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アジャイルコーチ第一人者がリーダーシップのあり方を解説した書籍「アジャイルリーダーシップ」を読了した

今月から読み始めたアジャイルリーダーシップを読み終えた。
アジャイルの本はたくさん読んでるのだけど、それぞれの本でフォーカスしている部分は異なってくる。この本は実践的な書籍になっている。

アジャイルリーダーシップ

著者自身の経験からなる組織全体のアジャイルに変えるためには、リーダーはどのようなことをしていけば良いかを実践を交えて解説している本だった。

自己組織化はいろいろな書籍でも書いているし、この本でも同様な部分はたくさんあった。

1章から順に読んでいったけども、この本自体は章ごとに気になるところ・今悩んでいることを再読できるような構成になっている。

二部構成の書籍になります。

  • 第一部:アジャイルリーダー - 隠れたリーダーシップを解き放とう

  • 第二部:アジャイル組織のさまざまな側面

リーダーシップは心のありよう:アジャイルとは何か。

第二章は、アジャイルとは何かというところから始まってる。
なぜアジャイルではなければならないのか。なぜアジャイルリーダーが必要なのか。
プロジェクトマネージャーとリーダーの違いについても書かれている。

アジャイルとは?
アジャイルは、マインドセットであり、哲学であり、これまでとは違う仕事のやり方です。
あなたの考え方やタスク、チームメイト、そして仕事全般に対するアプローチの仕方に変化をもたらします。

そもそもアジャイルと言われてたら、手法のほうが目が生きがちのような気がする。スクラムとかXPなど。

アジャイルはマインドセットのことなんだと改めて認識した。
柔軟性があるから人によって捉え方が異なってくるような気がする。
重要なのは、透明性・自律性やチームのコラボレーションしていき、頻繁に価値を提供し続けることができる。

アジャイルの透明性とは?
アジャイルにおける透明性は、開発プロセスに関連する情報が透明であることを意味する。
作業者と受け取る人の双方が見えてる状態を指す。

アジャイルとは適応性
自分は、この適応性についてメモしてた。
ソフトウェアの開発現場で生まれたものだが、想像しうるあらゆる場面で広く適用できるということだ。
個々の考えやチームコラボレーションといった マインドセットからなるものだから開発現場にとどまらないのだろう。
別の業種でもアジャイルはやっていけるということかなと思う。

リーダーとマネージャーの違いは何か

誰もがリーダーになれます。自分自身で決めるだけです。

リーダーシップを取るのは必ずしも役職がついているからではない。
組織に所属していたら、どんな立場でも誰もがリーダーになれる。
手をあげる・発言し始める。自分のマインドセットや考え方を他者へ伝える所がリーダーの第一歩だと思った。

問題をつけて課題化して、方針を決める伝える。
これを一貫していけば、その分野でのリーダーになっていくのだろうと感じた。

アジャイル組織では組織階層は重要ではなくなる。
マネジメントよりもリーダーシップが重要視されるようになる。
役職や肩書・マネージャーがリーダーシップをとっていくのではなく専門性・課題・取り組みを音頭を取る人がチームにとってもっとも重要になってくる。
過去にPMが駄目だからとかうまく機能しないのでは?と思ったことがあったけど、そうではない。チームにおいて機能させるには自分自身やメンバーが音頭を取っていくことがアジャイル開発にとって重要と学んだ。

リーダーシップとは、役職ではなく心のありようです

この言葉よかった。見えてるものばかりを問題になりがちになるところ。
組織においてそこではないし、リーダーシップをとっていくことは 役職や職種でイコールにならない。
リーダーとしての心のありようを見直す必要があると感じた。

VUCAの世界
未来を読めることはできない。次にくるものがわからないという事実を受け入れるしかない。
今怒ってる変化は、次の世代に引き受けるものではない。考え方とかはありえるが、手法ややり方は常に変化するものだ。
今の時代で、バブルの時代と同じやり方で仕事を行うことはできない。
本文に出てきたVUCAの世界の話。

VUCAとは?

変動性(volatilty)・不確実性(uncer-tainy)・複雑性(complexity)・曖昧性(am-biguity)の4つの頭文字からなってる言葉のこと。
この世界は予測不可能ということだ。常に変化への適応能力・対応力が求められる世界。

