見出し画像

第7回 待遇の良い企業は「地頭の良さ」を求める

年収500万円以上、完全土日休みの年間休日125日以上、スーパーフレックス導入、リモート勤務可…ああ、そんな会社に入ってみたい。
誰もが応募を検討したくなるその企業、ちゃぶ台ひっくり返したくなるくらい(?)選考基準が超絶ハードモード!
では、どんな人材を求めているか?

知らない方が幸せ…かも。

転職エージェント向け企業説明会

新卒向けの企業説明会同様、転職エージェント向けにも企業説明会が開催されることが度々ある。
転職エージェントに企業の良さや特長の詳細を伝え、企業の採用担当者の代わりに求職者にアプローチしてもらおうという魂胆である。
この転職エージェント向け企業説明会を開くのは、全国規模で募集をかける大手企業(大手派遣会社含む)や、会社全体の底上げを図りたいベンチャー企業の割合が多い。

新卒の企業説明会と大きく異なるのが、盛大な選考基準の開示と、なぜその基準を設けているかの説明が主となる点。
特にベンチャー企業の選考基準が香ばしいので、そちらをクローズアップ。

意識高い系ベンチャー企業の求人

ベンチャー企業とは…
独自性の高い技術やアイディアを基に、新規ビジネスを展開する企業のこと。スタートアップ企業とも呼ばれる。

ネットの開発技術が進んだことにより、この数年でものすごく増えている印象のベンチャー企業。SaaS※を取り扱う企業の増加が著しい。
(これでも世界に比べると、日本は相当遅れている。)

ベンチャー企業を起こす社長の多くは、誰もが知るような超大手企業出身で早ければ20代、遅くとも40歳前後に会社を立ち上げ、超大手企業で培った知識とコネクションを使い、会社を拡大させていく。
そして当然ながら大企業に新卒入社した実績=高学歴なので、意識高い系の方がズラリと並ぶ。

※SaaS…サースまたはサーズと言い、クラウドサービス※※のこと。Software as a Serviceの略。
※※クラウドサービス…説明しきれないので、助けて!NEC!(←検索上位にいた)

このように、まだ若くとても賢い方々が運営する企業なので、まだスタートアップの小さい会社だからと言って、安かろう悪かろうの職場環境にはしない。そこが一昔前のベンチャーと違うところ。(資金調達力に長けていると思われる。)
同じような意識を持った仲間を募集するために、破格の厚待遇を用意する。
それが、冒頭に書いた「年収500万円以上、完全土日休みの年間休日125日以上、スーパーフレックス導入、リモート勤務可…」である。

本題の選考基準について

もちろんそんな厚待遇、タダでは渡さない。
どの企業もほぼ同じ傾向の選考基準を設けているので大公開。

画像1

面白いくらい口をそろえて言ってくるのが「地頭の良さ」
何を持って地頭が良いと判断しているのか…?

結局のところ、学歴で判断される。

地頭が良い人=高学歴

「社員はどのような学歴の方が多いのですか?」と問うと、
「そうですね…MARCH※以上、関西だと関関同立※の方が多いですね。地頭が良い人ってやっぱり高学歴の方に多いので。」と返ってくる。
じゃあ募集要項に最初から書いておけよ!と思った方、職業安定法(通称:職安法)が年々厳しくなる一方で、雇用機会均等のため、最近は「大卒以上」と記載するのも微妙な雰囲気になってきている。
裏でこんな設定されていたら機会均等もクソも無いのだが。

※MARCH…明治大学(M)、青山学院大学(A)、立教大学(R)、中央大学(C)、法政大学(H)
※関関同立…関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学

中には完全に学歴不問にしている企業もあるのだが、職歴の基準が更に厳しかったり、「卒業高校の偏差値を見る」というところもあるので、難易度が高いことに変わりはない。

普通の中小企業で待遇改善に力を入れているところを探し出す

正直、上記の選考基準を満たし、応募に値する人材というのは滅多にお見かけしない。
MARCH以上、関関同立以上の学歴の20代半ば~30代半ばで、数年経験があって、マネジメント経験がある…なんていう日本人、日本の人口比でどれだけいるというのだろう。
そもそもそのような人材は超大手企業に行ってしまう。新進気鋭のベンチャー企業も超大手のブランド力の前には勝ち目がない。
だから採用に苦戦し、転職エージェントに依頼をかける羽目になっているのだ。

高学歴の人達は学生時代に半端ない努力をした人が多い。職歴を抜いても、努力できるポテンシャルが既に証明された人達…ということを考えると、どの企業も欲しがる人材であることは明らかだ。
しかしながら、日本人のほとんどが並の人間である。
いきなり飛び級で厚待遇の企業に入れるのは、ほんの一部のラッキーな人だけだろう。ラッキーで入れたとしても、その後「徹底した成果主義」という地獄の試練が待ち構えている。

日本にある企業は中小企業で構成されている。意識高い系ベンチャー企業はその一部に過ぎず、ほとんどが普通の中小企業である。
その普通の中小企業でも、待遇や職場環境を改善しようと努力している企業はたくさんある。今は少し給料が安くても、今は少し残業が多くても、着々と改善に動いているのだ。

そして、そういう企業は人に優しい。
そういった企業を見つけ出す「先見の明」を持つことが、最良の転職に繋がること…ぜひ知っておいて欲しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?