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コーヒー事業を興すためにはじめたこと

- 連 載 目 次 -
軽い自己紹介
コーヒー好きが見つけた事業ポイント
そのためにしたこと。  ・・・・ この記事
・たいせつなことは映画「Chef」が教えてくれるよ
・よし、焙煎士になろう
・カフェはサードウェーブ型?それとも
・一杯のコーヒー。されどコーヒーへ
・アーティストになるか、経営者へなるか

いいねが二桁になったら更新しようの方程式でがんばって書いていきますー。ちなみに写真は私が自ら焼いた豆をパシャリ。いい写真(iPhoneすごい)

好きなコーヒーを事業にしてみよう。そのためにしたこと

 前回の通りコーヒーの周りのことを見ていたら楽しくなってきた私。しかしながらまだこの時点では知ってることといえば、「焼き方の種類がある。」「苦いか甘いかはわかる」「フレンチで苦くないのが美味しいって思った」という程度だった。無糖が美味しいとおもったのもフレンチだけど甘味を感じるものを飲んだから。そしてスタバのおかげでラテが好き。できれば低脂肪(昔低脂肪乳だったのに今は無脂肪と割ってるよね?)そんなレベルだったんですが、仕事でコーヒーの事業者への取材や思いあるコーヒー好きにあったりして少しずつですが意識が変わっていく。ビジネスへの意識がふえていくポイントはコーヒーの消費期限と生豆の価格だった。

生豆はフレッシュな方がよいが1年前のものも普通に売られている。お米よりよいが風化して割れたりしていく。焙煎後は保存方法にもよるが半年から1年でも飲用できる。それでいて、その価値は焙煎後の10倍になるものもある。しかし世界で取り合いになって一時価格上昇をし、生活者への負担も上がってきている。

10年前からコーヒー一杯の値段(価値として)高まっているというのがとても面白いし、一杯あたり500円でも飲むし、350円でも缶コーヒーの100円でも飲むけどカフェはだいたい550円くらいになったりする。デフレ進む日本の飲食関連の中でまだまだいろんなことが起きるんじゃないかと思い始めた時に、はじまったのがコンビニコーヒーだ。2013年セブンイレブンが専用セルフ自販機ではじめてから一気に広がっていく。100円でこんなにもよいコーヒーが飲めるようになるのか!と話題にになった。2014年からはさらに磨きをかけていた。当時の記事ではウォッシュドの豆、4種のブレンド、ダブル焙煎でしっかり深めのコーヒーを全国に出していたようだ。

コンビニのドリップコーヒー登場はマーケティング業の刺激だった

コンビニの缶コーヒーはもともと売れ筋だ。メーカーも数多くの種類を投入していたと思う。多数のメーカーがさまざまなコンセプトの缶コーヒーをマーケティングして棚を押さえていた。その売れ筋が劇的に変わるのが、このドリップマシンによる100円コーヒーの登場だ。PB(プライベートブランド)でコーヒーを出すのと訳が違う。仁義を切ったのか今だに疑問だが、熾烈極めるコンビニ競争はグループの対峙というよりは、ドラックストアやスーパー、その他物流などを巻き込んでいるに違いない。コンビニを選ぶ理由を距離以外で作るを探る上でも面白いマーケティングと価値創造が、あらたなコーヒー文化を作ってくれた。

一見、コーヒーは安くて楽しむというデフレ寄りのマーケティングにみられるが、安くても美味しい入れたてコーヒーはコーヒーの体験市場を劇的に改善してくれた。缶コーヒーでもお店でものいコーヒーが登場したのだ。コンビニのたった100円はおそらく思ってる以上に重い100円に違いない。しかも半分セルフサービスの体験が始まった。

セブンイレブンは、私にとって「淹れたては美味しい」 という体験を生活者に教えた存在。スターバックスは「エスプレッソ」の楽しみ方を教えてくれた存在で、普通のカフェとかとは違う軸でコーヒーを広げて行っている。

こんな舞台背景から、あれ、コーヒーって事業にしたら面白いんじゃない?

