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【子供のことば】「お水をよこせ!」の滑稽さ

長男ギーくん、もれなく3歳頃から仮面ライダーや戦隊ものにハマって、一時期に比べると熱は冷めてきましたが、毎週日曜日を楽しみにしています(日曜9時は仮面ライダーの放映がある)。
仮面ライダーデビューの時には私も一緒に観ていたのですが、最近はテレビを観ていてくれる時間に片付けや掃除、洗濯をしていて全く関知していないので、ギーくんは話し相手がいなくてちょっとつまらなそうです。

さて、こうしたヒーローものでは、日常ではあまり使用されない言葉遣いが散見されます。
こういうキャラクターはこう話す、こういう話し方はこんなキャラクター、という言葉遣いを「役割語」と言いますが、ヒーローものの役割語は未だ健在で大体毎期同じような印象です。
例えば、命令形。
我々の日常生活では「~しろ」とか「立て」のような命令形を命令として使うことはほとんどありません。軍隊とかは別だと思いますが。
英語で「Stand up」と命令形を使うものも、日本語ではふつう「立ってください」「立って」などと形式上では依頼の形をとるので、耳にすることは少ないです。
日本語教育でも、命令形は扱いますが、命令するときではなく「危険だから入るなと書いてあります」のような引用として導入します。
それがヒーローものでは「これを使え!」とか、「行け!」とか真面目にみんな口にしていて、どうやら幼稚園児にはそれがかっこよく見えるようです。
ギー君も4歳頃には、「早く食べろ!」とか「そっちを持て!」とか、私や夫、祖父母によく指示を出していました。
その中でも滑稽だったのは「お水をよこせ!」でした。
そこは「水をよこせ」でしょ?と笑ってしまいましたが、こういうちょっとしたズレがよくあります。

以前、以下でも触れましたが、幼児語というのは子育て語が反映されたものです。


https://note.com/reach_co/n/nf2d91be31ef8

女性は「お」とか「ご」の美化語をよく使うと言われますが(お酒、お菓子など)、これが子供にも移っているわけですね。
家でも「お水のむ?」「お風呂入ろう」などと声をかけますが、園でも女の先生が多くて「お帽子」とか「おかばん」などと言っているみたいです。
それで、話し方はヒーローっぽくなったけど、ちょっと丁寧な言葉がそのまま残ってしまうという何とも可愛らしいことになるのでした。
「おくつをはかせろ!」なんて言われると、ハイハイと何でも聞いてあげたくなってしまう母なのでした。

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