マガジンのカバー画像

TANKA

70
現代短歌。過去や現在や未来のことを文字にする。漫然とだらだら書きたくなかったので、「素材:キャンバスにアクリル絵具」のような括りを文字の表現にも設けたいと思った。
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

現代短歌 《汚れたスニーカー》

現代短歌 《汚れたスニーカー》

その海は誰の涙でできている確かめる前に両足を浸す

ひび割れたグラスにうつるその女(ひと)は時が経つほど美しく光る

溺れても大丈夫ですその波はあなたの心奪えやしない

いつだって優しい言葉をくれるのは傷付けたくないからそれとも

花びらが散る頃にもまだ降り注ぐ紙吹雪のよう気まぐれな言葉

唾を吐き馬鹿野郎などと叫ぶならアスファルトになれ雑草になれ

オーロラに光る眼鏡をかけてみてどうだいこの世も

もっとみる