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災害に対する基礎知識「マグニチュードと震度の違いは?」

昨年末、巨大地震対策講演会を視聴しながら、あらためて災害の基礎知識が不足しているなあと思い至りました。掲題の「マグニチュードと震度の違いは?」も明確に答えられない・・・。ニュースを見ながら「M〇.〇、震度〇かぁ、結構揺れたな。」とか「前回より揺れが強かった。」とかの次元でしかありませんでした。
そこで災害の基礎知識編として、今回は「マグニチュードと震度の違い」について、振り返っていきたいと思います。

「マグニチュード」とは、地震そのものの大きさ(規模)を表すものさしです。一方「震度」は、ある大きさの地震が起きた時のわたしたちが生活している場所での揺れの強さのことを表します。

マグニチュードとエネルギー


マグニチュード(以下「M」と記載します。)は、地震のエネルギーを表す単位です。Mが1増えると、地震のエネルギーは約32倍になります。2増えれば、32倍の32倍ですから約1000倍になります。
つまり、M8の巨大地震(1923年の関東大震災を引き起こした関東地震はM7.9)のエネルギーは、M6の中規模地震の約1000回分に相当することになります。
マグニチュードの目安
マグニチュードと一般的に呼ばれる地震の規模とは、次のような関係になっています。
マグニチュードの目安
マグニチュード 呼び名
(8以上) (巨大地震)
7~     大地震
5~7  中地震
3~5  小地震
1~3  微小地震
1未満  極微小地震

震度


日本では、揺れの度合いを10階級に分けた「気象庁震度階級」というものが使われています。1996年の階級数の改正までは、震度は8階級で、体感や建物の倒壊率など、測定者によって誤差が生じそうな方法で震度を決めていました。
しかし、改正後は震度計で測った地震の加速度などから客観的に決められるようになりました。
震度について
震度0  人は揺れを感じない。
震度1  屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
震度2  屋内にいる人の多くが揺れを感じる。
     つり下がっている電灯などがわずかに揺れる。
震度3  屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。
     棚にある食器類が音を立てることがある。
震度4  眠っている人のほとんどが目を覚ます。
     不安定な置物が倒れることもある。歩行中の人も揺れを感じる。
震度5弱 多くの人が、身の安全を図ろうとし、一部の人は行動に支障を感じる。    
      食器や本が落ちたり、家具が移動することがある。
震度5強 非常な恐怖を感じる。多くの人が行動に支障を感じる。
     食器や本の多くが落ち、タンスなどの重い家具が倒れることがある。
震度6弱 立っていることが困難になる。開かなくなるドアが多い。
     固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。
震度6強 這わないと動くことができない。戸が外れて飛ぶことがある。
     固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。
震度7  揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。
     大きな地割れや地滑り、山崩れが発生する。

震度とマグニチュードの違い


ここまでの説明で震度とマグニチュードの違いをまとめると、次のようにいうことができます。
ある地震が起きたとき、地震そのものの大きさを表すのがマグニチュードで、その地震の揺れが各地に伝わったときの揺れの大きさを表すものが震度です。
マグニチュードはひとつしかありませんが、震度は地域ごとに変わります。
また、地震が発生した際の震度は、震源地からの距離などで変わってくるため場所に異なりますが、マグニチュードは地震そのものの大きさであるため変わりません。

震度とマグニチュードの関係性


最後に、震度とマグニチュードの関係性について押さえておきましょう。実はマグニチュードの大きさと震度は、関係があるようで関係ないともいえます。
どういうことかというと、例えば、巨大地震レベルといわれるマグニチュード8の地震が起こった場合で考えてみましょう。震源地に近い地域は激しく揺れますが、震源地から離れれば離れるほど揺れを感じることは少なくなります。
日本で遠く離れた海外で大きな地震が起きたとき、被害の状況をテレビで目の当たりにすることがあります。しかし、どれほど大きな地震であっても、揺れが届かない日本で被害が出ることはありません。
一方で、マグニチュード5という規模としては中地震相当の地震であっても、直下型地震のように自分たちがいるすぐ下で発生すれば、激しい揺れをもたらす場合があります。激しく揺れれば、被害も甚大なものになるでしょう。
地震そのものの大きさはマグニチュードで知ることができますが、その地震による地域での揺れの大きさ、想定される被害などは、震度をもとにしないとわからないということです。
なお、マグニチュードは、ざっくりいうと世界共通の数値となっています。ただ、国によって使用する計算式などに違いがあるため、同じ地震でも若干の数値に差がでることはあります。
震度は、地盤、建物の造りや強度が国によって異なることもあり、国によって基準が異なります。先ほど説明したように、日本では震度計を使い10階級で表しますが、外国ではMM震度階という12階級で表すことが多いようです。
世界の中でも地震の発生件数が多い日本は、地震大国ともいわれています。いつ、大きな地震に見舞われるかわかりません。地震が発生すると、「震度」「マグニチュード」という両方の数値が報道されますが、正しい知識を身につけて情報を受け取り、対処できるように備えておきましょう。


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