第17回 転職回数は年齢の1/10回まで_書類で足切りされる圧倒的理由
↑でも書いたのだが、転職回数について更に深掘りを。
転職エージェント向け企業説明会に参加して一番厳しいと思うことが、応募基準における「転職回数の制限」である。
職種によるところもあるのだが、ベースになりつつある基準が「年齢の1/10回まで」という回数制限。
企業は何を思ってこの制限を設けているのか?
転職回数が多い自覚のある人は危機感を抱いて欲しい話。
私は今の会社で表向き4回目の転職
私自身も転職回数は多い部類に入り、今の会社で表向き4回目の転職である。
今年でちょうど40歳。今の会社に入ってから6年目。仮に今退職したとしても短期離職にはならないし、社会に出て20年。1社平均5年と考えれば、ジョブホッパーとは呼ばれない程度のギリギリの転職回数ラインになった。
ちなみに表向きと書いてあるのは、本当はもう若干多いのだが、激短期離職+入った会社がブラックで、フルタイム勤務なのに社会保険加入無しという、運が良かったのか悪かったのか抹消できる経歴のため、しっかり抹消させてもらっている。
弊社の登録者(転職希望者)層の経歴も私同様の経歴の人が圧倒的で、私のように運良く抹消できる経歴では無いことがほとんどなので、30代、40代ともなると、転職を5回以上行っている人はザラである。
新卒カードを失敗した20代も転職回数が多い傾向で、20代でアルバイトばかり5〜6回転職しているという人もいる。私達氷河期最盛期世代と違って、最初から正社員で働けるチャンスが沢山転がっていたにも関わらず。である。
ちなみにアルバイト経験は社会人経験としてカウントしないという企業は多く、ましてやそのアルバイトでも何回も職を変えているとなると、お話にならないのが実情。
転職回数が多い=定着性が悪い=長く勤める気が無い
企業が転職回数が多い人材を避ける理由として最大の理由は
「どうせすぐ辞めるんだろ?」
莫大な費用をかけて採用を行い(先日、期末までの残り数ヶ月、8000万円の採用予算を使い切る。と言っている会社があった。)未経験採用となれば育成にも費用と時間をかけ、ようやく一人前の戦力として会社の利益に貢献してもらえる…というところで退職されるのが一番困るのだ。
たぶん、経理や人事や役員以外の、会社全体の予算というところに関わりのない人間は、給与以外にも社員に費用をかけまくっているということを知らない。
その研修、その福利厚生、どれ程の費用がかかっていると思いますか…?
こうやって大層なことを述べている自分も、会社がどれだけ自分達にお金をかけてくれているか?というのを知ったのは今の会社に入ってからである。
別に予算に絡むような仕事はしていないのだが、小さい会社なので、何にどれくらいかけているか。ということが何となく見えてくる。
ハワイと石垣島の社員旅行はクソ高いということも(笑)
で、どれくらい会社は長く働いてほしいのか?
その目安として設けている基準が「年齢の1/10回」
最低5年以上働いて欲しいという計算である。
ストレス耐性の無さがすべてを狂わせる
転職回数が多い人の特徴として代表的なものは、ストレス耐性の無さ。
これは私もそうなので、ストレス耐性がない人の気持ちは嫌というほどわかるのだが、正直、会社の環境などの外因よりも自己の内因によるものが多すぎる。
嫌なことがあったらもう耐えられない→退職→以下エンドレス
中途採用の選考時にも適性検査(性格診断)を導入している企業が増加の一途を辿っているのも、短期離職をする人間はストレス耐性が無い。というのがわかっているから。
ストレスの感じ方は人それぞれなので、一つのものさしで図ることは良くないことなのだが、「この人はセンシティブだから優しく丁寧に接する」「この人は図太い性格だから何をやらせても大丈夫」などと、あからさまな対応格差をつけるわけにはいかないので、その会社のやり方に耐えうる人材を引っ張り上げるにはやむを得ないことだろう。
どの会社に行っても必ず合わない人がいる
また、ストレス耐性の無さがダイレクトに現れるのが人間関係。
誰一人同じ考え、価値観を持つ人がいない集合体が学校であり会社である。
何回転職しようとも、どの会社に行こうとも、絶対に自分と合わない人がいる。
それを当然のこととして受け入れられるかどうか。
合わない人とも上手く渡り合う要領を得られるかどうか。
逆に転職回数が少ない、いわゆるキレイな経歴の人はどうか?
