見出し画像

お菓子による幸福と夢の世界・・・思い出の『チップスター』と、ミステリアスなCM作品を紹介したいと復刻CDにした『遠いコマーシャル』

スーパーマーケットのワゴンに沢山入っているのを見て、
何か急に懐かしく手にとってしまいました・・・
『チップスター』(ヤマザキビスケット株式会社)。

写真はコンソメ味ですが、うすしお味、のりしお味もあります。
子供時代に買ってもらっていたのは、
赤いパッケージの「うすしお味」でした。
筆者がまだ小さかった時からありましたから、相当昔からある
ポテトチップですね。
小学生の頃、土曜日に母方の「おばあちゃんち」に泊まりがけで
行くことが多く、深夜になると祖母が「お腹が空いたら食べな」と言って、筆者(当時の子供)たちに、いつもお菓子を買っておいてくれました。
その中にいつもあった一つが、この『チップスター』でした。
昭和50年代中頃の話です。

左側は、ヤマザキビスケット株式会社の『チップスター』
右側は、復刻CD『遠いコマーシャル』Unreleased Commercial Sound Source & Others

子供にとって、お菓子もまた「夢」のような存在でしたね。
別に食いしん坊な訳ではないものの、目の前に何か色々あると
嬉しかったものでした。しかもパッケージが魅力的だったりすると、
それも惹かれてしまうような・・・・(笑)

この『チップスター』は現在、ヤマザキビスケット株式会社に
なっていますけれど、何年か前まで「ヤマザキナビスコ」として
知られていました。
アメリカ・ナビスコとのライセンス契約が終了になったから
だそうですけど、ヤマザキナビスコのロゴのあるお菓子は
随分色々とあったのを覚えています。
一番多く買ってもらったのは「リッツ」という、
箱に入ったクラッカーみたいなお菓子でしょうか。

パッケージ(お菓子)を与えられての満足感と安心感、
それを食べて、味わっての幸せ・・・そして、子供時代の
お菓子全般に対する、夢のような感覚。
「お菓子屋さんをやりたい」「お菓子で出来た家が欲しい」みたいなことを言っていた子供たちも多かった気がします。
筆者は言ったことありませんが(苦笑)

ところで、アメリカのナビスコ社が、
1963年(昭和38年)初頭からアメリカ国内のテレビで流すために
作ったコマーシャル音源があるんです。

それぞれのお菓子に込められた夢の演出・・・

「オレオ」
「フィグ・ニュートンズ」
「チピッツ」
「バニラ・ウエハース」
「チョコレート・ピンウィールズ」
「アイディアル・チョコレート・ピーナッツ・バー」
「プレミアム・ソルティン」
そして「リッツ」

の各商品が、1分ほどのコマーシャル・ミュージックとして作られました。
ジャズ系の編曲者として、当時のアメリカでは著名な活躍をしていた
ラルフ・バーンズが担当しており、どれも個性的で面白い音楽なんです!
どの録音作品も、工夫を凝らした音の演出がされていて、
コマーシャル動画を観ずとも、楽しさあふれた、美味しそうなイメージの
夢(ドリーム)が、十分に伝わって来るほどです。
しかも、ラルフ・バーンズは、これら8つの商品コマーシャル作品を
「音楽観賞用」としてまとめたテイクも作り、
吹き込んでいます
が、これも素晴らしい演奏でした。

1963年からアメリカ国内のテレビにて、
コマーシャル放送され、どの位の期間で流れていたのかは
分からないのですが、録音作品は一般市販されることもなく、
そのまま時間の彼方に埋れてしまっていました。
この作品を偶然にも鑑賞することが出来、
素晴らしい良き音楽作品であると感じた筆者は、
ぜひ御紹介したいと思ったのです。

全部で8つのCM商品も、既に60年以上の時間が経過しているものの、
今でも色あせることなく楽しさが伝わり、
音楽から想像する(お菓子に対する)夢の世界・・・の心の感覚を
忘れないようにしたいものです。
小さな子供がクリスマス・プレゼントを期待するような、
と申しますか、素直に夢見るような感覚って、
大人になると、色んな計算が入ったりもして、
なかなか思えなくなった気がしますね・・・

復刻CD『遠いコマーシャル』(EH-713) Unreleased Commercial Sound Source & Others
筆者のサイト『懐的音館』にて、一部の御試聴できます。

https://edison-international-records.com/product/713



 

お読みくださり、ありがとうございました。

磯崎英隆

古くても良き音楽などを紹介したり、稀少な歴史的録音をデータと共に資料として作成する活動をしております。もしよろしければ、サポートをお願いいたします。いただいたサポートは、校閲(時代検証など事実確認などのための)資料他、有意義に使わせていただきます。