っていう感情がはじまった。「次、新しい事業をはじめるならコーヒーも選択肢にしてみよう」ということで、たくさんのデータを取り始めることになったのです。

コーヒー事業ってどこがビジネスになるのか

生豆から焙煎、そしてコストから運営。消費量。色々計算がはじまります。同時に「何が美味しく感じるのか」「珈琲ってなに?」「コーヒー事業者の立ち位置」「ビジネスモデルってどんだけあるの?」あたりの風呂敷を開いていくことになります。しかしコーヒー事業=カフェとは思っていませんでした。店舗を持つということのリスクとブランドの限度がすぐに見えてしまいます。仮に(という考え方がシュリンクを生むので良くないのですが)北海道でやるといろんな弊害もあることがわかります。そう、他の事業と掛け算のコーヒー事業をつくれないかと考えるのでした。

そう、ブランドとしてコーヒーを持つ あたらしい事業体創造でした。

コーヒーをつかったブランドをつくるぞ

で、最低限必要なものなんだろうかな
・生豆 どこから買えばいいのかな。安定供給と価格
・焙煎加工 焙煎はどこでやればいいかな
・保管する場所/焼く場所 
  プロダクトを保存しておかねば販売できない。もし工場つくるなら場所も必要
・パッケージ プロダクトを輝かせなきゃならない
・ECコントロール あたらしい売り方があるかもしれない

生豆問題は思いの外簡単だった。コーヒー豆をあつかう商社は実は多い。たしかに大量に同じものが必要などになれば大変な苦労があるが、コーヒー豆はコモディティ。先物で世界で価格が安定するようにして過去の問題を回避し始めた(奴隷問題などなど)商品である。つまり誰もが買うことができる。それより問題は送料だったりする。送料が二重化(島国は輸入コストとプロダクト完成後に逆の輸出コストがかかるんです)する北海道でやろうとするとほんと大変リスクでもある。(道内のビジネスなら問題ないんだけど)

しかし生豆は難しいとすることも多い。そう、コーヒー事業者、商社の中ではユニークな豆、個性を買い集めるのがムーブメントになってきている。特定の農園から独占的に買い販売するモデルが独自の単価をうむビジネスになるからだ。それが昨今のスペシャリティコーヒーにもつながってると思う。これはまさに農業の話。直接トマトを独占的に買うのに似てるんじゃないだろうか。世界のコーヒー農園も進化してるといえるのだ。(その辺りは機会があれば)

次は焙煎だ。コーヒーを焙煎するには機械が必要。焙煎するロースターも世界で販売されているし、焙煎士は数多くいることがわかった。自家焙煎をする規模はマイクロなら500g、200gといった個人で行うレベルから一度に10キロ、100キロと工場として営業してるのもある。目星をつけたのは海外の機械だった。

国内メーカーもあるがオーダーメイド型でプロダクトというよりは「合わせて作りますよ」に近いものだった。ゆるいというか、製法やコンセプトうんぬんではなくあくまで機械を売りますだった。ドイツやアメリカではデータを蓄積して様々な種類の豆を半自動で焼くソフトが進化している。こういうIT,IoTが当たり前になっているのでそれに対応した焙煎機を探していく。が、国内でも設置が少なく苦労することになった。同じ機械なのにアメリカで聞いた焙煎士の話と日本の話が全然違ってびっくりしたりもする。文化というか発想というかコーヒー豆ひとつとってもこんなに感覚がちがうんだ!!という驚きも多かった。

たとえばゴールは美味しい豆を焼くにある。日本ではその過程に職人性がシークレットで残ってたりする。「これが難しい」の「これ」がドキュメント化されてない。そして伝聞。私が聞いた外国の焙煎士は「ここが間違わないかチェックする」「ここ」は具体的にコンピュータや火などのミスと物量のチェックだ。難しいこととは人間の感覚ではなくミスをしないかのチェックだったのだ。

この話を深掘りすると嫌われちゃうとおもうんだが、この違いを感じて「焙煎からビジネスがおもしろくなるな」と感じることになる。日本に無駄があるわけではない。日本特有というか、文化というか、職人と経営の分離とかクリエイティブとビジネスの難しさというか、そういうのがこの焙煎作業にあると感じたのだ。

実際、今焙煎をするが、火を見ると人間は職人になる。クリエイティブというか火の色の不安定な感じが「何かを感じる」から職人の目線になる。同時に経営者として「無駄」を感じるところも多い。だからこそ自家焙煎ビジネスの限度も感じるのだった。

と、色々勉強フェーズになってきたなか、焙煎って事業ポイントになるなぁとか、んじゃどうやろうか、機械買っちゃおうかね。などと思ってる矢先にコーヒーを事業化する話が一気に近づくのであった。

次回はいよいよ事業化で慌てるなか、美味しいものをつくる という誇りとマーケティング、映画が教えてくれた話をお送りいたします。

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ちょっと別な話になるのだが、いろんな食べ歩きをしていて、味を再現するのが趣味だったりしたことがある。フレンチやらなんやらは無理だけど簡単もの。それがコーヒーでもいきることになったかも。そう味を作るには味を感じる必要もあったので。とんがったマーケティングにする方が簡単なのに苦労することにもなったけど。

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