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「進行性の難病でもやれること全て試したい。同じALSの方に諦めてほしくない」利用者様と歩む呼吸器リハビリテーションとは?

こんにちは、人財企画の原口です。
全国的に河津桜が満開を迎え、日中の暖かさを感じられるようになってきましたね(*^^*)
本格的な桜前線も北上を見せ始めたので、今から花見が楽しみです!



1.新体制から見据える、これからのリカバリーについて

3月のオールスタッフミーティングでは、先月行われた決算説明会(アワード)でも共有された内容を踏まえ、今後の方針について代表・大河原より挨拶がありました。

2月16日に役職者の方を集めてのアワードを行いました。

その中で新たな部署の設置や今後の会社としての方針を皆さんにお話しました。

リカバリーの更なる発展とサービスの品質向上について熟慮した結果、当社にとってベストな選択だと考えて決めています。

この成果を現わすには、より多くのご利用者様を受け入れられることと、従業員の皆様が働きやすい環境となることだと考えています。

引き続き皆さんにご意見を頂きながら当社の運営を継続できればと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

代表 大河原

2023年に創立10周年を迎え、2024年度からの新体制が決定しました。
これまでと違った大きな舵の取り方に驚く気持ちもありますが、「在宅生活を望む方を支えていく」ということには変わりはありません。

より良い企業として成長できるよう、私達も内側から支えていきたいと思います!

決算説明会の内容については、後日改めて取り上げさせていただきますね^^

2.「進行性の難病でもやれること全て試したい。同じALSの方に諦めてほしくない」ALSの利用者様と歩む呼吸器リハビリテーションとは?

今月の理念発表は東久留米事務所が担当でした。
東久留米事務所は今年の3月で開設2周年を迎えた、リカバリーの中でも若い事務所になります(*^^*)

穏やかで緑の多い東久留米市を今日も自転車で訪問中です!

立ち上げ当初のメンバー。今は7名が在籍しています!

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今回発表させていただく方は、私が入職してから現在まで介入しているALSの利用者様です。

O様は2015年にALSの診断を受け、2017年より訪問看護、2020年より当ステーションの看護、リハビリテーションの介入が開始しました。

O様と奥様は効果がありそうなことはなんでも試してみたいという価値観の元、ALS協会や難病学会等から色々と情報を得たり、学会に積極的に参加をされています。
O様自身としても『ALSだから出来ない』ではなく『ALSだから出来た』という思いがあり、生活環境を考え試行錯誤の中で呼吸機能の維持を強く願い、『気管切開をしたくない』という思いがありました。

そうした折に入院先の病院でLic器具によるトレーニングを受ける機会がありました。
Lic器具とは、神経難病の方に対して、肺や胸郭の柔軟性を改善するための器具です。
特徴として空気が漏れにくい設計であり、息ためを無理に行わずに肺を広げることが出来ます。

Lic器具

O様はこのトレーニングを受けた後に呼吸が楽になったと感じられたようで、リカバリーの訪問でも導入が開始となりました。
導入開始後に、Lic器具が一般的に普及されていない事実にO様がショックを受け、リカバリーを通してLic器具を普及してほしいという想いがあることも前任者から聞いていました。

O様の担当となった当初はLic器具に対する知識も経験もなく、前任者から引き継いでいる最中も「できるようになるのだろうか」という不安が強かったです。

実際の使用で1番苦労した事は、Lic器具のマスクを利用者様の顔に当てて空気を送る際に、マスクと顔の間に隙間ができて空気が漏れてしまう事でした。
空気が漏れてしまうとO様の肺にうまく空気が入らず苦しい思いをさせてしまうため、O様を不安にさせてしまう事もあります。

こうした不安を抱えた訪問だった為、私自身の表情や対応にも不安や焦りが出てしまい、O様との信頼関係を築くことにも悩んでいました。

そこで私自身の技術力だけで解決することが難しいと判断し、前任者や看護師に何度も同行訪問をしてもらい、問題点や課題の助言をいただきました。
具体的にはベッドの角度調整等の環境面やマスクの当て方等の技術面に関して教えていただきました。
教えていただいた事を毎回訪問時に実践し、自身で出来た所や次への課題を見つけ、トライ&エラーを繰り返し実施しました。

O様も出来た所をしっかり伝えてくださるので、徐々に信頼関係も改善してきています。
また、奥様も日常的にLic器具を使用しており、私と体格の近い奥様のやり方が一番自分に合っているのではないかと考え、実際の場面を動画を撮らせてもらって自分のやり方を見つける事が出来ました。

毎回の訪問終了時にO様と良かった点や改善点を話し合いを繰り返した結果、現在はご本人から「満足まではもう少しですが、合格ラインに達しています」と評価をいただいています。
この言葉をいただくまでに多くの失敗を繰り返しましたが、「もう一人のあたたかい家族」として寄り添い、関係性を体現する過程を学ぶことが出来ました。

O様への介入を通して、私自身生命に関わる呼吸機能の改善としてLic器具の可能性を感じました。

私自身、この経験を活かして周囲の協力も得ながら、他の利用者様ともより深い関係性を築いていけたらとより強く思っています。
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今回発表してくれた東久留米事務所のスタッフは昨年4月に入職した方です。
初めての訪問リハビリで病院や施設とは全く違う環境の中、自身の経験則に頼るだけでなく他のスタッフからの助言やサポートを受け入れる姿勢がO様にも伝わったのではないでしょうか(*^^*)

3.まとめ

年度末も迫り、新生活が始まる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大きな変化は人生のいい刺激にもなる一方で、強いストレスに変化することもあります。
今回のASMの代表挨拶や事例共有を通して「目標を見失わずに、自分のペースで前進していけるといいな」と改めて思いました。

【追記.】
O様のチャレンジする姿勢はLic器具でのトレーニングだけでなく、立位訓練にも挑戦されているそうです!

訪問担当者曰く、

「ベッドで寝たきりの状態ですがハーネス装具と移乗用リフトを使用し、介助で立位保持訓練を行っています。
訪問時に画像を撮り、画像評価と次回の改善点をメールで送り、イメージ通りの立位保持姿勢が取れるまで繰り返し実施しています。

外出先では旅行やスポーツ観戦等にも行かれ、日々の日記やブログを自ら作成して、O様のQOLの向上に繋がっていることが自分たちのモチベーションにも繋がっています」

とのことでした!

自分の置かれた状況を受け入れて常に前を向く姿勢を、私も見習いたいと思います。

リカバリーでは現在2024年夏に向けての採用を募集しております!
応募前の体験同行や会社説明も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください(*^^*)


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