烏口上腕靭帯のコピー

小趾外転筋の触診レシピ

小趾外転筋の触診と臨床ポイント

やっぱり新年は小趾外転筋から始めたかった。だって好きなんだもの笑

渋いと言われることもありますが、僕はいたって爽やかなつもり笑


触診のポイントは小趾外転筋の起始部。踵骨隆起の外側にしか付着してないと思っている方多いと思いますが、内側にもあります。


小趾外転筋の評価と治療・エクササイズ

僕のツイートに呼応しての、たくみさんのツイート。

この治療も運動・解剖学を盛り込んだ工夫がされてます。

ポイント❶:足趾は伸展
ポイント❷:徐々に下腿を前傾させる

The 有用✨

僕個人としては、何より『歩行時に荷重を外側から内側へ波及させることが大切』と感じています。

簡単に説明します。

小趾外転筋のすぐ内側には長腓骨筋が通過


長腓骨筋はラテラルラインに属していて、そのラインは腸脛靭帯へ伝わります。

腸脛靭帯には、大腿筋膜張筋・中殿筋前部線維・外側広筋斜頭・大殿筋・大腿二頭筋短頭が付着

荷重を受け止めた小趾外転筋への前外側の運動エネルギーは、うまく機能していれば大殿筋に伝わり推進力へと変換されます。

仮に小趾外転筋の萎縮や機能低下があれば

❶運動エネルギーを受け止めきれず、重心は支持基底面の外へ出る
❷他部位での代償で、重心を強引に内側へ

だから、小趾外転筋は推進力にも大切だし、足関節の内反捻挫予防にも繋がるんです。


たくみさんと僕のTwitterでのやり取りを見ていた方から多くのコラボ動画がツイートされました。

スバルさん@barusu4911

これは小趾の側面に触刺激入るので、良さそうですね!


お次はけんてぃーさん@kento_isehara

この治療方法のポイントをお聞きしました。

「STの動きが1番わかりやすい、載距突起を手掌小指側で感じながら、運動軸を意識して動かします!前額面42°矢状面16°です!」

「途中の足関節の動きは、徒手誘導を強調させるため」

「股関節屈曲のチェックも入れる」

股関節の屈曲はアナトミートレインでのスパイラルラインですね。長腓骨筋-大腿二頭筋-仙結節靭帯の流れ。

僕はこのやり方を、MPFL-R後でQuad Settingが入りづらい子に行ったところ、収縮の入りやすさを感じました。(ちなみに術側が健側に比べて下腿外旋位)


続いて、吉澤さん@Knee_geek

こちらの動画もオリジナリティが冴えます!

立方骨挙上の誘導、外側縦アーチに必要な腓骨筋・小趾外転筋に対していっぺんにアプローチされています。


小趾外転筋とエコー画像

小趾外転筋のエコー見たことありますか?僕は今までありませんでした。

だってマニアックだもの笑

でも、今回小趾外転筋に興味を持ってもらえるモノを志水さんがツイートしています!それがこちら!!

いやぁ。すご。。。

エコー画像の見方は、「上=表層」、「下=深層」、「左=外側」、「右=内側」

立方骨レベルで、小趾外転筋の収縮時に小趾外転筋は内方へ偏位してます

小趾外転筋の立方骨レベルは、この後に説明する長腓骨筋とのクロスポイントでもあります。

臨床に向けてどう考えるかは人さまざまですが、僕なら

❶遠位と近位で徒手的な誘導方向は変える

❷小趾外転筋が立方骨レベルで内方にシフトするなら、腓骨筋もそれに引っ張られるかも

⇨癒着も合わさると、長腓骨筋の機能低下が助長

この2つがパッと思い浮かびます。


近頃の小趾外転筋

「最近の若者は...」な〜んて言葉は、そのまま小趾外転筋にも使えます。

近年の若年者は、小趾外転筋が使えていない人がとても多い印象です。

小趾外転筋が使えないときのデメリットは3つ

❶スポーツのパフォーマンス低下
❷怪我をしやすくなる
❸スラストを助長してしまう

❶と❷はイメージはすでに説明しましたね。❸のスラストの助長は将来的に膝OAリスクを高めてしまう可能性があります。

歩行中の運動エネルギーを、小趾外転筋の遠心性収縮で受け止めきれない

小趾内反も重なって、腓骨筋の張力がストッパーとして働く

長腓骨筋の過緊張で腓骨・立方骨下制、合わせて腸脛靭帯もパンパン

外側荷重の優位性が上がる


ちなみに小趾外転筋は第5中足骨粗面にも付着するので、第5中足骨・立方骨のアライメントにもろに関わってきます

小趾・外側縦アーチの客観的評価はまだ確立されていないので、どうしても主観的な評価に頼らざるを得ませんが、とても大切なんです。

僕がみてる項目は7つで、一応ご紹介します。

❶立方骨を足底から押したときの疼痛
❷踵骨を固定したときの立方骨の動き(左右差・上下差)
❸第5中足骨を固定したときの立方骨の動き(左右差・上下差)
❹外側縦アーチを足背からなぞったときの関節の凹凸間(左右差)
❺ショパール・リスフラン関節の回内の可動性
❻小趾の動き
❼小趾のアライメント


近頃の小趾外転筋が弱くなってる理由

いろいろ考えられます。たくみさんとのお話の中で出てきたものをあげます

画像1

画像2

その会話がこちら。

・生活の洋式化(和式トイレでしゃがみ込むという動作がなくなった、スリッパで滑りながら歩くなど)

・裸足の生活習慣がなくなってきてる


僕が小学生のときに、体育で50m走のタイム測るときや運動会では「裸足最強説」がありましたが、今ではもうないんでしょうね笑


みなさまからのコラボ企画お待ちしております✨



メンバー紹介

エコー担当:志水さん(@echohuku

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Twitter:エコーと肩についての情報をわかりやすく発信しながら、これからのセラピストの生き方についてもつぶやいています。

note:【Twitterの『わかりやすい』を、『臨床で使える』】をコンセプトにコンテンツを発信😁


触診&エコー担当:Yoshikiさん(@PtGekikara

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運動器エコーカレッジ:解剖生理学を基礎として客観化を図り、エビデンスと技術を融合する。優良なエビデンスや、エコーで可視化、cadaverの実際など、様々な知識を放出していきます。今後開始予定。


治療担当:たくみロドリゲス(@TakumiRodrigues

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ライタープロフィール

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整形外科中心の急性期病院で働いています。スポーツは陸上競技が好きで、地域の陸上教室でトレーナー活動もしています。

Twitter:触診・臨床について発信中 ✨

Blog:ランナー向けに情報発信中✨

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