「やりたいこと」より「やりたくないこと」を重視するといい意思決定ができるのかもしれない
人間が意思決定するときに基本的には何がしたいのか?というwillの部分が重視されがちです。しかし、逆に何をしたくないかという別のwillについて検討がなされることがあまりないと思います。
これはおそらく人間の「自己実現欲求」というマズローのご5段階欲求における最上位のものに起因するものと思われます。
だからこそ「こうありたい!」という思いをベースに人はあらゆる物事を判断します。
ですが、意思決定は大抵が不可逆なものであり、意思決定を失敗すると(正確には意思決定が失敗だったということに事後的に気づくと)、あの時こうしておけばこうはなっていなかった、、という後悔を強いられることになります。
日常生活での意思決定、キャリアの形成における意思決定、会社の方向性の意思決定などなど様々な場面で人間は意思決定を強いられるわけですが、何度も言うようにwillを元に人々は意思決定します。
キャリアで良くあるのは、20代で成長したい!!と安月給のブラックベンチャー企業に入った結果、貧困や重労働に苛まれるという結果に陥る社会人をよく耳にします。
会社の意思決定においては、~~がやりたいからこんな感じで進めよう!!と進めた結果、あらゆる観点が抜け漏れていて倒産してしまう、そんなことも多々あると思います。
では、これらの意思決定を肯定的なwillから否定的なwillに軸足を置くとどうなるでしょうか?
キャリアにおいては、安月給は嫌だ、ブラック企業は嫌だという評価基準が自分の中にあれば、貧困や重労働に苛まれるということになることはないでしょう。
その時によくそれで仕事に満足できるの?ということを言ってくる人がいるかもしれませんが、その時は転職でもなんでもすればいいだけです。よくブラック企業からなかなか離れられないという人の思考として、今の仕事がなくなったらどうやって生きていくんだというものがありますが、物心両面のゆとりがないからそのようになってしまうのだと思います。
お金と時間があれば自分のキャリアを考えて、いろんな働き方を考えることができます。
会社の意思決定において、倒産したくない、社員の離脱に繋げたくないなどという基準が会社にあれば自ずと打ち手が本当に正しいのか考えることにつながると思います。もちろん会社は人の集合体なので人一人一人の感情が乗っていないとうまくいきません。
それでも会社があってそこに人がいる限り大抵なんとかなります。
一時のwillを尊重しすぎて会社としての命が絶たれないようにすることもやりたいことを実現するのと同じくらい重要です。
よく自己啓発本で「やりたいことをやれ」という言葉がよくありますが、「やるべきことをやった上でやりたいことをやれ」という意味の言葉だと解釈しています。そのことを理解できないまま起業をしてしまう若い人々が生じてしまうのは世の中的にまずいと思っています。
以上のように、まずやりたくないこと、失敗したくないことを洗い出し、それを実現した上で、やりたいことに目を向けましょう。
特に人生において不可逆な選択をする場面は、
「やりたくないこと」>>>>>>「やりたいこと」
を重視するみたいなことも自己啓発本で出てくれないかなというのを思っています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?