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新規事業に必要な組織文化への投資 ~『カルチャーモデル』から~

先日、『カルチャーモデル 最高の組織文化の作り方』(唐澤俊輔著)という本を読んだのですが、とても気付きの多い良書でした。
事業を成長させていくには、ビジネスモデルとカルチャーモデルの両輪を回していくことがポイントで、カルチャーは意図的に設計し、言語化し、浸透させることができる。
組織を診て打ち手を考えるうえで、組織カルチャーは重要な要素です。しかし、目に見えないがためにやっかいな存在でした。この本では、これまで感覚的に捉えていたカルチャーの存在を言語化するための切り口が示されており、実践してみたいと思える内容でした。

カルチャーが明確な企業というとgoogleやメルカリなどを思い浮かべますが、著者のいたマクドナルドも業績低迷時にカルチャーを言語化し、社内の変革に役立てていたようです。カルチャーは組織での判断基準、行動基準に影響するため、特に変化を起こしたい時やスピード感を出したい時にポイントになるのだろうと感じました。

変化やスピード感と言ったときに思い浮かぶのは新規事業です。自分の周囲でも、社内で新規事業のアイデアを募ってビジネスモデルをブラッシュアップしたもののその後全く進まないケースや、社内ベンチャーを設立したにも関わらず、スピード感が出ず方向性が定まらないケースが見られます。
これに対し本書では次のような一文があります。

どんなに質の高い事業戦略を立て、ビジネスモデルを洗練させても事業が成長しないというなら、企業のカルチャーに課題があると言っても過言ではありません。

新規事業部門を見ていると「まさにこの通り」と感じるところが多くあります。意思決定ルートや、インセンティブの課題に加え、新規事業を推進すべき人の行動やマインドが変化しないという点はよく聞く課題です。このような時こそ、カルチャーを設計し、言語化し、浸透させるといった取り組みが必要なのではないでしょうか。

また、組織のカルチャーは目に見えないがために、そこに資源を投下しづらいという課題があります。しかし、ビジネスモデルとカルチャーモデルの両輪を回そうとした時、勝手にカルチャーは形作られるものと捉えていると意図せざるものになりかねません。そのため、ビジネスモデルと同様、カルチャーモデルに対しても意識的に投資をしていく必要があります。この点が示されているのが、本書に共感するところでもあります。

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組織への投資というのは給与やインセンティブだけで捉えがちですが、カルチャーを言語化し、浸透させる取り組みに対し時間と労力を割くことも投資と言えます。特にカルチャーを浸透させるためには、地道で継続的な取り組みが必要です。ビジネスモデルと同様、カルチャーモデルに投資をするという考えを持つことで意図したカルチャーを築き上げることができます。そうして出来上がったカルチャーは、事業のスピード感や精度を高めるだけでなく、やがて非金銭報酬の一つとして、その組織で働く人の働きがいを高めるものに繋がり、好循環を生みそうです。

特に新規事業部門においてこそ、ビジネスモデルとカルチャーモデルの両輪を回すことを意識して、カルチャーへも意識的にに投資をすべきではないでしょうか。

本書については他にも触れたい点があったのでまた改めて書いてみようと思います。

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