アジャイルリーダーになることがなぜ重要なのか

組織においてアジャイルリーダーは必要な存在。
アジャイルリーダーは変化していく存在であり、その流れで組織全体の変化していき成功へ導けるということ。

まずはリーダー自身が変化していくことが重要で、その流れで組織も変わっていける。アジャイルリーダーの存在一つで経営自体にも変化をもたらせると思う。

アジャイルリーダーは、権力ではなく影響力を活用する必要がある。


組織の進化

この章では、組織の歴史を踏まえた進化の流れが書かれた章でした。

  • 組織 1.0:従来型

  • 組織 2.0:知識型

  • 組織 3.0:アジャイル

従来型
従来型とは、1970年代の組織構造はピラミッド型が主流でした。
企業が大きれば大きいほどに権力や階層が深くなっている。
ピラミッド型は今でも存在するものだし、それ自体が問題ではない。
当時はインターネットや1個人が発信するには難しい世の中だったから予測可能だったと言える。

問題に対して、適切なプロセスを分析して解決していくことができたがインターネットが普及・働き方・考え方など情報が早くなったことに変化に対応できない問題がでてきた。

知識型
1990年代では、知識型を重視する組織が増えてきた。
この時代からコンピュータが一般家庭でも利用できる時代になったことから絶えず変化する時代になったのかなと感じた。
そのため、組織は、専門化やプロセスの導入、組織構造で対応し始めたようだ。
マネージャー・権限委譲やキャリアパスとや詳細の報告といったプロセスなどがナレッジを貯めるような形をとるようになった。

知識型は従来型よりも柔軟性などが優れていた点である。
しかし、2.0ではマネージャーが権力がある時代だったこともあり、ワークフローとしては成立しているものの、新たな問題が起きるたびにマネージャーや上司が必要になるためスピード感が足りなくなる場面が出てくる。
人に依存していることが上がれるのだろうと感じた。

アジャイル
組織1.0と2.0は、予測可能な問題を対処するための目的だった。
そこで3.0で登場したのがアジャイルだった。
アジャイルは柔軟性や高い適応力を備えた組織設計の形。

アジャイルの組織では何をすべてきかの定義はない。
フレームワークやプラクティスの話ではないということだ。

アジャイルは、VUCAの課題に立ち向かい、アジャイルの価値基準を組織全体に広げていく活動のようだ。

個人的には、アジャイルは人との関係やネットワークだと思ってる。
そこにはチームがあるし、いろいろな人のマインドを持った人たちがいる。
そのチームの自己組織化できることが求められてくる。
アジャイルの基本的な考えやマインドを揃えるためには、組織ごとに定義をきちんと残して人の入れ替わりでもマインドをきちんと共有できることが大切だと感じた。

アジャイルリーダー

第四章では、アジャイルリーダーについて書かれている。

アジャイルリーダーは、ツール・手法・方法論のことではなく夢だったり情熱から始まるもの。
何を目指すのか。そこが重要になってくる。
現状を把握して受け入れて、そこからアクションを起こし続ける。
そのためにはチームのちからは必要不可欠で、コラボレーションするためのコミュニケーション能力を上げていく必要がある。
また、他者へのきづきをきちんと伝えるためのコーチングも必要になる。
1on1では深い部分に入れないのは、コーチング力が必要なんだと感じた。
気づきを与えれるような立場になれるためにこの仕事においてのコーチングが必要だなと感じた。

  • インスピレーション

  • 人を育てる

  • 道のり

このマインドがリーダーにとっての基礎になってくる。

サーバントリーダー

よくアジャイル系やチーム開発で出てくるサーバントリーダーとはなんのかを理解できた。
1970年にRobert K Greenleaf が提唱した用語。

50年くらい前の言葉だが、再びアジャイルの世界で脚光を浴び始めた。

スクラムマスターに必要とされるコミュニテイと共感力において注目が浴びてきた。

サーバントは「仕える」もの、召使のような捉えられるが、これは間違いで、文字通りの意味ではない。

全体的な哲学的に使われる。サーバントリーダーは権力を共有して、組織の上下を重視しない。
他人の成長を助けて、ビジョンを持って、タスクを短期的な目標にはとどまらない。
聞き上手(傾聴)・共感力(人間味)・自分の能力の限界を認識し、良好な人間関係と文化に注目する。
説得力やコミュニテイを作り、多様性を受け入れるリーダーであること。

これによって、組織はフラットは構造を実現できる。ただ役職がないとかそういう構造ではなく文化的にフラットになっていくということだと認識した。本書ではシナリオ的なのも書かれていた。(P44)

ここで出てくるのが、自己組織化で成り立つということ。

リーダーとリーダー

リーダーシップにおけるメンタルモデルは、「Turn the Ship Around」の中で述べてるリーダーとリーダーである。

まだ読めていないけど、以下の本も同じことが書かれているような気がする。リーダーとリーダーを深堀りするために読んでおく。

リーダーシップは、主導権を握るというよりも主導権を与えることであるべきです。また、フォロワーを鍛えるというよりもリーダーを生み出すことであるべきです。

Turn the Ship Around Marquet引用

ここでのフォロワーとは、リーダーに導かれあとからついてく者を指す。
フォロワーを鍛えるというよりもリーダーを生み出すようにしていくことが必要とされる。
常にこの感覚で部下やメンバーをコーチングできるようになっていく必要があると感じた。

