ロングヒットの傾向を年間ランキングから読み解く
2021年も残りわずか~~・・!!
レコチョクでは毎年この時期になると年間ランキングを発表しているの、知っていましたか?
はじめて年間ランキングを発表したのは2003年で、当時の「着うた」ランキングでした。振り返ると今も色あせない名曲の数々!!
2003年 「着うた」総合ランキング
1位 「明日への扉」 I WiSH
2位「さくら(独唱)」 森山直太朗
3位 「雪の華」 中島美嘉
4位 「COLORS」 宇多田ヒカル
5位 「One Night Carnival」 氣志團
こんな感じで振り返ってみると、レコチョクのランキングには当時の流行が見て取れておもしろいのです・・!
そこで!
今年発表した年間ランキングと、ちょうど10年前になる2011年の年間ランキングを、『リリース日からの経過日数』で比較してみたら何ともおもしろい違いがあったので紹介します!👍
レコチョク年間ランキング2011
まずは10年前のレコチョク年間ランキング2011から、ダウンロード部門のシングルランキングTOP5にランクインした曲を振り返ってみます。
【シングルランキング】(ダウンロード)
1位 「好きだよ。~100 回の後悔~ 」ソナーポケット
2位 「マル・マル・モリ・モリ! 」薫と友樹、たまにムック。
3位 「フライングゲット」AKB48
4位 「100 万回の「I love you」 」Rake
5位 「Everyday、カチューシャ 」AKB48
[集計期間] 2010 年 12 月 1 日~2011 年 11 月 30 日
※レコチョク年間ランキング2011の詳細はコチラ
各楽曲のリリース日と集計最終日(2011年11月30日)との差を平均すると251日でした。
レコチョク年間ランキング2021
続いてレコチョク年間ランキング2021から、ダウンロード部門のシングルランキングTOP5にランクインした曲はこちら!
【シングルランキング】(ダウンロード)
1位 「ドライフラワー」優里
2位 「夜に駆ける」YOASOBI
3位 「炎」LiSA
4位 「うっせぇわ」Ado
5位 「怪物」YOASOBI
[集計期間] 2020年12月1日~2021年11月30日
※各ランキングの詳細はコチラ
各楽曲のリリース日と集計最終日(2021年11月30日)との差を平均するとなんと452日でした!
10年間で1.7倍のロングヒットに変化
2011年は平均251日、2021年は平均452日ということで・・
その差はなんと1.7倍!!!
という事はつまり・・・2021年の年間ランキングにはそれだけロングヒットの傾向がある!という事で。
これまでの年間ランキングでは、その年に一番聴かれた楽曲・ヒットしたアーティストがランクインしてくる事が一般的でした。
2011年の年間ランキングなんて象徴的で、2011年8月17日に先行配信された「フライングゲット」(AKB48)がリリースから105日で3位にランクインしていたりと、まさにその年のヒット曲といえます。
一方、今年2021年の年間ランキングを見てみると、、
YOASOBIの「夜に駆ける」が配信限定シングルとしてリリースされたのは、2019年12月15日で716日とほぼ2年前!
(てかそんな前なんだ・・!とびっくり)
一番日数が短いタイトルを見ても、YOASOBIの「怪物」なのですが、2021年1月6日にリリースされているので328日とこちらもほぼ1年前!
音楽の出会い方と愛され方の変化
なぜ、この10年間でこんな変化が起きたのか・・?
ゆるりなりに考察してみました◎
この10年間の音楽市場の売上シェアの推移というものが発表されているのですが、これを見るといわゆるCDのシェアが低下しつつあるなか、音楽配信のシェアが上がっています。
参照:日本レコード協会 機関誌「The Record」2021年3月
2011年は圧倒的にCDの時代。
日々たくさんの新譜がリリースされるなか、どのアーティストもリリース日をプロモーションの最大の山場として組んでいました。
つまりは、リリース日に向けてどれだけ多くのリスナーに出会えるかが勝負で、そのタイミングを逃してしまうとなかなか挽回する機会は少ない。。
対して、2021年は音楽の聴き方が多様になった時代。
CDだけじゃなく、ストリーミングやダウンロードで音楽を購入したり、YouTubeでMVを見たり、TikTokやInstagramで楽曲を使って楽しんだりというのが一般的に。
リスナーが楽曲と出会える機会が様々な場面に広がったことで、新譜・旧譜の価値観ではなく、その楽曲と出会った瞬間がその人にとっては最新の出会いになったことが大きく影響していると思いました。
さらに、それぞれの人が出会ったタイミングで楽曲をダウンロードしたり、ストリーミングで繰り返し聴くなど楽曲を愛し続けていることの積み重ねが、ロングヒットの傾向となっているんだと思います◎