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教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第8章 王国時代前期の文化②

3.季節の行事

【解説】
 前回に引き続き、朝鮮の漂流民の記録をもとにしているということだが、仲原の筆の運びにまとまりがないので、整理に苦労した。季節の行事は中身が薄いし分量も少ない。もう少し伝統行事に触れてもよかったのではないかと思う。

【本文】
 元旦には注連縄(しめなわ)を門の上にかけ、木を割った束の上に砂をもり、餅を飾り、松の木を挿しました。人々はお酒を飲んで楽しみました。
 首里では、7月15日には、寺にお参りし、亡くなった親の名札を机上に置いて、米をお供えし、お経をよんでもらって礼拝しました。その夜は寺ごとに飾り物を作り、若い男たちは王宮の庭に行き、仮面をつけ、笛や鼓(つづみ)を使って様々な芸を披露しました。国王も姿を現して鑑賞するので、老若男女の見物人が道をうずめるほどのにぎわいだったといいます。

【原文】
 元旦にはしめなわを門の上にかけ、木をわったたばの上に砂をもり、もちをかざり、松の木をさす。その日は酒をのんでたのしむ。
 七月十五日、寺にまいり死んだおやの名札を机上におき、米をあげお経をよんでもらい礼拝する。(首里で)
 その夜は寺々でかざりものを作り若い男たちがかめんをかぶり笛・つゞみで王宮の庭に行っていろいろの芸をやる。国王も出て見るので男女老幼の見物人が道をうずめるにぎわいである。(首里で)
 

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