海外で働くとは?実際の業務内容と感覚
私は大学生の頃から縁に恵まれて、海外でのキャリアを歩み始めました。
そして海外で働き始めた当初は本当に大きな勘違いやミス、現地の方をイヤな気持ちにさせてしまった事もありました。
現在では10年近い海外事業での経験を元に独立し、海外での事業を自社で始めましたが、実際に”会社員として海外で働くとはどんな感じか?”に焦点を当て、これから海外でのキャリアを検討している人は何か参考になれば幸いです。
先に言っておくと、この状況で海外での就労を諦めた人も多くいると思います。それでも、もしあなたが海外でのキャリアを諦めない人であれば圧倒的にバイタリティーがあり、将来多くのチャンスがあると思います。そういう人は良い出会いにも恵まれるでしょう。見てくれてる人は居るものです。
① 海外広告代理店での業務
広告代理店って知らない人は、広告だから看板出したりするんでしょ?位なイメージかと思います。私はこの業界に何年も関わっておりますが、いまだに看板広告を出したことは無いですw
出さないわけでは無いですが少ないですね。
では、何してるのか?と言うと
・イベント企画/運営業務
・インフルエンサー施策
・SNS運営・広告配信施策
・メディア招へい
・商談会/セミナー運営
・各種市場調査
ざっくりとですが、このような感じの各プロジェクトを企画から運営まで実施してゆきます。
今は自粛で多くのイベント会社は経営破綻に陥る状況ですが、例えばアイドルのコンサートイベント1つとっても、物凄く多くの人やサプライヤーが関わってきて、イベント開催の前の準備が最も大変なのです。
もしあなたが広告代理店でクライアントにイベント開催の企画を持ちこむなら、あなたはイベント会社と打合せて大枠予算を伝えてイベント概要やイメージ図を作成依頼し、運営に必要な通訳者や運営スタッフ確保、会場の仕様・予約確認・会場のレギュレーション確認、現地政府への届け出、各サプライヤーとの契約書や見積もりの作成、全体スケジュールの作成、数日前~直前までのリハーサル等の最終チェック等の多くの仕事があります。
これらを中心人物となって推進するのがあなたの仕事です。
いきなり任される事は無いので、最初は必ず知見がある人のサポートから入りますが、これらをサクッと出来るようにならないと一人前にはなれません。
インフルエンサー施策も昨今では実に多くの依頼があります。
ユーチューバーだったり、トラベルブロガーやフードブロガーだったり、観光プロモーションや飲食プロモーション等のプロジェクトや予算に合わせて、最適なインフルエンサーをリストアップしてゆきます。
ここで注意点は、各国のインフルエンサーはそれぞれ投稿先のSNSのフォロワー数やリーチ数も違えば、ギャラも違います。
経験から言うと、東南アジア途上国のインフルエンサーは適当なのが多く、キャスティングに失敗するとバックれたり、ドタキャンや、追加金額要求等のトラブルになるケースが良くあります。
これを防ぐためにも、事前の情報収集やコミュニケーションが必要ですね。
将来的なプロジェクト依頼が来た時にすぐ対応できるように、現地スタッフに(今、タイで人気のフード系ユーチューバーって誰?トラベルブロガーは? じゃ、リストアップしてくれますか? 例えば、日本に招へいして富士山等を回る3泊の観光プロモーション事業だといくらか?SNS投稿1回いくら?) というような情報を、私は事前に現地スタッフに下調べを良くしてもらいます。
これだと急な依頼でもスピード提案できるので、受注確度が上がったり、(あの人は詳しいな‼)と思われて、信頼が得られたりとメリットが多いのです。
同時にあなたが担当する国のSNS情報も最低限の知識は必要です。
例えば、Facebookは日本では完全に意気消沈ですが、東南アジアの多くはFacebookが今でも1強独占市場です。
そして、国それぞれSNSにも特徴があります。
ここら辺のSNS周りのデータは持っておくと、色々な提案に繋がりますし、現在ではマストな情報となります。
現地の優秀なフリーランス等の人材は時間かけてでも発掘して、繋がるべきです❕
これ本当に重要です。☝
実例を出して説明しますと、、、
・イベントやセミナーで通訳が必要な時に、いちいち通訳会社から通訳を派遣てもらっているとコストがかかりすぎて儲けが出ない事があります。
・現地の通訳はコミュニティから発掘できます。現地スタッフにSNSの日本語コミュニティから仕事依頼の投稿をしてもらい、イベントやセミナーで良い通訳だと思えば次からその人に直接依頼すれば良いのです。それに通訳同士で繋がりが多いので、人数が必要な時も次々に紹介してくれます。
・各国で繋がりを持つべきなのは、私の様に行ったことも無い国でのプロジェクトの依頼があっても、現地の知人がいればに業務や調査依頼が出来たりするので、イギリスで働いている人に週末利用してスーパーの製品調査してもらって個人的に報酬払う。とか可能ですね。(*私はこれをよくやります。)
