いつい

建築と建築論が好きです

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潔癖症のユートピア──『東京都同情塔』九段理江(新潮社)

第170回芥川賞を受賞した九段理江著の『東京都同情塔』を読んだ。 建築家の女性が主人公でザハ案の国立競技場が実現した世界線の東京が舞台となる。九段氏の受賞会見では生成AIを全体の文章の5%くらいに組み込んでいることが話題となった。  新進気鋭の建築家、牧名沙羅は新宿御苑に塔を建設するプロジェクトを進めている。現在国立競技場が建っている場所だ。が、その世界の競技場は現在千駄ヶ谷にある隈研吾が設計したものではなく、ザハ・ハディドが設計したものだ。曲線の魔術師が設計したスタジアム

    • 自由ってなんだっけ?──『そうしないことはありえたか? 自由論入門』 高崎将平

      自由、自由と言うけれど…… 「私たちの人生は自由である」という信条は僕らが幼い頃からみんなの心に植え付けられていると思う。どう生きるかも、どこに住むかも、どんな服を着るかも、何を食べるかも好きにしていい。自由があるからこそ人間は活き活きと生きていける。そういう、自由な人生を拠り所にして我々は生きている。  でも、四半世紀くらい生きてきて、我々は本当に自由なんだろうかという一抹の不安が頭をよぎるようになってきた。生きるためには自分の衣食住を自分で整えないといけないし、そうするに

      • ジョギングは憂鬱に効くのかもしれない

        2023/6/14 水曜日  この日は幸にして特に鬱々した気分とならず、なんとなく軽い気持ちでジムに行けた。  ジムに行くとウォームアップとして軽く有酸素運動から始める。この日もそうだった。ランニングがいいのだろうけどしんどいのが嫌なのでウォーキングかエアロバイクにすることが多い。この日はウォーキングにしようと思った。  ランニングマシンを起動して、エクササイズを開始する。ところがなんだかウォーキングというにはあまりにきつい、というか早すぎる。どうやら勾配をつけるつもりが、

        • ジムに行くと顔がシュッとしてくる説

          2023/06/06 火曜日  あり得んくらいに気分が沈んでいたので体を動かしに行った。  平日の夜なのでそんなに人いないかなと思っていたら20:00時点で施設の中の7割くらいの器具が使用中だった。アフターファイブに体を動かそうとする人がこんなにいるというのが自分にとってはまあまあの衝撃だった。みんなそんな体力あるん。  自分みたいに体力をつける目的なのか、ただの筋トレマニアなのか、暇つぶしくらいの感覚なのか。どれにしても筋トレしてる最中の人はなにか神妙そうな顔をしているか

        潔癖症のユートピア──『東京都同情塔』九段理江(新潮社)

          ジムに通うと本当に暮らしは変わるのか問題

          2023/06/04 日曜日  このところ体の疲れがひどく、休日は一日中眠いし平日も帰るとすぐに寝て一切勉強もせず、このままでは自分の人生計画がめちゃくちゃになるという悪い予感がしたので、その靄を振り払ってエナジーみなぎる素晴らしく明るい毎日を歩もうという意思で、ジムに行くことにした。  なぜジムなのか。それは人に己の体力の低下をぼやくと必ず「ジムに行け」の五文字が返ってくるからだ。そんなに効くのか、鬱々した気分が晴れるのは本当か。筋肉は本当に全てを解決するのか。  人

          ジムに通うと本当に暮らしは変わるのか問題