っていこうと決めた本でした。


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