リーダーシップ・アジリティ - エキスパートからカタリストへ

アジリティとは、敏捷性(びんしょうせい)や機敏性(きびんせい)、減速や方向転換といった部分を正確に行える能力のことを指す。
リーダーシップ・アジリティとは、変化に対して正確に行い導くリーダーと解釈した。

エキスパートは、上司や専門性をもった人のこと。マネージャークラスは専門性レベルには達している。
ここでは、エキスパートからカタリストへなっていくということだ。
カタリストになっていくためには段階がある。

  1. エキスパート

  2. アチーバー

  3. カタリスト

という具合の段階がある。
アチーバーとは、向上心が強く新しいものへの関心度が高い人を指す。
また、保守的な側面も持っているということ

エンジニアでは、シニアとかレベルになるのかなと感じた。
SNSで新しい技術トレンドを深堀りしたり、新しいプログラムなどを検証したりするひともこのあたりに属しているのだろうと思う。

最後にカタリストは、人の行動や意識の向上を促進したり、周りに影響を与える人のこと。
ワンピース(漫画)の世界で、覚醒は他に影響を与えるみたいなラインだと解釈している。
自分の行動(繰り返すこと)によって他者に影響してもらえるようなラインまで、キャリアを高める必要がある。

傾聴

どのリーダーのビジネス書でも、傾聴とは話題になっているがアジャイルリーダーでも傾聴は重要視されている。
高い自己認識力と自分を取り巻くシステム全体に対する認識力が必要で、その中でも傾聴のスキルは不可欠。

傾聴はただ話を聞くだけではなく、話を聴き考え自己との比較をしながら相手の求めてるものを理解して導くことがセットになってると感じた。

アジャイルリーダーシップモデルは3つのステップがある

  1. 気づく

  2. 受け入れる

  3. アクションを取る

自分が中々できてないのが受け入れる部分かもしれない。
いちゃもんをつけたがる癖が昔からあったりする。ここをきちんと一度は受け入れる心の広さが大切だと感じた。
受け入れて、次のアクションを考えて行動したい。

コンピテンシー

アジャイルリーダーには4つのコアコンピテンシーが備えている。
コンピテンシーとは、高いパフォーマンスを発揮する人物に共通する行動特性のことを指す。
英語では能力・資格・適正という意味になる。

アジャイルリーダーでは、ビジョンを描く・モチベーションを高める・フィードバックを得る・変化を起こすが挙げれる。

ほかにも補助的な意味で、意思決定・コラボーレーション・ファシリテーション・コーチングも必要になる。

コンピテンシーの章では、必要なスキルについて深堀りしているため、時折読んでおくと自己成長につながると思った。

ファシリテーション

この章で、あがってたファシリテーションで以下が頭に残った。
誰もがファシリテーターとして機能するようにする。
チームのだれかがやるという考えではだめで、チームにとって前のめりになるような環境を作るためには、全員がファシリテーターとして動けるチームにならなければならない。

アジャイルな組織をつくる

アジャイル的なやり方を身につけて新しいリーダーシップスタイルを取り入れたら、組織も同じ価値基準になることが必要になる。
決まったフレームワークはない。文化・プロジェクトといった部分に実験を繰り返し形をつくっていくことで、その組織を形成されているのだろうと思った。

アジャイルな組織は水平線上の星のようなもので、消してそこたどり着くことはできませんが、一歩一歩近づいていくことはできます。

良い言葉と感じた。たしかに答えがないのが組織論であるが目標・ビジョンがあってそこに向かっていく。そのためのアジャイルな組織を作るために一歩ずつ実験やトライアンドエラーを繰り返していくしかない。

同じ形の組織はない。それぞれのビジョンに向かってそれぞれの形(やり方)に形状を変えていく必要がある。

まとめ

アジャイルリーダーの本は、章ごと読み込める本だった。
組織や採用といった部分にも深堀りしている。
最近、エンジニア組織論などを勉強していくと、必ずぶつかるのが採用や人事という面かなと思う。
ただ組織を作るというだけではなく、採用や人事という面でもアジャイルの考えやマインドは広がっていくのを知った。
今から採用についてやっていくではなく、まずはどんなことにも基礎をしっかりを作る基盤が重要だと私は感じた。
文化が不安定では、どんな人事や採用もうまくいかない。

この本は、変化に適応するためのノウハウが多く詰まってるので最初から読むのもありですが、それぞれ悩んでたら悩んでる部分や忘れたことなど深堀りする使い方でも良いかと思いました。


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