懐が深く、小さなことは気にしない。大人な人が多い。
転職回数不問の会社でとにかくキャリア形成を行う
転職回数が多く、汚い経歴になってしまったものはどうしようもない。
全て会社都合による退職という、完全他責で許される経歴な人はごく稀だろう。
そうなってしまったら、転職回数を不問としているまともな会社を狙うしかない。
何をもってまともな会社と判断するか?というと、キャリアパスが明確になっている企業かどうか。
入口はやりたくもない仕事かもしれない。が、そこで頑張れば、確実にそのやりたくもない仕事から抜け出せるという企業がある。
具体的例を挙げると、誰もから嫌がられる某公共放送局の加入促進の営業職。
あの営業職の人々は、NHKの人材ではなく、委託された企業の社員が担当している。
その委託先企業がいくつもあるわけだが、離職率が驚異の10%台という企業があった。絶対50%以上超えているだろうと思っていただけに、あまりの離職率の低さに変な声が出そうになった。
その企業は、営業部署において主任クラスに上がると、
・そのまま役職へ向けてキャリアアップ
・グループ内でのジョブチェンジ
・社内起業
など複数のキャリアパスがあり、主任クラスの人材が更に先のキャリアパスを望んだ場合は、必ず希望を通すというものだった。
その話をしてくれたのも、NHK加入促進の営業からジョブチェンジで人事に異動した方であり、そのトークスキルは実に見事。
負の連鎖を断ち切りたければ、彼のようなコースを歩むしかない。
人生どこかで歯を食いしばるような努力は必要
転職回数が多い人の経歴は、「ここでもっと頑張れば今は全然違ったのに。もったいない。」というものが多い。
人格に難ありで転職を繰り返しているというより、踏ん張りどころで何もせずにチャンスを逸しているのだ。
努力の基準というのも線引きが難しいが、私は人生で2回程自分を褒めたいくらい頑張ったことがある。
①ローラースケート
人生で一番最初に頑張ったこと。時は光GENJI全盛期。
まだ年齢が一桁なので、〇〇くんが好き!というより、ローラースケートで踊る彼らが眩しく、友人周りがローラースケートを滑り出し、現物を目の当たりにしてしまった私は、憧れの気持ちが抑えきれず、ダメ元でローラースケートの購入を親にせがんだ。
こういうおねだりには応えてくれない親だったので、買ってくれた時は意外だった。
心弾ませ、いざ滑ってみる…全く滑れない…一歩出る度に転ぶ。
どうしても、ぜーーーーーーったい滑れるようになりたかった私は、公園で泣きながら毎日練習した。
まだ体の柔軟性や適応力が高い年齢なので、数日も練習したら問題無く滑れるようになった。
どこに行くにもローラースケートを履き、友だちと遊んだ。
それは楽しかった思い出。
②現職への転職
これは下記を参考いただけると幸い。
割と死ぬ気で頑張ったら転職できた。
夫がまだ彼氏だった頃、この光景を見てきているが、「あれは頑張った。すごい。」と言ってくれるので、たぶん胸を張っていいくらいには努力しきれたのだと思う。
努力をしたことからの成功体験が自信となり、モチベーションの向上に繋がっていくわけだが、その成功体験を得るためには、努力だけでは足りない。
努力を活かすためのアンテナを張っていないとチャンスが巡って来ない。
自分の経歴を振り返って、こういう一連の流れを経験したり、成功体験もしたことが無いな…と思う人は、努力が足りていないと思った方がいい。
5W1HとPDCAを掛け合わせてみる
もう後がないと自覚のある人は、ぜひ5W1H※とPDCA※※の掛け合わせを実践して欲しい。
※5W1Hとは(カオナビ・人事用語集より)
※※PDCAサイクルとは(野村総合研究所・用語解説より)
①いつ、どこで、どうなりたいか
②なぜ転職が上手く行かないか
③転職市場における自分の評価
④何を対策・改善すべきか
⑤転職についてどのように計画するか
⑥実行
強引に行くとこんな感じだろうか?
これが身に付いてしまえば、履歴書と職務経歴書の作成にも落とし込めるし、仕事にも応用できるし、良いこと尽くし!(のはず)
そして、これを実践することが面倒くさいと思う人は、転職もキャリアパスも何もかも諦めてください。と言いたい。
大人になってしまうと、一から手取り足取り教えてくれる人はいなくなる。
ただし、教えを乞えば、ヒントを与えてくれる人は必ず存在する。転職エージェントしかり、ハロワの職員しかり。
恩師と呼べる人がいるなら、その人に聞いてみるのも良いだろう。
最後のチャンスを逃さないために、自分を奮い立たせてほしい。