② 業種を問わずマストで必要な事
必ず、自分のアイデンティティを出す。あなたが誰で何が出来て、何が出来ないのかを明確にしておきましょう❕
日本人はグローバルな環境で圧倒的に不利な、文化要素を持っています。
それは【恥の文化】【相手も重んじる文化】【察する文化】です。
これら、日本以外では通じません。これらは日本では良い事とされておりますが、海外で日本の常識は無価値である事を重んじてください。
私も海外で現地の企業や重役と1人で交渉する事がありますし、日本からのクライアントに同行する事もあります。
日本人はわざわざ海外まで来て、相手に時間を貰ってまで打合せに来ても、無駄な名刺交換や自社紹介に時間かけて満足してしまい、【具体的な商談と決断】という、メインを抜かしてディナーのフルコースを提供します。
これは私もこれまでのブログで再三言っておりますが、本当に迷惑行為であり、海外で非常に悪評な日本文化です。
商談で決断できないなら、決裁者を同行させるか、初めからその意思を伝えてから来てください。
上からものを言うつもりはありませんが、既に海外で就労をスタートしているあなたは、この行為は絶対にやらないでください。あなたはグローバル人材として仕事をすべきであり、日本文化ベースで仕事をすべきではありません。
つなりは、
”自分の意見や意思を明確に伝える”
これが重要なコミュニケーションの基礎なのです。
”異文化の尊重と自分の意見を述べない事”これが混同している人が居ますが、明確に違います。
相手の文化や意思を尊重すべきなのは当然ですが、相手の意見に対して反対意見や違う意思があるのであれば明確に示すべきです。
それが、間接的に相手への敬意や信頼関係にもつながります。
年明けに、アメリカ人とカナダ人の友人とドライブに行った際に、車内で(日本のインドレストランはマズい‼)というトピックを話してました。w
そのアメリカ人とカナダ人は仲良し2人組なのですがアメリカ人Amberが(日本のインドレストランは偽物だしマズいよね‼)と我々2人に問うと、カナダ人Yohanaは(私はそう思わない。こないだカレー食べたら旨かったし)と否定し、私は(確かに日本のインドレストランは殆どがパキスタン人とかネパール人が運営しててマズいんだけど、大半の日本人はインドの本場のカレー食べたことないから比較しようがないよね。俺なんて海外で毎回人気の寿司屋行くけど、100%マズくて高いもん‼)と言いました。
会話の内容はどうでも良いのですがw、相手の意見を否定するというより、自分の意見として反対の認識を明確に示しています。
これはビジネスの商談の場でもクライアントとのコミュニケーションでも同じです。
いわゆる 【【【忖度】】】というクソで無駄な気遣いはしません❕
これをすると相手側は自分の意見に同調したと勘違いして、後々にトラブルになります。
私は、大きな企業の幹部との商談で社長が言った社の意見でも、意思が違えば明確に反対意見を言います。
たまに、現場がえっ!?っという空気になりますが、この様に自分の意見と考えを明確にしない人はグローバルなキャリアで成功する事は無いと断言できますし。
すぐに使えない人材と思われます。
それ以外にも重要な事として、海外で事を進めるには契約書が重要になります。
多くの国では外資系である以上は最低でも英語で契約書が交わされるか、サブタイトル化で英語記載がされてます。
この英語の契約内容が分からないと重要なポジションには付けません。
国ごとに法の違いはあるので、リーガルの詳細は省きますが、契約書に委託業務と入金スケジュール、ペナルティ等の詳細を明確に明記しておく事が本当に重要です。
雇用契約書も同様です。日本人のように後輩だから何でも言うこと聞いて、新卒は雑務させるのがあたりまえ。という非効率で無断な文化は日本だけにとどめておき、海外では詳細な業務内容を明記しないと、日本のように暗黙の了解なんて通用しません。
あまり最初から気張ってしまうとチャレンジする事すら躊躇してしますので、特に20代であれば”海外の環境に①飛び込んで②失敗して③学んで④成長する”という最初の一歩のチャレンジが一番大事ですので、まずはチャレンジする事からしてみると多くの刺激や学びが得られると思います。
もし、将来的に大きな結果を残したいとか経営層や独立したい気持ちがあれば、チャレンジして失敗しながらも着々と学びを得てアップデートして、最低限自分の働く業界で1人で事業を回せるくらいのスキルは必要かと思います。
本当に1日も早く、また海外に飛び込んでグローバルなチャレンジが出来るようになると良いですね。いまから準備しておくと、ボーダーが開き始める頃にすぐスタートできますので、是非とも日本の海外組は業種・職種問わず団結して頑張りたいです。
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