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糖尿病の重症化予防のために理学療法士ができること


理学療法士は、運動指導のプロです。各種の病態を把握しながら、対象者に一番良い運動プログラムが提供できます。

特に糖尿病の初期における重症化予防には、体重管理を中心とした運動療法が著効します。患者さんは、どのような負荷量・頻度・方法で運動を実践すれば良いのでしょうか。また、それをどのように継続し習慣化できるようにしていくのでしょうか。


方法は分かっていても、なかなか直接的な指導ができるかどうかは別物

理学療法士が関わる糖尿病患者さん(特に私のような、回復期リハビリ病院に勤務)は、ある疾患(脳卒中や骨折など)の併存疾患として糖尿病を持っている方です。糖尿病が進行して足が壊疽し、切断した方などは、もちろん理学療法の対象です。

しかし、「糖尿病」というだけでは、リハビリテーション料が算定できず、理学療法士が積極的な予防に関わることは難しいのが現状です。

そのため、糖尿病外来では、主に看護師が、健康診断では保健師が運動指導を行っている場合が多いと思います。


実際に手を出せない患者さんに、どのように指導を実践していく?

実際の患者さんに接して予防的な運動指導ができないのであれば、やはりその看護師さんや保健師さんに対して、運動の指導の仕方を
実技的なところを含めてフォローしていくのが良いと思います。

運動の指導までを兼ね備えた保健師さんばかりではないでしょうから。

共同の勉強会などを立ち上げて、お互いに楽に意見交換ができる関係ができるといいですね。

また、ポピュレーションアプローチとして、地域の健康教室に呼ばれた時などに、しっかり住民の方に「プロの違い」を示せたらいいですけど、、、。

(今度、地域の方に向けた糖尿病シンポジウムのシンポジストになっています。今、自分で自分の首を締めました。プロの違いを見せつけられるか??)

糖尿病の運動療法は、まだあまりはっきりしていない事が多く、具体的ではありません。患者さんも個別性が高く、さらっと指導されただけでは効果が出にくい場面もあると思います(効果が出なければ、運動は中断されてしまいますから)。

予防に理学療法士が関わった方がアウトカムが良かったというエビデンスが蓄積されれば変わってくると思いますが、もう少し先そうですね。


まとめ


糖尿病治療のために、運動療法が必要と言っても、なかなか全ての人に理学療法士による運動を届けらない。

患者さんへの直接的な指導が難しければ、直接指導をする職種の人との意見交換などを行い、効果的な指導法を伝達する。

通いの場(サロンなど)の出張講座の依頼があれば、積極的に参加して予防に貢献する。


本日も、記事を読んでいただきありがとうございました。
糖尿病を始め、高血圧・高脂血症など生活習慣病の予防に運動が重要であっても、なかなかリーチできないことが多いですよね。そのために、どうしたら良いかを考えて記事にしました。
お役に立てば幸いです。

今、なぜ糖尿病の記事が多いかというと、糖尿病の地域フォーラムのパネリストの役をいただいており、記事作りも兼ねて勉強中でもあるんですよね。
また、良さそうな情報がありましたらシェアしますので、引き続きよろしくお願い致します。



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